新しき年の初めの雪 [2015年01月01日(Thu)]
元日の午後から川西市でも雪が降り出しました(上の写真は果樹園で撮影)。 『万葉集』には、大伴家持が詠んだ次の歌が全二十巻の最後に載せられています。 【歌】 新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事 (S‐4516) 【口語訳】 新しい 年の初めの 正月の 今日降る雪のように もっと積れ良い事 この歌は題詞に拠れば、天平宝字三年(759)の正月一日に因幡国の庁で国司郡司らに饗応した宴で詠まれたとあります。正月の大雪は豊年の瑞兆であり、この年の正月一日は暦の上でも立春にあたる(元旦立春)で(19年に一度巡る)、元旦立春と豊年瑞兆の雪が重なっためでたさが詠まれています(大浜真幸氏の論文「大伴家持作『三年春正月一日』の歌 ー『新しき年の初めの初春の今日』をめぐって ー」)。 実を付けた橘の葉に雪が積もっていました。 【歌】 橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜置けど いや常葉の木 (聖武天皇 E‐1009) 【口語訳】 橘は 実まで花まで その葉まで 枝に霜が置いても いよいよ栄える木であるぞ この歌の解説は次のURLに載せています。 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/269 早くも咲き始めたヤブツバキの花も雪をかぶっていました。 |
Posted by
katakago
at 17:53