アワの穂が出ました [2011年08月08日(Mon)]
キビに続き(7/28)、アワの穂が出てきました。万葉歌には、キビは、きみ(原文は寸三と表記)、アワは、あは(原文は粟と表記)として詠まれています。このキビとアワに加えて計6種類の植物を詠み込んだ歌があります。 【歌】 梨棗 黍に粟次ぎ 延ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (O-3834) 【口語訳】 梨(離)棗(早) 黍(君)に粟(逢)と続いて (延ふ葛の) いずれは逢おうと 葵(逢う日)の花が咲く この歌は、梨、棗、黍、粟(以上4種は食用になるもので、この順に成熟する)、葛、葵という6種類の植物をまとめて一首に仕立て上げられています。当時の知識人たちに広く愛読されていた中国の小説『遊仙窟』の中の表現を踏まえて詠まれた、一種の言葉遊びの歌です。新編日本古典文学全集『万葉集』の頭注には、次のような解説がなされています。梨と棗との取り合わせは、『遊仙窟』の中で、棗は「早」と、梨は「離」と、それぞれ類音であることを踏まえて、五嫂(ごそう)と十娘(じゅうじょう)の二人の女性が、「相知ること棗に在らず(早く知り合いにならなかったのが残念)」と言い、「忍びずして分梨す(辛いけれどわざと離れている)」と言ったのによる。今は離れているが早く、の意を込めるとあり、「黍に粟次ぎ」は、「君」に続けて「逢はむ」の意。「延ふ葛の」は、「後逢う」の枕詞で、「葵」は、あおい科の植物で、「逢う日」をかけています。 キビとナツメの写真を載せておきます。次の写真は、キビの穂です。 次の写真は、ナツメの実です。少し色づいてきました。 |
Posted by
katakago
at 16:20