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万葉集の植物・植生 [2011年09月17日(Sat)]


 兵庫県立人と自然の博物館(三田市)で、「万葉集の植物・植生」と題して服部保先生(兵庫県立大教授・博物館部長)のセミナーがあり、万葉仲間を誘って参加しました。服部先生は、万葉歌に詠まれた植物を、植物群集、群落(植生)の視点から解析して、万葉時代の植生景観がどのようなものであったかについて研究されています。この研究に際しては、4516首からなる万葉歌全てについて、3回読み込まれたとのことでした。

解析結果の要約の一例
・同じ歌に詠まれた複数の植物の組み合わせについて、植生単位(採草草原、水田雑草群落など)毎に解析すると、現存植生の種組成の一部を反映した結果となり、万葉歌の写実性の高さを示している(例えば採草草原のススキクラスの構成種は、ハギ、ススキ、オミナエシ、チガヤ、クズ、カワラナデシコ、スミレ、キキョウ、フジバカマ、ナンバンギセル間での組み合わせ)。
・同じ歌に詠まれている植物と立地条件(田、里、野、丘、社、山、奥山、河原、川、河口、浜など))との対応に関しても、現存植生との一致が見られ写実性の高さが認められる(例えば田の立地条件に対して、イネ、セリ、イヌビエ、ヒルムシロ、コナギが対応)。
・植生単位(ススキ・チガヤ・シバ草原、庭園・緑化植物群など)毎にそれに属する植物が詠まれた歌の数を集計すると、ススキ・チガヤ・シバ草原の植生単位が最も多く、万葉人は開放的な草原景観を好んでいたようである。

 『万葉集』に関する講座や講演会で、このような視点での講演は初めてで、大変興味深く聴かせていただきました。5年前に、『手づくり万葉植物園の四季』を自費出版しましたが、将来その改訂版を出す機会があれば、このような研究成果も参考にしたいと考えています。


 なお、この博物館には丹波の恐竜化石が展示されています。セミナーが始まる前に館内を見ることが出来ました。

Posted by katakago at 19:22
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https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/171
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