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キリの花 [2013年05月02日(Thu)]
3年ほど前に植えたキリ(キリ科)の苗木は、今や3m以上の高さになり花を咲かせています。 『万葉集』巻五には大伴旅人が藤原房前に贈った書状が載せられており、その中に「梧桐(ごとう)の日本琴(やまとごと)一面」とあります。「梧桐」は正しくはアオギリ(あおぎり科)ですが、詩文上では古くからキリ(桐)と通用されています。 大宰帥であった大伴旅人が藤原房前(中衛府の長官)に琴を贈るのに添えられた書状の口語訳(初めの部分)を載せておきます(『萬葉集全歌講義』より)。 大伴旅人が謹んで申し上げます。 梧桐の日本琴一面 対馬の結石山の孫枝です。 この琴が夢に娘子となって現れて申しますには、「わたしは、根を沖遠い島の対馬の高い山に伸ばし、幹を大空の美しい光にさらして来ました。長い年月、雲や霞に包まれて山川の間に心を遊ばせ、遠く風や波を眺めながら、伐られそうで伐られない不安定な状態にありました。ただひとつ心配なことは、百年の後に空しく谷間に朽ち果てるのだろうかということでした。たまたま立派な細工師に会って、伐られてささやかな琴になりました。音質も悪く、音量も乏しいことも省みず、君子のおそばに置かれる琴になりたいとずっと願っておりました」(以下略)。 日本琴は膝に載せて弾く六絃琴(長さは2m程度で正倉院にも現存する)で、書状の原文では、「恒希君子左琴(恒に君子の左琴とあらむことを希(ねが)ふ」とあります。君子は琴を左に、書を右において(左琴右書)楽しむという、中国の『古列女伝』賢明伝の記事に拠るそうです(『萬葉集釈注』より)。
対馬の結石山(ゆいしやま)へは、数年前に訪れたことがあります。
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Posted by
katakago
at 09:37
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