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式年遷宮の伊勢神宮を訪ねて(11/9) [2013年11月11日(Mon)]
 この週末は行事が続きました。11月9日(土)は、毎日文化センターで受講している「万葉の講座」の半期に一度の現地講座で、講師の市瀬先生の案内で伊勢神宮を訪ねました。

 伊勢の国に関し、万葉歌では、持統天皇が天武天皇崩御後8年目の御斎会の夜の夢の中で詠んだと題詞に書かれた次ぎの歌があります。
【歌】 明日香の 清御原の宮に 天の下 知らしめしし やすみしし 我が大君 高照らす 日の皇子 いかさまに 思ほしめせか 神風の 伊勢の国は 沖つ藻も なみたる波に 塩気のみ かをれる国に うまこり あやにともしき 高照らす 日の皇子 (A-162)
【口語訳】 飛鳥の 清御原の宮で 天下を お治めになった (やすみしし) わが大君の (高照らす) 日の御子である先帝は どのように お思いになってか (神風の) 伊勢の国は 沖の藻も なびいている波に 潮の香が 立ちこめている国に (うまこり) たまらないほどお逢いしたい (高照らす) 日の御子
 壬申の乱(672年)に際し、大海人皇子(後の天武天皇)は伊勢の神風に援けられ勝利を得た。大海人皇子の挙兵後吉野から伊勢路を経た時の行路には、妃の鸕野讃良皇女(後の持統天皇)も夫大海人皇子に従っており、「神風の伊勢の国」はそこからの連想があったとみられています(岩波文庫『万葉集(一)』)。
 「神風の」は伊勢にかかる枕詞で、伊勢の大神のいます国で、風の激しい国であるところからかかるとされる。記紀歌謡中の久米歌(記13、紀8,78)のほか、垂仁紀25年条の伊勢神宮の起源を伝える記事や、『伊勢国風土記逸文』にも見え、万葉以前から伊勢に冠する賞辞として用いられたとみられています(『萬葉集全歌講義』)。

 今回訪問の伊勢神宮は、万葉以前の『古事記』、『日本書紀』、『伊勢国風土記逸文』の世界です。日帰りで巡ったのは次のルートです。
五十鈴川駅集合(11:00)→(バス)→伊勢神宮内宮参拝(11:30)・おかげ横丁で昼食→猿田彦神社・佐瑠女神社参拝(13:40)→(徒歩)→月讀宮参拝→(バス)→伊勢神宮外宮参拝・せんぐう館見学→伊勢市駅(16:30)

 伊勢神宮は、天照大神を祀る皇大神宮(内宮)と、食事等を司る豊受大神を祀る豊受大神宮(外宮)の両正宮、さらには別宮、摂社・末社、所管社の計125社の総称で、今年は62回目の式年遷宮が行われました(新正殿に御神体を移す遷御の儀は10/2に内宮、10/5に外宮で行われた)。この二十年に一度の式年遷宮では、宮処(御敷地)を改め、古例のままに御社殿や神宝をはじめ一切が一新されます(全てを清らかにあらためることにより、国も人も共に若返るとされる)。

 『日本書紀』垂仁天皇二十五年条に、「天照大神を豊耜入姫命より離ちまつり、倭姫命に託けたまふ。爰に倭姫命、大神を鎮め坐させむ処を求めて、菟田の筱幡に詣り、更に還りて近江国に入り、東美濃を廻り、伊勢国に至る。時に天照大神、倭姫命に誨へて曰はく、『この神風の伊勢国は、則ち常世の浪の重浪帰する国なり。傍国の可怜国なり。是の国に居らむと欲ふ』とのたまふ。故、大神の教の随に、其の祠を伊勢国に立て、因りて斎宮を五十鈴川の上に興てたまふ。是を磯宮と謂ふ。則ち天照大神の始めて天より降ります処なり。」とあります。

 以下訪問場所の写真を掲載しました。

 内宮の宇治橋鳥居(宇治橋では大勢の参拝者が列をなしていました)
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 五十鈴川御手洗場
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 真新しい正宮へ参拝 
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 遷御が終わった後のこれまでの正宮(20年経つとかなり傷みが目立ちます)
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 内宮前のおかげ横丁(大勢の人ごみの中昼食場所を求めて散策) 
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 皇大神宮別宮月讀宮(市瀬先生による説明の様子)
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 『日本書紀』神代巻第五段の正文では、月讀尊は伊奘諾尊・伊奘冉尊二神から天照大神に次いで生まれたとある。
 月讀宮以下四別宮(左から伊佐奈弥宮、伊佐奈岐宮、月讀宮、月讀荒御魂宮)
現在隣の敷地で新しい建物が建設中でした。
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 外宮(豊受大神宮)参拝(写真手前がこれまでの正宮、奥が新正宮)
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 新しい正宮へ参拝  
IMG_4941m.jpg

 遷御後のこれまでの正宮(奥まで見通せるようになっていました)
IMG_4931m.jpg


 最後に訪ねた「せんぐう館」では、神宮と式年遷宮について分かりやすく展示されていました。また館内に、外宮正殿東側の四分の一部分が原寸大で再現されていました。今回時間の都合で立ち寄れなかった「神宮徴古館」も機会があれば見学したい所です。




Posted by katakago at 15:52
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