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ヤブカンゾウ [2012年06月29日(Fri)]
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 ヤブカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌では、わすれぐさ(原文は萱草と表記)として4首詠まれています。昨年6/30の記事に、写真と歌(B-334、C-727)の解説を載せていますが、ここでは別の歌を紹介します。

【歌】忘れ草 垣もしみみに 植ゑたれど 醜の醜草 なほ恋ひにけり (K-3062)
【口語訳】 苦しい恋を忘れたいと思って、忘れ草を垣根にぎっしり植えたのに、ほんとうに役立たずの草だよ。やっぱり恋を忘れられない。(『萬葉集全歌講義』より)
 昨年も記しておきましたが、中国の『文選』巻第五十三「養生論」に、「萱草ハ憂ヲ忘レシム」とあり、当時この漢籍に基づいて、カンゾウ(わすれぐさ)を身に付けると憂苦を忘れるという俗信があり、万葉歌では思うようにならない恋の苦しさから逃れるための具として詠まれています。
 大伴家持の次の歌でも、「忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかった」と詠んでいます。
【歌】忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜の醜草 言にしありけり (C-727)
Posted by katakago at 19:20
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