キキョウ [2011年06月26日(Sun)]
昨年種子から育てたキキョウの株が花を咲かせています。万葉歌で、あさがほ(原文では朝杲・安佐我保などと表記)と詠まれたものが5首あり、それが現在のどの植物に相当するかいくつかの説(キキョウ・ムクゲ・ヒルガオ・アサガオ)がある中で、キキョウが相応しいとの説が有力です。その根拠として次のような点が挙げられています。、『新撰字鏡』(平安時代の漢和字書)に桔梗の訓に「阿佐加保」があり、槿にはアサガホの訓は無い。ヒルガオは次の歌のように早朝に咲く花ではなく、アサガオは平安時代に中国より渡来したと言われ、野に咲く花でもない。 【歌】 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけり (I-2104) 【口語訳】 朝顔は 朝露をやどして 咲くと言われているが 夕方の淡い光の中の方が ずっと美しく見えるよ (『萬葉集全注』による) なお、あさがほは、山上憶良の有名な「秋の七種(くさ)」の歌にも、野に咲く花(秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花)の一つとして詠まれています。この時期咲いている株も、花が終わった後茎を切り戻してやると秋にも花が見られます。また、今年の春に播種したものは、次の写真のような状態に生育しています。これらも秋には花をつけると思われます。 |
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katakago
at 08:51