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ハギの花咲く [2011年08月20日(Sat)]

 ハギの花が咲き始めました。ハギは万葉歌に最も多く詠まれている植物です(142首)。原文は、芽子・芽・波疑等と表記されています。
【歌】 さ雄鹿の 朝立つ野辺の 秋萩に 玉と見るまで 置ける白露 (大伴家持 G-1598)
【口語訳】 雄鹿が 朝たたずむ野辺の 秋萩に 玉と見まがうばかりに 置いている白露よ
 左注によれば、この歌が詠まれたのは天平15年秋8月で、家持は26歳(久爾京で内舎人)。雄鹿・秋萩・白露と、秋の景物が詠み込まれています。当時、萩と鹿については、次の歌にもあるように、萩を鹿の花妻にみたてる考えがあったようです。鹿と萩を詠み込んだ歌は、24首あります。
【歌】 我が岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさ雄鹿 (大伴旅人 G-1541)
【口語訳】 わが岡に 雄鹿が来て鳴いている 初萩の 花を妻問おうとして 来鳴く雄鹿よ
 萩の花が咲き乱れるころ鹿は発情期にはいっていて、雄鹿は雌鹿を求めて鳴く。鹿は萩の花を好みその花のもと近くに来ることが多いので、萩を鹿の妻とする発想が生まれたようです(『萬葉集全歌講義』より)。

 ところで、2008年8月に、京都府木津川市馬場南遺跡(8世紀半ば〜後半)から出土した木簡に、万葉歌と同じ歌(萩が詠まれている)が記されている(11文字のみ残る)事が見出されました。歌は、
【歌】 秋萩の 下葉もみちぬ あらたまの 月の経ぬれば 風を疾みかも (I-2205)
【口語訳】 秋萩の 下葉が色づいた (あらたまの) 月が改まったので 風が荒いからだろうか
 この遺跡からは、「神雄(尾)寺」(歴史書には載っていない)と書かれた土器片や、大量の灯明皿が出土しています。木簡の写真を次に示します。


 この木簡の用途として、仏前唱歌のために用いられたとする説も展開されています(2009年8月向日市開催のシンポジウム)。その根拠として、『万葉集』の次の歌が上げられています。題詞に仏前の唱歌一首とあり、その左注には、皇后宮での維摩講で、さまざまな国の音楽を演奏して供養し、その時この歌(次に示す)が琴の伴奏で歌われた(歌い手は十数人)と記されています。
【歌】 しぐれの雨 間なくな降りそ 紅に にほへる山の 散らまく惜しも (G-1594)
【口語訳】 しぐれの雨よ 間なく降らないでくれ 紅に 色づいた山の紅葉の 散るのが惜しいから

Posted by katakago at 17:13
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