裏山で見つけたドングリ [2020年10月28日(Wed)]
裏山のアラカシ(ブナ科)にはドングリがたくさん生っています。殻斗(かくと)に堅果が一個であることより、万葉歌で、「橿の実」は「ひとり」の枕詞に用いられています。その長歌の一部を載せておきます。 【歌】 ・・・ ただひとり い渡らす児は 若草の 夫(つま)かあるらむ 橿の実の ひとりか寝(ぬ)らむ ・・・ (巻九・1742) この歌の解説は、ヤマアイの記事(次のURL)に載せています。 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/291 裏山で拾ったクヌギ(写真左)とコナラのドングリ クヌギ(ブナ科)のドングリを煎じた汁は、灰汁(あく)媒染では黄褐色の染料(鉄媒染では黒色)となる。万葉歌では、「つるはみ」と詠まれています。 【歌】 紅は うつろふものそ 橡(つるはみ)の なれにし衣に なほ及(し)かめやも (巻十八・4109) 【口語訳】 紅は 色褪せるもの 橡染めでも 着馴れた衣に やはり及ぼうか 当時、鉄媒染による橡染めの黒色の衣服は、一般に下層階級の着るものと考えられていたようです。この歌の関連記事は、次のURLに載せています。 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/47 コウヤボウキ(キク科)の花が咲き始めました。 コウヤボウキが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。 https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201 ヤマナシ(バラ科)の実(桜紅葉を背景に) イチョウ(イチョウ科)は10数年前に苗木を植えたものですが、今年初めて銀杏が生りました。 マユミ(ニシキギ科)の実も色づいてきました。 |
Posted by
katakago
at 17:12