CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
<< 2020年11月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
最新記事
月別アーカイブ
最新コメント
ヤブランの花 [2011年08月31日(Wed)]

 裏山の植物園のあちこちで、今、ヤブラン(ゆり科)の花が咲いています。11月下旬には、緑黒色の種子が出来ます。万葉歌に、やますげ・やますが(原文は山菅・夜麻須我などと表記)と詠まれている植物に、ヤブランあるいはジャノヒゲ(ゆり科)を当てる説があります。
【歌】 咲く花は うつろふ時あり あしひきの 山菅の根し 長くはありけり (大伴家持 S-4484)
【口語訳】 咲く花は うつろい変わる時がある (あしひきの) 山菅の根こそ 長く切れないものなのだ
 この歌の前に、天平勝宝9年6月23日(改元されて天平宝字元年、757)、大監物三形王の邸宅で行われた宴における家持の次のような歌が載せられています。
【歌】 移り行く 時見るごとに 心痛く 昔の人し 思ほゆるかも (S-4483)
【口語訳】 移り行く 時の流れを見るたびに せつないほどに 昔の人のことが 思い出されることです
 この間の状況については、新編日本古典文学全集『万葉集』の頭注に詳しく解説がなされています。それによると、「移り行く時見るごとに」について、橘諸兄が亡くなった後、藤原仲麻呂は反対派の動きを封ずるような施策を次々に打ち出す。これに対し、橘奈良麻呂(諸兄の子)や安宿王・大伴古麻呂・大伴池主らが仲麻呂打倒の謀議を凝らし始める。家持は遠からず起るべき両勢力の衝突を予測してこの語を発したのであろう、とあります。「咲く花はうつろふ時あり」については、咲く花を一時の栄のたとえとする例は多いが、ここは、仲麻呂の朝政を私している現状を憎み、このような悪逆が長く続くはずがないと呪って言ったもの、とあります。
 『続日本紀』によれば、その後相継いで仲麻呂の許に密告があり、7月3日には奈良麻呂をはじめ、大伴氏の一族の古慈悲・池主ら一味がことごとく捕えられ、尋問を受けて主だった者はみな獄死し、その他多くの者が重刑を課せられました。

 なお、やますげ・やますがについては、やブラン・ジャノヒゲとは別に、山に生える菅(かやつりぐさ科のすげ属の総称)とする説もあります。
Posted by katakago at 16:11
この記事のURL
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/154
コメントする
コメント
プロフィール

katakagoさんの画像
カテゴリアーカイブ
リンク集
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/index2_0.xml