ケイトウの花(その2) [2011年08月24日(Wed)]
ケイトウは7/27に写真と歌を紹介していますが、今年蒔いたものが花を咲かせています(矮性の品種でした)。その花の汁は染料に用いられたので、万葉歌(韓藍として詠まれている)でも次の歌のように、「色に出づ」の比喩に用いられています。 【歌】 恋ふる日の 日長くしあれば 我が苑の 韓藍の花の 色に出でにけり (I-2278) 【口語訳】 恋しく思う 日数が積もったので 我が家の庭の 韓藍の花のように 色に出てしまいました この歌の「色に出づ」は、秘めた恋の思いがひとりでに顔や表情に表れることをいっています。 ケイトウを詠んだものに、山部赤人の次のような歌があります。 【歌】 我がやどに 韓藍蒔き生ほし 枯れぬとも 懲りずてまたも 蒔かむとそ思ふ (B-384) 【口語訳】 わたしの庭に けいとうを蒔いて育て 枯れたって 懲りずにまたも 蒔こうと思う この歌の解釈については、韓藍(けいとう)を美しい女性に譬えた寓意があるとする説(『萬葉集釈注』)と、舶来の美しい色の花として観賞に堪える等から、寓意なしで解しうるとする説(『萬葉集全注』ほか)があります。 今回蒔いたものには、黄色のものもありました。 次の写真は、昨年のこぼれ種が生えてきたものです |
Posted by
katakago
at 10:41