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ハギの花が咲き始めました [2018年09月04日(Tue)]
IMG_1624m.jpg

 ハギ(ミヤギノハギ)が咲き始めました。写真は台風接近前の今朝写したものです。秋の七種(くさ)の一つのオミナエシも傍で咲いています。ハギは万葉集中で最も多く詠まれている植物です(141首)。
 大納言大伴旅人が亡くなった時に、資人(しじん)の余明軍が詠んだ挽歌に次のような歌があります。
【歌】 かくのみに ありけるものを 萩の花 咲きてありやと 問ひし君はも (巻三・455)
【口語訳】 こんなにも あっけなかったのに 萩の花は 咲いているかと 尋ねられた殿よ
 上二句の「かくのみにありけるものを」は、人間の力の及ばない運命を嘆く表現類型で、死んだ人を悼んで詠む常套句。この歌については、先日の影山先生の講演会でも、「かくのみに ありけるものを 猪名川の 奥(おき)を深めて 我が思へりける (巻十六・3804)」の歌の解説で、その用例の一つに紹介されていました。
 『新編日本古典文学全集 萬葉集』の頭注にも、旅人が亡くなったのは、天平三年(731)七月二十五日(太陽暦では九月五日に当たる)で、「ぼつぼつ咲きかける時分である」とあります。
 萩の花を好んだ旅人の歌を3首載せておきます。
一つは、奈良の家にあって明日香の故郷を思って詠んだ歌から、
【歌】 指進乃 栗栖の小野の 萩の花 散らむ時にし 行きて手向けむ (巻六・970)
【口語訳】 (指進乃) 栗栖(くるす)の小野の 萩の花が 散る頃になったら 行って手向けをしよう
次の2首は巻八の秋の雑歌より、
【歌】 我が岡に さ雄鹿来鳴く 初萩の 花妻問ひに 来鳴くさ雄鹿 (巻八・1541)
【口語訳】 わが岡に 雄鹿が来て鳴いている 初萩の花を妻問おうとして 来鳴く雄鹿よ
 花妻は、萩の花を鹿の妻とみなした表現で、「秋萩を妻問ふ鹿こそ(巻九・1790)」などの例がある(『岩波文庫 万葉集』)。
【歌】 我が岡の 秋萩の花 風を疾み 散るべくなりぬ 見む人もがも (巻八・1542)
【口語訳】 わが岡の 秋萩の花は 風がひどいので 今にも散りそうになった 誰かに見せてやりたい

 咲いたハギの花が雨で散るのを惜しむ歌から(巻八の秋の雑歌より)、
【歌】 明日香川 行き廻る岡の 秋萩は 今日降る雨に 散りか過ぎなむ (巻八・1557 丹比真人国人)
【口語訳】 明日香川が 裾を流れているこの岡の 秋萩は 今日降る雨に 散ってしまうのではなかろうか  

 畑では、ヤブカンゾウが見ごろとなっています。
IMG_7534m.jpg 
 

 なお、明日予定であった「かわにしまるまるマルシェ」は、台風直撃により今日の収穫作業が行えないため中止が決定しています。


Posted by katakago at 11:09
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