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全国万葉フォーラム in 飛鳥 2017 [2017年07月30日(Sun)]
  昨日(7/29)から、奈良県明日香村で全国万葉協会主催の万葉フォーラムが開催されました(昨年は鞆の浦で)。一日目はシンポジウムと万葉交流会、翌日は万葉故地探訪バスツアーです。今年は都合でシンポジウムのみに参加しました(会場は奈良県立万葉文化館)。
 シンポジウムでは「万葉の文化力 現代に生きる万葉集」をテーマに、藤原茂樹先生(慶應義塾大学名誉教授)と坂本信幸先生(高岡市万葉歴史館館長)のお二人が講演されました。 

 藤原先生は「遊びと日本人ー万葉びとの遊びと競技」と題して話されました。『日本国語大辞典』より遊びの語義について述べられ(思うことをして心を慰めること。狩猟、遊宴や行楽、遊戯などで楽しむこと。詩歌、管弦、舞などを楽しむこと。)、和歌森太郎著『遊びの文化史』についても紹介されました(古代には、神ゴトー宗教的信仰、呪術や占いとかかわりを深くもちながら、いわゆる遊びとといわれるものが行われていた)。万葉歌関連で紹介された中で、ここでは次の打毬(うちまり)と鵜飼について触れておきます。
打毬について】
 巻六・948・949の歌の左注に、「右は、神亀四年正月、数(あまた)の王子(みこ)と諸臣子等、春日野に集ひて打毬の楽(たのしび)を作(な)しき。その日、忽ちに天陰り雨降り雷電(いなびかり)し、この時に、宮の中に侍従と侍衛となかりき。勅して刑罰を行ひ、皆授刀寮に散禁して、妄りに道路に出づること得ざらしむ。時に、悒憤(いふふん)して即ちこの歌を作りき。作者未だ詳らかならず。」(春日野で打毬に興じ、宮中に侍ることを怠った罪で、多くの皇族・臣下が授刀寮に軟禁された時に、そのうちの誰かが作った歌)とあります。 
鵜飼について】
【歌】 もののふの 八十伴の緒の 思ふどち 心遣らむと 馬並めて うちくちぶりの 白波の 荒磯に寄する 渋谿の 崎たもとほり 松田江の 長浜過ぎて 宇奈比川 清き瀬ごとに 鵜川立ち か行きかく行き 見つれども そこも飽かにと 布勢の海に 舟浮けすゑて 沖辺漕ぎ 辺に漕ぎ見れば 渚には あぢ群騒き 島廻には 木末花咲き ここばくも 見のさやけきか 玉櫛笥 二上山に 延ふつたの 行きは別れず あり通ひ いや年のはに 思ふどち かくし遊ばむ 今も見るごと (巻十七・3991 大伴家持)
 「鵜川立ち」は鵜飼をするの意で、一人一鵜使いの徒歩による徒歩鵜(かちう)で、夏季に限らず、夜間にも限らなかったようです。
講演される藤原先生
IMG_5897m.jpg


 坂本先生は、「万葉文化と現代」と題して講演され、その中で、『万葉集』という古典作品についての理解はあまりなく、特に若者の古典離れを危惧されていました。その理由として、古典文法教育による古典離れ、受験勉強による古典教育の軽視などが挙げられていました。
 私は、10年ほど前に『手づくり 万葉植物園の四季』を自費出版した際に、植物を通して万葉集に親しんでもらえればと、近隣の高等学校数校に本を寄贈したことがありますが、一校のみ校長から礼状のハガキがあった他は、何の反応も無かったことを改めて思い出しました。
 

 鼎談の様子(万葉衣装で登壇された、左から富田万葉協会会長、坂本先生、藤原先生)
IMG_5902m.jpg

 万葉協会役員の発声で次の万葉歌六首を犬養節で朗唱しました。
@ 采女の 袖吹き返す 明日香風 京を遠み いたづらに吹く (巻一・51 志貴皇子)
A 石走る 垂水の上の さわらびの 萌え出づる春に なりにけるかも (巻八・1418 志貴皇子)
B 山川も 依りて仕ふる 神ながら 激つ河内に 船出せすかも (巻一・39 柿本人麻呂)
C み熊野の 浦の浜木綿 百重なす 心は思へど 直に逢はぬかも (巻四・496 柿本人麻呂)
D 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (巻十九・4139 大伴家持)
E 熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな (巻一・8 額田王)
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Posted by katakago at 18:11
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