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万葉歌の表記と韓国の玩具 柶戯(ユンノリ) [2015年01月28日(Wed)]
 
 今年初めの井手至先生の万葉講座(1/13)で、次の歌の訓について朝鮮の玩具”柶戯(しぎ)”の実物を持参して解説されました。この関連の歌はこれまでも出てきていましたが、この度私もその実物を入手出来ましたので、その写真とともにあらためてここに取り上げておきます。
IMG_0833m.jpg

 柶戯は、裏表のある四本の柶を同時に投げて、その下向き、上向きの数によって盤の上に駒を進めて遊ぶ玩具。 

【歌】 左小壮鹿之 妻問時尓 月乎吉三 切木四之泣所聞 今時来等霜 (I-2131)
【読み下し文】 さ雄鹿の 妻問ふ時に 月を良み が音聞こゆ 今し来らしも
【口語訳】 雄鹿が 妻問いする時に 月が良いので 空を飛ぶ雁の声が聞こえる 今来たらしいな
 四句目の「切木四之泣所聞」の切木四の訓について、上記の柶戯に関連して解説されました。この玩具は当時日本でも用いられていたようで、樗蒲(ちょぼ)ともいわれ、平安時代の辞書『和名類聚抄』には和名を加利宇知とあり、日本ではカリウチと称されていたようです。そこで、切木四をカリと訓み、他にも「切木四哭之(かりがねの)」の例があります(E-948)。

 柶戯の4本の目に拠って次のような表記(戯書)があります(諸伏をマニマニ、一伏三起(向)をコロ、三伏一向をツク)。
IMG_0002m.jpg

以下その例を挙げておきます。
【歌】 吾恋者 千引乃石乎 七許 頸二将繋母 神之諸伏 (C-743)
【読み下し文】 我が恋は 千引きの石を 七ばかり 首に掛けむも 神のまにまに
【口語訳】 わたしの恋の重荷は 千人引きの大石を 七つばかり 首に掛けるほどに苦しいのも
 神の思召しとあらば

【歌】 春霞 田菜引今日之 暮三伏一向夜 不穢照良武 高松之野尓 (I-1874)
【読み下し文】 春霞 たなびく今日の 夕月(づく)夜 清く照るらむ 高松の野に
【口語訳】 春霞の かかっていた今日の 夕月は 明るく照っていることだろう 高松の野でも

【歌】 梓弓 末中一伏三起 不通有之 君者会奴 嗟羽将息 (K-2988)
【読み下し文】 梓弓 末の中ごろ 淀めりし 君には逢ひぬ 嘆きは止まむ
【口語訳】 (梓弓) 末の中頃 通っていらっしゃらなかった あなたにお逢いできました 
もうため息も出ないでしょう

次は長歌の一部を
【歌】 菅根之 根毛一伏三向凝呂尓 吾念有 妹尓縁而者 ・・・・(L-3284)
【読み下し文】 菅の根の ねもころごろに 我が思へる 妹によりては ・・・・
【口語訳】 (菅の根の) 心を込めて わたしが思う 妹とのことなら ・・・・
 
 




Posted by katakago at 16:45
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