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ショウブ [2012年05月06日(Sun)]
IMG_2134m.jpg
 ビオトープ池ではショウブ(ショウブ科)の花が咲いています。花茎の中ほどに肉穂花序(淡黄緑色の小花を密集)を付けています(写真中央)。葉は独特の匂いをもち、これが邪気を払い疫病を除くものといわれ、端午の節句に用いられるようになりました。

 万葉歌では、あやめぐさ(原文は菖蒲草・菖蒲・安夜女具佐などと表記)として詠まれています(12首)。昨年5/5の記事で写真と歌を紹介していますが、ここでは別の歌を載せておきます。
【歌】 ほととぎす 待てど来鳴かず あやめぐさ 玉に貫く日を いまだ遠みか (大伴家持 G-1490)
【口語訳】 ほととぎすは いくら待っても来鳴かない あやめぐさを 玉に通す日が まだ遠いからなのか
 『萬葉集釈注』によれば、「玉に貫く日」は五月五日をさし、当時この日に薬玉(くすだま)を飾る習慣があったようです。長命を祈るため香薬を袋に入れ、菖蒲・蓬・橘の実などを玉の代わりに付けて五色の糸を垂らしたものが薬玉で、中国の長命縷(ちょうめいる)の儀式を真似たものと言われています。

 「ほととぎす」と「五月の玉」を詠んだ歌を参考までに載せておきます。
【歌】 ほととぎす いたくな鳴きそ 汝が声を 五月の玉に あへ貫くまでに (藤原夫人 G-1465)
【口語訳】 ほととぎすよ そんなにひどく鳴いてくれるな おまえの声を 五月の玉に 交ぜて緒に通す日までは
 『萬葉集釈注』の解説によれば、当時、ホトトギスの声を五月の節句の薬玉に通して楽しみたいという発想があったようです(1490歌もその発想を踏まえて詠まれている)。「四月中にホトトギスが鳴くのを、五月の薬玉の糸に貫く日のために残しておいてほしいと、その声を惜しんだ歌」とあります。

 先月下旬(4/27)、葛城古道ではホトトギスの鳴き声を耳にしましたが、こちら(川西市矢問)では未だ聞いていません。
Posted by katakago at 21:31
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