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国際なら・文化交流FESTA(11/3) [2011年11月06日(Sun)]

 11/3に、奈良県の大安寺で「奈良の源流に触れ、未来につなぐ国際交流フェスタ」と題して、講演会とコンサートおよび奈良県内の大学に通う留学生を中心とした「国際交流イベント」が開催され、これに出かけて来ました。
 まず、大安寺の河野良文貫主から挨拶がありました。大安寺は平城遷都にともない大官大寺が移された「天下泰平、万民安楽」護国の寺で、入唐僧道慈の活躍により奈良時代の仏教界に指導的役割を果たしてきました。また、インド、中国、韓国、ベトナム等からの来朝者もここに滞在した進歩的なお寺であったようです。現在も本堂や境内でこのような一般にも開かれた行事が行われるのは、そのような伝統を今も引き継ぐお寺だからでしょうか。


 
 講演は、上野誠先生(奈良大学教授)による「遣唐使群像」と題して行われました。『万葉集』に採録されている遣唐使(天平五年出発)の母の歌と、天平四年(732)に遣唐使に任命され翌年唐に渡り、苦難の末6年後に日本に帰り着いた平群広成の話(『続日本紀』聖武天皇条に記されている)をされました。
 万葉歌は、題詞には、天平五年癸酉、遣唐使の船難波を発ちて海に入る時に、親母の子に贈る歌一首併せて短歌とあり、先ず長歌は、
【歌】 秋萩を 妻問ふ鹿こそ 独り子に 子持てりといへ 鹿子じもの 我が独り子の 草枕 旅にし行けば 竹玉を しじに貫き垂れ 斎瓮に 木綿取り垂でて 斎ひつつ 我が思ふ我が子 ま幸くありこそ (H-1790)
【口語訳】 秋萩を 妻問う鹿こそ 一人子に 子を持つというが その鹿の子のように 一人子の我が子が (草枕) 旅に出かけて行くので 竹玉をいっぱい緒に通して掛け 斎瓮に 木綿を取り付けて下げ 慎み続けて わたしが大切に思う我が子よ 無事でいておくれ
 次にその反歌は、
【歌】 旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群 (H-1791)
【口語訳】 旅人が 仮寝する野に 霜が降ったら 我が子を羽でかばってやっておくれ 天翔る蔓の群よ
 この歌は、遣唐使の一員の母とだけで作者は不明であるが、長歌では、一年に一頭しか子を産まない鹿を引き合いに出し、遣唐使として旅立たせる一人子の為に、神祭りに精魂を傾けることにより、旅の安全を願う親の気持ちが詠われ、反歌では、天の鶴群れに呼び掛けて我が子を護って欲しいと歌われています。


 平群広成は、遣唐使(判官)として天平五年に唐に渡りましたが、翌年帰国に際しては、広成の乗船した船は崑崙国(ベトナム)に流され、広成ら4人のみが生き残り、その後かろうじて唐に戻ることが出来ました。唐に帰り着いて、阿倍仲麻呂の尽力により玄宗皇帝の許しと援助を得て、渤海国を経由して日本に帰国することが出来ました(天平十一年に帰国し聖武天皇に帰朝報告)。この帰朝報告の内容が、『続日本紀』聖武天皇天平十一年の条に記されています。

 コンサートでは、万葉うたがたり会(主催岡本三千代)による「海を越えて」をテーマに歌と演奏が披露されました。

Posted by katakago at 19:56
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