ヤマブキの花 [2013年04月07日(Sun)]
ヤマブキの花(一重)が咲いています。八重はこれからです。 ヤマブキは万葉歌には17首詠まれており、一昨年、昨年の記事でも紹介しています。 ↓ URL https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/6 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/daily/201204/15 ここでは別の歌を載せておきます。 【原文】 花咲而 実者不成登裳 長気 所念鴨 山振之花 (I‐1860) 【読み下し文】 花咲きて 実は成らねども 長き日に 思ほゆるかも 山吹の花 【口語訳】 花だけ咲いて 実はならないのに 長い間待たれることよ 山吹の花は 「実は成らねども」は、八重の品種には実が成らないのでこのように言われるが、集中、「実成らず」・「実に成らず」は、しばしば実らぬ恋の比喩に用いられるため、この歌にも寓意があるかとする説もあります。 植物の種類は異なりますが、大伴家持の紀女郎への贈答歌では次のように詠まれています。 【歌】 我妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも (G‐1463) 【口語訳】 あなたに 頂戴したねむは 花ばかり 咲いておそらく 実を結ばないのではないでしょうか 『新編日本古典文学全集 萬葉集』によれば、この歌には、「あなたの私に対する愛情は一時的なものではないでしょうか、の寓意がある」と解説されています。 |
Posted by
katakago
at 20:19