ベニバナ(続) [2012年06月28日(Thu)]
ベニバナ(きく科)の園芸種の写真は、6/8(万葉歌J-2624)と6/25の記事に掲載していますが、山形の栽培種(山形県の紅花資料館より入手)も咲きだしました。園芸種に比べ鋭い棘があります。なお、昨年6/29の記事に万葉歌(J-2827)と染色に関わる解説を載せていますが、ここでは別の歌を紹介します。
【歌】 紅に 衣染めまく 欲しけども 着てにほはばか 人の知るべき (F-1297) 【口語訳】 紅花で 衣を染めようと 思うけれど 着て目立ったら 人に感づかれそうだ 巻七の比喩歌(衣に寄せる)です。表の意味は口語訳のようになりますが、「色に染まる」は、男性の求婚をそのまま受け入れることで、この歌(裏の意味)では、男に求婚され女も承諾したい気持ちになりながら、人の思惑を気にして躊躇している気分が詠まれています(『萬葉集全歌講義』より)。
次のような類想歌があります。 【歌】 紅の 深染めの衣を 下に着ば 人の見らくに にほひ出でむかも (J-2828) 【口語訳】 紅の 濃染(こぞ)めの衣を 下に着たら 人が見ている所で 赤く透けて見えはしないだろうか これも比喩歌で、美しい女性を紅色に濃く染めた衣に喩えて、あなたと結ばれたら、人目につくだろうか、と詠まれています。
毎年採種しているので種も増え、たくさん栽培できるようになりました。
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Posted by
katakago
at 05:06