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初夏の万葉植物ーその2 [2017年05月20日(Sat)]
 先月末に水を張った蓮池で、今朝、アサザ(みつがしわ科の多年生の浮葉植物)が三輪咲いていました。畦道には、ノビル(ゆり科)やチガヤ(いね科)の群生が見られます。
 アサザの花(万葉歌では、次の長歌に”あざさ”として詠まれています)
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【歌】 うちひさつ 三宅の原ゆ ひた土に 足踏み貫き 夏草を 腰になづみ いかなるや 人の児故そ 通はすも我子 うべなうべな 母は知らじ うべなうべな 父は知らじ 蜷の腸 か黒き髪に ま木綿もち あざさ結ひ垂れ 大和の 黄楊の小櫛を 押へ挿す うらぐはし児 それそ我が妻 (巻十三・3295)
 父母の問いかけに、息子が自分の妻についてうち明ける形式で、”あざさ”の花を黒い髪の飾りとしてつけている娘、と詠まれています。

 ノビル
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【歌】 醤酢に 蒜搗き合てて 鯛願ふ 我にな見えそ 水葱の羹 (巻十六・3829 長忌寸意吉麻呂)
【口語訳】 醤酢(ひしおす)に 蒜を搗き加えて 鯛が食いたい わたしの目の前から失せろ そこな水葱(なぎ)の羹(あつもの)よ
(題詞に、酢・醤・蒜・鯛・水葱を詠む歌、とある物名歌の一つ)

 チガヤ(葉に先立って出た花穂をツバナ(茅花)といい食用となる)
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【歌】 戯奴がため 我が手もすまに 春の野に 抜ける茅花そ 召して肥えませ (巻八・1460 紀女郎)
【口語訳】 戯奴(わけ)のため 手も休めずに 春の野で 抜いておいたつばなですよ 食べて少しはお肥りなさい 
 (紀女郎(きのいらつめ)が大伴家持に贈った戯れ歌)

 万葉植物ではありませんが、蓮池のそばでは花菖蒲の蕾が見られ始めました(今月下旬から6月にかけて開花が見込まれます)。
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Posted by katakago at 13:50
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