ユズリハ [2012年01月03日(Tue)]
ユズリハは暖地に生える、ユズリハ科の常緑樹です。常緑でありながら新葉が出ると古い葉が下垂して落ちるのを、新葉に位置を譲る(子が成長して親が譲るとも)とみてその名がつけられたようです。そこでユズリハは目出度いものとして、正月の飾りにも用いられるようです。 万葉歌では、ゆずるは(原文は弓絃葉・由豆流波と表記)として詠まれています。 【歌】 古に 恋ふる鳥かも ゆづるはの 御井の上より 鳴き渡り行く (弓削皇子 A-111) 【口語訳】 亡き父帝を 慕う鳥でしょうか ゆずりはの 御井の上から 鳴いて飛んで行くのは 題詞には、持統天皇が吉野に行幸された時の歌で、弓削皇子が、都に残る額田王に贈った歌とあります。この「古(いにしへ)」は、いにしへ人の意で、ここでは弓削皇子にとっては父であり、額田王にとってはかっての夫であった天武天皇のことを指しています(『新編日本古典文学全集 万葉集』より)。額田王は次の歌でこたえています。 【歌】 古に 恋ふらむ鳥は ほととぎす けだしや鳴きし 我が思へるごと (A-112) 【口語訳】 亡き人を 慕うという鳥とは ほととぎすです おそらく鳴いたことでしょう わたしがお慕いしているように |
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katakago
at 13:10