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JR東海奈良学文化講座―金峯山寺から古代寺院比曽寺跡へ― [2012年11月04日(Sun)]
 この週末は行事が重なっておりあわただしく過ごしました。昨日(11/3)は、吉野山で第127回JR東海奈良学文化講座が開催され参加しました(定員300名)。今回のテーマは、「吉野山・金峯山寺蔵王堂から吉野川畔、古代寺院・比曽寺跡(世尊寺)へ」で、講演と講師の案内による現地散策が行われました。

 近鉄吉野線の終点吉野駅で下車してロープウェーで吉野山駅まで登り、ここから講演会場の吉野山ビジターセンター(金峯山寺蔵王堂の近く)に向かいました。
 吉野駅前には、犬養先生揮毫の万葉歌碑が建てられています。天武天皇の吉野行幸時の御製歌です(『日本書紀』には、天武天皇8年5月5日に吉野離宮への行幸記事がある)。
【原文】 淑人乃 良跡吉見而 好常言師 芳野吉見与 良人四来三 (@-27)
【読み下し文】 よき人の よしとよく見て よしと言ひし 吉野よく見よ よき人よく見
【口語訳】 昔の良き人が よい所だとよく見て よいと言った この吉野をよく見よ 今の良き人よよく見るがよい
 第一句のよき人は昔の君子、第五句のよき人は今の世の君子をさし、天武天皇の周囲にある諸皇子への呼びかけとみられています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。
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 午前の講演では、高橋平明氏(元興寺文化財研究所)が「幻の古刹・比曽寺の縁起と信仰」と題して話されました。比曽寺は吉野寺とも称され、『今昔物語集』では現光寺とされ、現在は世尊寺として続いています。
 江戸時代前期に作られた『現光寺縁起絵巻』(伽藍再興を期して勧進・寄付を募るために制作されたか)の内容を紹介しながら話されました。
 絵巻上巻では次のように語られます。。欽明天皇14年(539)に茅渟海で漂流する光を放つ樟木発見の報告が天皇になされ、天皇は五十太神(石上神宮)と三輪太神(大神神社)から仏像を造ることを託宣されます。こうして造られた仏像は大和国豊浦堂(後の豊浦寺)に安置されますが、敏達天皇14年に仏教排斥として物部守屋らにより豊浦堂が放火されます。この時消失を免れた仏像は、用明天皇2年(597)の物部守屋誅滅の後、比曽寺に安置したとあります(比曽寺は吉野寺のことであり、今の現光寺)。

 なお、『日本書紀』欽明天皇十四年条には次のような記事が載せられています。夏五月戊辰朔(一日)に、河内国が、「泉郡の茅渟海の中から梵音が聞こえます。その音の響きは雷音のようであり、その美しい光は明るく輝いて日の光のようです」と申しあげた。天皇は不思議に思われて、溝辺直を遣わして、海に入って捜させた。この時、海に入った溝辺直は、はたして樟木が海に浮かんで輝いているのを見つけた。ついに取って天皇に献上した。天皇は画工に命じて、仏像二軀を造らせられた。今、吉野寺にあって、光を放つ樟の仏像がこれである(『新編日本古典文学全集 日本書紀』の口語訳より)。

 午後は、池田淳氏(吉野歴史資料館)の案内で、金峯山寺蔵王堂から比曽寺跡(世尊寺)を巡りました。
 蔵王堂では、秘仏本尊の金剛蔵王大権現が特別ご開帳中(12/9まで)で、今回初めて拝観できました。
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 世尊寺(比曽寺跡)では、住職から説明の後堂内の仏像を見学しました。
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『現光寺縁起絵巻』や『日本書紀』には放光樟像と記されていますが、現在の本尊は平安時代作の阿弥陀如来座像です。絵巻の現物は文化財指定のため見れませんでしたが、模写されたものを見せていただきました。次の写真は住職の許可を得たもので、放光樟木を引き上げている場面です。
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 これまで吉野は万葉ゆかりの地として何度か訪れて来ましたが、今回の講座を通して吉野の別の一面にふれることができました。 


Posted by katakago at 19:33
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