ハギの花(その2) [2012年09月13日(Thu)]
裏山で咲いているミヤギノハギ(まめ科)です。 ハギは万葉歌に詠まれている植物では最も多く(141首)、これまでもいくつか紹介してきています。それらは、昨年8/20の記事(G-1541、1598、I-2205)、同じく9/20の記事(A-231、G-1557)、今年の8/22の記事(G-1538)に掲載しています。 ここでは巻七の譬喩歌「花に寄する」から別の歌を載せておきます。 【歌】 見まく欲り 恋ひつつ待ちし 秋萩は 花のみ咲きて 成らずかもあらむ (F-1364) 【口語訳】 花が見たさに 恋しく思いながら待った 秋萩は 花だけ咲いて 実を結ばないのではなかろうか 「秋萩」は自分が恋しく思っている女性で、「花のみ咲きて成らずかもあらむ」は、恋愛が成就して結婚にまでは至らないのであろうかと、心配している男の歌と解されています。 【歌】 我妹が やどの秋萩 花よりは 実になりてこそ 恋増さりけれ (F-1365) 【口語訳】 愛妻の 庭の秋萩は 花が咲いていた時より 実を結んでのちにこそ 恋しさが増したことだ 「やどの秋萩」は相手の女性で、「花よりは実になりてこそ」は恋愛中よりも結婚してからの方がの意で、結ばれた後にかえって恋しさが増したと、結婚できて幸せいっぱいの気持ちを詠んだと解されています。
2枚目の写真は畑で咲きだした白花のハギです。
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Posted by
katakago
at 09:03