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ヒオウギの種 [2011年09月16日(Fri)]

 ヒオウギ(あやめ科)の花は、7/3、7/15(花弁が黄色)に写真を掲載していますが、花後に形成された刮ハがはじけて中から黒い球形の種子が見えています。万葉歌に詠まれている、ぬばたま(原文は野干玉・奴婆多麻・烏玉・夜干玉等と表記)はこのヒオウギの種と考えられています。万葉歌には80首詠まれていますが、植物としてのヒオウギやその種子そのものを詠んだ例はなく、全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いらています。これは、アカネ(9/14掲載)の場合と同様です。

【歌】 ぬばたまの 黒髪変わり 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 C-573)
【口語訳】 (ぬばたまの) 黒髪が 白髪に変わっても つらい恋に 出会う時はあるものですね
 作者の沙弥満誓は筑紫観世音寺の別当となり大宰府に赴き、大宰帥大伴旅人と親しくなった文人です。旅人が大納言となって上京した後、恋歌仕立てで(恋という言葉が用いられているが男女の恋愛ではなく)旅人を慕う心が詠まれています。

 次の歌では、「あかね」と「ぬばたま」が詠まれています。
【歌】 あかねさす 昼は物思ひ ぬばたまの 夜はすがらに 音のみし泣かゆ (中臣朝臣宅守 N-3732)
【口語訳】 (あかねさす) 昼は物思いをし (ぬばたまの) 夜は夜通し 声をあげて泣けてしょうがない
 この歌は目録によれば、中臣朝臣宅守が蔵部の女孺狭野弟上娘子を娶った時に越前国に流罪になり(理由は不明)、都に残された狭野弟上娘子との間で交わされた贈答歌群(巻15の後半63首)に出てくるものです。
 
 なお、同時に「あかね」と「ぬばたま」が詠まれた歌は、セリ(7/2掲載)のところにも出て来ました(S-4455)

 今年の春に種を蒔いたもので、この時期2株ほど花を咲かせています(次の写真)。

Posted by katakago at 15:12
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