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石見万葉旅行(9/2万葉歌碑除幕式) [2012年09月03日(Mon)]
 今年は『古事記』編纂1300年に当たり、島根県では出雲大社周辺を主会場に、「神話博しまね」が開催されています(7/21〜11/11)。島根(石見)はまた、万葉の世界では柿本人麻呂のゆかりの地でもあります。今回「万葉の大和路を歩く会」主催の「人麻呂の石見と万葉フォーラム」の旅行に参加して出かけてきました(8/31〜9/2)。
 3日間にわたって人麻呂ゆかりの地を訪ねるとともに、江津市で開催された「全国万葉フェスティバルinしまね」にも参加し(2日目)、今回同行の講師坂本信幸先生(奈良女子大学名誉教授・高岡市万葉歴史館館長)が揮毫された万葉歌碑の除幕式にも参列しました(3日目)。
 これらの様子を写真を中心に3回に分けて報告します。

 まず、昨日(9/2)行われた万葉歌碑の除幕式の様子を紹介します。
場所は江津市内を一望できる展望のよい高角山の中腹です。歌碑の歌は、柿本朝臣人麻呂が、石見国から妻と別れて上京する時に詠んだ「石見相聞歌」と称される長歌(A-131)の反歌(A-133)です。副碑に原文、口訳、解説が書かれていますが、次に示しておきます。

【原文】 小竹之葉者 三山毛清尓 乱友 吾者妹思 別来礼婆
【読み下し文】 笹の葉は み山もさやに さやげども 我は妹思ふ 別れ来ぬれば
【口訳】 笹の葉は、山全体がさやさやと風に騒いでいるけれども、私はただひたすら妻のことを思う、別れて来たので。

 坂本先生、江津市長らによる除幕の様子

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 除幕後の歌碑と副碑
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 笹の葉は み山もさやに さやげども 我は妹思ふ 別れ来ぬれば
IMG_0736m.jpg

 なお、原文の「乱友」の訓については、「さやげども」と「みだるとも」の説がある中、坂本先生は、これまでの諸説に論証を加えた上で、澤瀉久孝説(『萬葉古径』)の「さやげども」の訓によるべきと述べられています。歌碑の文面もひらがなで「さやげども」と書かれています。詳細は、先生の論文「笹の葉はみ山もさやに−『乱友』考 −」(『萬葉』二百七号、平成22年9月)に述べられています。



 副碑に書かれた坂本先生の解説文を掲載しておきます。「み山」という表現には、高角山に対する畏れと謹みがうかがえる。その畏怖すべき山全体がざわめき騒いでいる中で、ただ一筋に妻のことを思うのは人麻呂の愛情の強さゆえである。
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 歌碑の序幕を終え挨拶される坂本先生
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 地元の江津市立高角小学校1,2年生により、「石見相聞歌」長歌、反歌の朗唱が行われました。
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 この除幕式には、地元の方はじめ、万葉の大和路を歩く会(64名)、高岡市万葉歴史館万葉を愛する会(34名)など多くの参列者があり盛大に行われました。
Posted by katakago at 14:06
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