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フジの花が見頃です [2025年04月20日(Sun)]
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 畑に設えた藤棚でフジ(マメ科)の花が見ごろとなりました。
フジは万葉歌に27首詠まれています。
【歌】 恋しけば 形見にせむと 我がやどに 植ゑし藤波 今咲きにけり (山部赤人 巻八・1471)
【口語訳】 恋しくなったら 偲びぐさにしようと思って 家の庭に 植えた藤の花は 今咲き始めた
 「形見」は、それを見ることで人を思い起こすよすがの品のことで、生存するもの同士でも用いられた(『萬葉集釈注』)。この歌では、偲ぼうとした相手は女性。「藤波」は、その花房の風に揺れるさまを波にたとえた歌語。
【歌】 藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君 (大伴四綱 巻三・330)
【口語訳】 藤の花は 今満開になりました 奈良の都を 恋しく思われますか帥(そち)
 大宰帥であった大伴旅人の邸宅で開かれた集宴で詠まれたものと考えられています。 

 畑でアマドコロ(キジカクシ科)が咲いています。
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 草姿や花の形はナルコユリ(キジカクシ科)に似ていますが、ナルコユリの茎には稜がなく、アマドコロの茎は6稜の違いがあります。万葉歌で、にこ草(原文は似児草と表記)と詠まれている植物に、アマドコロをあてる説があります(他にイノモトソウ科のハコネシダとする説も)。
【歌】 葦垣の 中のにこ草 にこよかに 我と笑まして 人に知らゆな (巻十一・2762)
【口語訳】 葦垣の 中のにこ草の にこやかに 私に笑顔を見せて 二人の仲を人に知られるでないぞ
 「葦垣の 中のにこ草」は、ニコの同音繰り返しで「にこよかに」を起こす序。

 果樹園ではカリンの花が咲いています。
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Posted by katakago at 16:20
カラタチの花が咲きました [2025年04月17日(Thu)]
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 裏山入り口付近のカラタチの花が咲きました。カラタチはミカン科の落葉低木で枝に棘が多く、春に葉よりも早く白色の五弁花が咲きます。万葉歌では巻十六の、題詞に「忌部首、数種(くさぐさ)の物を詠む歌一首」とある次の歌があります。
【歌 】 からたちの 茨(うばら)刈り除(そ)け 倉建てむ 屎遠くまれ 櫛造る刀自(とじ) (巻十六・3832)
【口語訳】 からたちの いばらを刈り除いて 倉を建てるのだ 屎は遠くに行ってせい 櫛造りのおばちゃんよ
 『萬葉集釈注』の解説には、宴などきわめてくだけた集団の場における即興とみられ、題詞にある数種のものは、からたち・茨・倉・屎・櫛で、 その選択は詠み手自身に任されて詠んだのがこの物名歌とあります。

 裏山のヤマブキ(バラ科)は見ごろとなりました。
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 ヤマブキは一重のほか八重も咲いています。
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【歌】 かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 (厚見王 巻八・1435)
【口語訳】 蛙の鳴く 神奈備川に 影を映して 今頃咲いていることであろうか 山吹の花が

 裏山の片隅ではニリンソウ(キンポウゲ科)が咲き始めていました。
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 ハス池の傍のオオシマザクラの花も散はじめ、蓮池には花弁が浮かんでいます。
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 畑のハナショウブは新葉が伸びてきました。日々の草取りが欠かせません。
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Posted by katakago at 19:31
ヤマナシが咲き始めました [2025年04月06日(Sun)]
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  畑に植えているヤマナシの花が咲き始めました。

 果樹園のスモモは花弁が散り敷いています。万葉歌には次のように詠まれています。
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【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのだろうか
 
 裏山のヤマブキが咲き始めました。
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 裏山の斜面でツツジ(白)が咲いていました。
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【歌】 をみなへし 佐紀野に生ふる 白(しら)つつじ 知らぬこともて 言はれし我が背 (巻十・1905)
【口語訳】 佐紀野に生い重r白つつじではないが 全く自分の知らないことでもって 噂をたてられた我が夫よ
 この歌の「をみなへし」は、「咲く」の意で地名の佐紀野にかかる枕詞で、第三句までが、同音(シラ)で「知りぬ」を起こす序詞。

 裏山入り口付近のサクラ(品種は不明)は満開です。
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 裏山に植えた枝垂桜も咲いています。
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 オオヤマザクラも咲き始めました。
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 果樹園ではプルーン(西洋スモモ)の花が咲き始めました。
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Posted by katakago at 11:23
桜が次々開花 [2025年04月03日(Thu)]
畑に植えているヤマザクラの一株が見ごろとなりました(他の数株はこれから順次開花見込み)。
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 センダイヤ(牧野富太郎博士が命名)が咲き始めました(花弁はピンク色)
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 オオシマザクラが咲き始めました(花弁は純白)。
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 裏山のエドヒガンは満開です(猪名川堤防から250mmの望遠レンズで撮影)。
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 果樹園のスモモは花が散り始めました。
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Posted by katakago at 13:02
タケノコを見つけました [2025年04月02日(Wed)]
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 裏山を巡回中にタケノコが出ているのを見つけ(長靴の足裏で気づきました)、早速掘り上げてみました。

 カタクリが未だ咲いていました(今年最後の花か)。
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 花が咲き終わった株では刮ハが出来ています。
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 タチツボスミレの他にスミレが咲いていました。
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 裏山のヤマザクラが開花しました(新葉と同時に花が咲く)。
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Posted by katakago at 11:35
春の花々が次々開花 [2025年03月27日(Thu)]
 畑や裏山では、春の花々が一斉に開花しました。
 畑の片隅では、タチツボスミレやツクシの傍でオキナグサ(キンポウゲ科)が咲いていました。
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 万葉歌に、ねつこぐさ(原文は根都古具佐と表記)と詠まれている植物をオキナグサにあてる説があります(『増訂萬葉植物新考』ほか)。
【歌】 芝付きの 御宇良崎なる ねつこ草 相見ずあらば 我(あれ)恋ひめやも (巻十四・3508)
【口語訳】 芝付きの 御宇良崎(みうらさき)にある ねつこ草のようなあの娘を 見さえしなかったら わたしはこうも恋い慕おうか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL) に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/299

 タチツボスミレの花
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【歌】 春の野に すみれ摘みにと 来し我そ 野をなつかしみ 一夜寝にける (山部赤人 巻八・1424)
【口語訳】 春の野に菫つみにやって来た私は 快い春の野に魅せられて とうとうそこで一夜を寝明かしてしまいました(『萬葉集全注』より)
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)の載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/303

 ヒトリシズカ(センリョウ科)も咲き始めました。
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 バイモ(アミガサユリ)の花
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 裏山の斜面では、カタクリが次々と花を咲かせています。
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 ソメイヨシノに先駆け、裏山に植えたエドヒガンが開花しました。
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 品種不明のヤマザクラも開花。
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【歌】 あしひきの 山の際照らす 桜花 この春雨に 散り行かむかも (巻十・1864)
【口語訳】 (あしひきの) 山あいを照らしている 桜花は この春雨に 散り行くことであろうか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/319

 裏山のシキミ(マツブサ科)も花が咲いています。
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【歌】 奥山の しきみが花の 名のごとや しくしく君に 恋ひ渡りなむ (大原眞人今城 巻二十・4476)
【口語訳】 奥山の しきみの花の 名のように しきりにあなたを 思い続けることか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/282

 スモモの花が一斉に咲き出しました。
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【歌】 我が苑に 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのであろうか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/305

 八重の花桃は満開です。
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【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (大伴家持 巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の樹の下まで照り映える道に つと出で立っているおとめよ(『萬葉集全注』より)
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286

 果樹園ではアーモンド(ダベイ種)の花が咲いています。
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Posted by katakago at 13:54
カタクリが咲き始めました [2025年03月23日(Sun)]
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 裏山の斜面では、カタクリが咲き始めました。
 蕾を付けた株もちらほら見られます。 
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 カタクリは「かたかご」として、万葉集中次の一首のみ詠まれています。
【歌】 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (大伴家持 巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群れなす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
 歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/288

 花桃は一重に続き八重も咲き始めました。 
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 アンズの花も咲き始めました。
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 サクランボ(暖地桜桃)の花は満開です。
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Posted by katakago at 10:43
畑でツクシを見つけました [2025年03月15日(Sat)]
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 畑のあちらこちらでツクシが出ていました。

 果樹園ではサクランボ(品種は暖地桜桃)の蕾がふくらんできました(間もなく開花か)。
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 アンズの蕾(今月末には開花か)
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 花桃(八重)の蕾(下旬には開花か)
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 畑に植えている白梅も満開です。
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 裏山の植物園入り口付近(ミツマタ、白梅、紅梅)
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 ヤブツバキも見頃となりました。
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Posted by katakago at 11:32
ヤブツバキも咲き始めました [2025年03月11日(Tue)]
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 ヤブツバキもようやく咲き始めました。

 裏山の白梅やミツマタ(ブータン大輪ミツマタ)も見頃となりました。
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【歌】 我が園に 梅の花散る ひさかたの 天より雪の 流れくるかも (大伴旅人 巻五・822)
【口語訳】 我が園に 梅の花が散る (ひさかたの) 天から雪が 流れてくるのだろうか
 天平二年(730)正月十三日(太陽暦の二月八日)に、大宰府の長官大伴旅人の邸宅で「梅花の宴」が開かれ、次官以下大宰府が管轄する国々の国司や官人が参加し、梅を詠んだ歌32首が巻五に載っています。この歌は、主の旅人が詠んだもので、梅花を雪に見立てることは中国六朝以来の漢詩に例が多く、その影響を受けているものとみられています。
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 ブータン大輪ミツマタ
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 紅梅も咲いています(万葉歌に詠まれているウメは白梅)。
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 花桃も咲き始めました。
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 アケボノアセビ(別名ベニバナアセビ)の花(山野に自生の花は白でこれは園芸種)
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 ネコヤナギの芽吹き
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万葉植物園でも、ようやく春の花々が見られるようになりました。
Posted by katakago at 11:53
ウメが開花 [2025年02月23日(Sun)]
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 畑に植えているウメの一株で開花が見られました(今のところこの一株のみ)。昨日は日中一時雪が舞う寒い一日でした。次のように詠まれた万葉歌があります。
【歌】 含(ふふ)めりと 言ひし梅が枝(え) 今朝降りし 沫雪にあひて 咲きぬらむかも (大伴宿祢村上 巻八・1436)
【口語訳】 蕾がふくらんだと 言ってこられた梅の枝は 今朝降った 沫雪に出会って 花が咲き始めたのでしょうか
 万葉人は雨や雪が開花を促すものと考えたらしく、次のような歌もあります。
【歌】 梅の花 咲けるが中に 含めるは 恋ひや隠れる 雪を待つとか (茨田王 巻十九・4283)
【口語訳】 梅の花が みんな咲いている中で 蕾のままなのは 恋い悩んで引っ込んでいるのだろうか それとも雪を待っているのか
 花が蕾の状態であることを恋している様子とみられ、岩波文庫『万葉集』の解説には、「ここは、梅の蕾をそのような恋、それも雪を待つ恋心を表に出せずに籠っているのかと詠った」とあります。

 今年も、一昨日から二日間にわたって畑と裏山の手入れを専門の業者にお願いしました。
畑では伸びて大きくなった樹木(ケヤキ・ムク・ハンノキ・シダレヤナギ・キリなど)の伐採や剪定、裏山では住宅地に隣接して生えている樹木(おもにアラカシ)の伐採。 
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 かなりスッキリしました。ウメに続き来月にはヤマザクラ・ヤマナシ・モモなどの開花が楽しみです。
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Posted by katakago at 10:22
ウメはまだ蕾 [2025年02月16日(Sun)]
 例年の今頃はウメかヤブツバキが咲く頃ですが、今年は天候のせいかいずれもまだ咲いていません。写真は雨上がりの裏山のウメの蕾です。
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『萬葉集巻四』に、大伴家持と藤原久須麻呂との次のような報贈(ほうぞう)の歌があります(途中略)。
【歌】 春の雨は いやしき降るに 梅の花 いまだ咲かなく いと若みかも (大伴家持 巻四・786)
【口語訳】 春雨は しきりに降っていますが 梅の花は まだ咲いていません 若すぎるからでしょうか
【歌】 春雨を 待つとにしあらし 我がやどの 若木の梅も いまだ含(ふふ)めり (藤原久須麻呂 巻四・792)
【口語訳】 春雨を 待っているのでしょう わが家の庭の 若木の梅も まだ蕾のままです
 786〜792の一連の報贈の歌は、家持の幼い娘に対する久須麻呂からの求婚に関するものとみられ、『萬葉集全歌講義』の解説には、786歌は、家持が娘を若木の梅にたとえて、まだ結婚できる年齢に達していないことを婉曲的に表現したのを、久須麻呂は792歌で、比喩ではなく実際の若木の梅を歌ったごとくに取り成して「わが家の梅もご同様、まだ若くて蕾のままです」と答えたもの、とあります。 
 
 今週はまた寒波が襲来とのことですが、今月末には開花してほしいものです。
Posted by katakago at 11:07
今シーズン初めての積雪 [2025年01月09日(Thu)]
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 今朝の裏山には、夜中に降った雪が積もっていました(今シーズン初)。
 雪の積もったマユミの実
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 ヤブコウジ(サクラソウ科)の葉にも雪が
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ヤブコウジは、万葉歌では山橘(やまたちばな)と詠まれています。
【歌】 この雪の 消残(けのこ)る時に いざ行かな 山橘の 実の照るも見む (大伴家持 巻十九・4226)
【口語訳】 この雪の 消えてしまわないうちに さあ行こう 山橘の 実の輝くさまを見よう
 この歌は、天平勝宝二年(750)十二月、家持が越中に赴任していた時の作。
家持にはもう一首山橘を詠んだ歌があります。
【歌】 消残りの 雪に合(あ)へ照る あしひきの 山橘を つとに摘み来(こ)な (巻二十・4471)
【歌】 消え残る 雪と照り映えている (あしひきの) 山橘を 摘んできて土産にしよう
 この歌は、天平勝宝八年(756)十一月五日(太陽暦十二月五日)、家持が兵部少輔(ひょうぶのしよう)の時の作。
 山橘の以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/252

 雪を被ったクマザサ
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 タチバナの木にも雪が
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【歌】 橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜置けど いや常葉(とこは)の木 (聖武天皇 巻六・1009)
【口語訳】 橘は 実まで花まで その葉まで 枝に霜が置いても いよいよ栄える木であるぞ
この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/35
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/269



Posted by katakago at 11:58
裏山の木々も紅葉 [2024年12月10日(Tue)]
 裏山の木々(イロハモミジ、イチョウ、ケヤキなど)が色づきました。紅葉の美しさを錦の語を用いずに表した万葉歌があります。
【歌】 経(たて)もなく 緯(ぬき)も定めず 娘子(をとめ)らが 織るもみち葉(ば)に 霜な降りそね (大津皇子 巻八・1512)
【口語訳】 縦糸もなく 横糸も決めずに 乙女たちが 織る紅葉の錦に 霜よ降ってくれるな
 「経もなく緯も定めず」について、『新編日本古典文学全集 万葉集』の解説には、「タテは縦糸、ヌキは横糸で、機織の時には縦糸をきちんと張り整え、横糸を通しつつ締めて織るものだが、ここは紅葉の錦なので縦横も定めず無造作に仕上げた、といったもの」とあります。
 イロハモミジ(ムクロジ科)の紅葉
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 イチョウ(イチョウ科)の黄葉
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 イチョウの葉は散り始めています。
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 ケヤキ(ニレ科)の黄葉
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 畑の片隅ではノジギク(キク科)が咲いています
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 タカサゴユリが一株花を咲かせていました。
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 この時期には珍しくキキョウも咲いていました。 
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Posted by katakago at 17:04
マユミの実が色づきました [2024年11月25日(Mon)]
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 上の写真は11月下旬の裏山の様子です。木々の紅葉が見られるのは未だ僅か(ヤマハゼくらい)ですが、マユミ(ニシキギ科)の実が赤く色づき始めました。
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 万葉歌には、巻七の比喩歌に次のような歌が詠まれています。
【歌】 南淵(みなぶち)の 細川山に 立つ檀(まゆみ) 弓束(ゆづか)巻くまで 人に知らえじ (巻七・1330)
【口語訳】 南淵の 細川山に 立つ檀の木 弓にでき上るまで 人に知られないようにしようね
「まゆみ(真弓)」は弓をほめて言う語で、弓材に適している植物名(檀)にも用いられています。これは自分の妻にするまで誰にも知られたくないと願う男の歌。檀は目星をつけた女の譬えで、「弓束巻く」は、左手で弓を握りしめる部分に、桜の樹皮や皮を巻き付けて握りやすくすることで、この歌では女が成人して自分と契りを結ぶまでの意が込められています(『萬葉集釈注』より)。
 「まゆみ」は万葉集中8首詠まれていますが、この歌のみが植物のマユミを詠んでおり、他はいずれもこれで作った弓ー美称の真弓ーが枕詞として、「射る」、「張る」などの語にかけて用いられています。

 ヤマハゼ(ウルシ科)の葉の紅葉と実 (実からはロウをとり蝋燭が作られた)
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 ヤマハゼが詠まれた歌は以前の記事(次のURL)に載せています。歌では、「はじ弓」と詠まれ、弓の材料としても用いられたようです。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/44

Posted by katakago at 16:26
「浪花百景タペストリー展&現場紀行」に参加 [2024年11月05日(Tue)]
 昨日、大阪市コミュニティ協会・北区民センター主催のイベント(協力:大阪大学総合学術博物館)に参加しました。『浪花百景』は江戸幕末期に描かれ、オリジナル原寸はA-4 サイズで、これを高精細に16倍のA-0サイズに引き伸ばされたタペストリー(今回は60点を展示)を眺めながら、川や橋の風景が描かれた画を中心に、阪大総合学術博物館副館長の船越幹央先生に解説していただきました。午後は大阪水上バスに乗船して、講師の先生の解説を聴きながら『浪花百景』に描かれた10景ほどの現場を巡りました。
 展示物(タペストリー)の写真撮影はOKでしたので、以下、画と水上から眺めた写真を対比して載せておきます(画の解説はキャプションを参考に)。
 「三大橋」 右から難波(なにわ)橋、天神橋、天満橋(難波橋の行列には大砲も描かれている)
三大橋は幕府直轄の公儀(こうぎ)橋で、大坂を南北につなぐ大動脈として経済や交通を支えた。
 画面左側には大坂城が描かれ、この時代、中之島は難波橋とはつながらず、画面右下の芦の群れが中之島の東端(波瀬山祥子「浪花百景歳時記」より)。
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 「浪花橋夕涼」 浪花橋は夕涼みの名所(春から秋には花火も)
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 現在の難波(なにわ)橋
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 現在の天神橋(上流に向かって)
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 「天満ばし風景」
天満橋は大川の最も上流部。画面右側には大坂城の櫓が見え、奥の橋は京橋。画面中央の川は、右から寝屋川(旧大和川)、鯰江(なまずえ)川、大川。
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「川崎ノ渡シ月見景」 天満川崎の地は、月見や夕涼みの名所。画面中央には船着き場の雁木(がんぎ)。雁木は船を着けるため陸から川に向けて作られた石段(鞆の浦の雁木が有名)。
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 現在の場所(?)には雁木が再現か
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 船上からは、大阪市中央公会堂や大阪城を眺めることが出来た。
中央公会堂
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大阪城
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 大阪城港へ向かう(前方は大阪ビジネスパーク) 
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 大阪城港で下船
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 大阪城では大阪城天守閣館長の宮本裕次先生に案内と解説をしていただきました。
 (豊臣期大坂城の詰ノ丸石垣の露出公開展示に向けた工事が進められていた)
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 石垣の刻印 (江戸幕府による大坂城再築時の「隠し曲輪(くるわ)」付近の石垣で)
築造した加藤家(伊予大洲藩、〇に十)、小出家(丹波園部藩・但馬出石藩、〇に二八)の刻印を間近に見れる場所
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 タペストリー展では、植物(カキツバタ、フジ、マツ)も描かれていました。
「うらえ杜若」 浦江村 了徳院の杜若
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「野田藤」 野田の春日神社(福島区玉川)は紫藤の名所。牧野富太郎がフジの標準和名をノダフジとした。
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「住吉岸姫松」 『摂津名所図会』によると岸姫松とは広く浜沿いの松原を指す。
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 その他、商店や米市の画もありました。
「三井呉服店」 江戸時代を代表する豪商。大坂店は元禄4年(1691)に開業。
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「松屋呉服店」 大丸心斎橋店の前身。享保2年(1717)に京都伏見で大文字屋を創業し、9年後に大坂店として松屋から店を借りて進出。屋号は「松屋」、商標は「大丸」。
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「堂じま米市」 各藩の蔵屋敷が発行した米切手を仲買人同士で取引する市場。
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 現地紀行の初めには、乗船場所(帝国ホテル前のOAP港)近くの造幣局博物館も見学しました。
 当時(明治3年、1870年)の造幣局正面玄関址
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展示物では興味のあった両替商関連の写真(この展示コーナーは撮影OK)を載せておきます。
 両替商についての説明
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 両替商の店先の図
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 両替商で使用されていた天秤
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 今回のイベントは、浪花百景の解説とその場所を船で巡るまたとない機会で大変興味深く参加させていただいた。また、植物の画や商店・米市の画も興味深く、造幣局博物館では両替商に関わる展示にも触れ、久しぶりに訪れた大阪城では新たな知見を得ることが出来た。
Posted by katakago at 19:43
コウヤボウキの花 [2024年10月29日(Tue)]
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 久しぶりに裏山に出かけたところ、コウヤボウキ(キク科)の花が咲いていました。万葉歌では、たまばはき(原文は玉箒と表記)と詠まれています。
【歌】 初春の 初子の今日の 玉箒 手に取るからに 揺らく玉の緒 (大伴家持 巻二十・4493)
【口語訳】 正月の 初子の今日の 玉箒 手に取るだけで ゆらゆらと鳴る玉の緒よ
この歌の解説は以前記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 ヨメナ(キク科)の花が咲いています。万葉歌では、うはぎ(原文は菟芽子,宇波疑と表記)と詠まれています。
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【歌】 妻もあらば 摘みて食(た)げまし 沙弥の山 野の上のうはぎ 過ぎにけらずや (柿本人麻呂 巻二・221)
【口語訳】 ここにもし(あなたの)妻でもいたら 摘んで食べたでしょうに 沙弥の山の 野に生えるよめなは その時期も過ぎてしまったのではないか
 ヨメナの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/107
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/279

 サネカズラ(マツブサ科)の液果(冬には赤く色づく)
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 畑ではキキョウやオミナエシが今も咲いています。
 キキョウ
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 オミナエシ
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 ナンバンギセルその後(咲き終わった花は焦げ茶色に変色、萼を割ると種子が詰まっている)
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Posted by katakago at 12:08
ゲッカビジン(月下美人)が開花 [2024年10月26日(Sat)]
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 昨夜(25日)、ゲッカビジン(サボテン科)が開花しました。写真は午後8時過ぎに撮影したものです。当初、蕾を4個付けていましたが、最後まで残って花を咲かせたのがこの一輪です。
 開花に至る様子を写真で示します。
 蕾が大きくなり始めました(10月18日) 
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 10月23日(ポットをガラス室に移動) 
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 10月25日(16:56) その後夜に開花
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Posted by katakago at 13:54
フジバカマにアサギマダラが飛来 [2024年10月12日(Sat)]
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 今朝、裏山に植えているフジバカマにアサギマダラが飛来してきているのを見つけました。この時期毎日、アサギマダラに出逢えるかと、カメラを手に出かけています。アサギマダラの飛来は、最近では2019、2021、2023年に見られています。
 そのうち、2019年に飛来したものはマーキングされた個体でした(石川県羽咋郡宝達志水町より飛来)。この時の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1594
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1601
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1606

 裏山のカラタチは実が色づいています。
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 畑では今もヒガンバナが咲いています(今年は長い間花が見られます)。
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 ハギやオミナエシもまだ咲いています。
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 ヒオウギも花を咲かせている株が見られます。
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 キキョウは今も咲いています。
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Posted by katakago at 13:15
10月に咲いたヤマザクラ [2024年10月05日(Sat)]
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 畑に植えているヤマザクラの一株に花が咲いているのを見つけました。苗木を植えて十数年になりますが、この時期に花が見られたのは初めてです。

 ヒガンバナが今も咲いています。
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 ヒオウギ(アヤメ科)の種子
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 万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は野干玉、烏玉などと表記)は、このヒオウギの種子と考えられています。全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。
【歌】 ぬばたまの 黒髪変はり 白けても 痛き恋には あふ時ありけり (沙弥満誓 巻四・573)
【歌】 (ぬばたまの) 黒髪が変わり 白髪に変わっても つらい恋に 出会う時はあるものですね
 「ぬばたま」の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170


 オケラ(キク科)の花が咲いています(万葉歌では「うけら」と詠まれている)
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【歌】 恋しけば 袖も振らむを 武蔵野の うけらが花の 色に出(づ)なゆめ (巻十四・3376)
【口語訳】 恋しくなったら 袖ぐらい振りますのに 武蔵野の おけらの花のように 目立ったことをしないでください
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182


 ヒシ(ミソハギ科)の花が咲いていました。
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【歌】 君がため 浮沼(うきぬ)の池の 菱摘むと 我が染めし袖 濡れにけるかも (柿本人麻呂歌集 巻七・1249)
【口語訳】 あなたのために 浮沼の池の 菱を摘んでいるうちに 自分で染めた袖は濡れてしまいました。
 ヒシが詠まれた歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/129

 ミズアオイは今も咲いています。
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Posted by katakago at 16:19
畦道に咲くヒガンバナ [2024年09月22日(Sun)]
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 この時期、田んぼの畦道ではヒガンバナ(ヒガンバナ科)の花が目立つようになりました。次の万葉歌で、いちし(原文は壱師と表記)と詠まれた植物は諸説ある中、ヒガンバナに当てる説があります(植物学者の牧野富太郎ほか)。
【歌】 道の辺の いちしの花の いちしろく 人皆知りぬ 我(あ)が恋妻は (巻十一・2480)
【口語訳】 道のほとりの いちしの花のように はっきりと人々は知ってしまった 私の恋しく思っている妻のことを
 物に寄せて思いを述べた歌(寄物陳思歌)で、草や木その他いろいろな物にこと寄せ、関係付けて恋の思いを表現するもので、この歌は「いちしの花」に託して恋の思いが詠まれています。上二句は、同音で「いちしろく」(原文は灼然と表記)を起こす序詞。
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172
 なお、「いちし」についてはヒガンバナの他、クサイチゴ(バラ科)、ギシギシ(タデ科)、イタドリ(タデ科)、エゴノキ(エゴノキ科)などを当てる説があります。
 ギシギシの写真
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 オミナエシは今も次々と花を咲かせ、ハギの花が見ごろです。 
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Posted by katakago at 11:30
ハギの花も咲き始めました [2024年09月14日(Sat)]
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 9月も半ば、まだ猛暑日が続く中、ハギの花が咲き始めました。
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 シロハギも咲いています。
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ハギは万葉歌に最も多く詠まれている植物です(141首)。
【歌】 さ雄鹿の 朝立つ野辺の 秋萩に 玉と見るまで 置ける白露 (大伴家持 巻八・1598)
【口語訳】 雄鹿が 朝たたずむ野辺の 秋萩に 玉と見まがうばかりに 置いている白露よ
 この歌を含め、ハギが詠まれた歌の関連記事は以下のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/143
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/174
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/456


 「秋の七草」のうち、カワラナデシコはこの時期咲き終わっていますが、オミナエシやキキョウはまだ咲いています。
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 猪名川支流の塩川河畔ではクズ(マメ科)の花が咲き、ススキ(イネ科)の穂が出ていました。
 葛の花
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【歌】 夏葛の 絶えぬ使ひの よどめれば 事しもあるごと 思ひつるかも (大伴坂上郎女 巻四・649)
【口語訳】 (夏葛の) 絶えなかったお使いが 途絶えたので 何かあったのかと 思っていました
 葛は写真のようにはびこると防除が困難な強害草ですが、根は肥大し葛根とよばれ葛粉は食用・薬用となります。この歌の「夏葛の」は、クズの蔓は長く伸び太くて強靭で、少し引いたぐらいでは絶えないので、「絶えぬ」の枕詞として用いられています。
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/155
 
 ススキの穂 万葉歌では「尾花」と詠まれています。
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 フジバカマ(キク科)の花
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 山上憶良の「秋野の花を詠む歌」には、七種の植物(ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウ)が詠まれています。「五・七・七・五・七・七」の六句からなる旋頭歌(せどうか)。
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)
この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/173

 果樹園の片隅や畦道でニラ(ヒガンバナ科)の花が咲いています。万葉歌では「みら」と詠まれています。
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【歌】 伎波都久(きはつく)の 岡のくくみら 我摘めど 籠にも満たなふ 背なと摘まさね (巻十四・3444)
【口語訳】 伎波都久の 岡のくくみらは 私が摘んでも 籠いっぱいになかなかならないわ そんならあの人と摘みなさいな
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/162

 畦道ではヒガンバナ(ヒガンバナ科)の花茎が伸びてきました。
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Posted by katakago at 16:38
クリの実 [2024年09月04日(Wed)]
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 果樹園に植えているクリ(ブナ科)の木のうち、早生の「丹沢」が収穫の時期を迎えました。
クリが詠まれた万葉歌は、次の山上憶良の「子等(こら)を思ふ歌」が有名です。
【歌】 瓜食めば 子ども思ほゆ 栗食めば まして偲(しぬ)はゆ いづくより 来たりしものそ まなかひに もとなかかりて 安眠(やすい)しなさぬ (巻五・802)
【口語訳】 瓜を食べると 子供らが思い出される 栗を食べると なおさら偲ばれる 何の因果で 生まれて来たのか 眼前に むやみにちらついて 眠らせないのは

 上の写真では、はじけたイガの中にクリの実が三つ見えています。そこで、次のような万葉歌が見られます。
【歌】 三栗の 那賀に向かへる 曝井(さらしゐ)の 絶えず通はむ そこに妻もが ( 巻九・1745)
【口語訳】 三栗の中 その中ではないが那賀に向き合っている 曝井の水の絶えないように 絶えることなく通って来たいものだ その曝井の近くに私のいとしい妻がいればよいのに
 「三栗の」は、一つのイガの中にクリの実が三つ出来ることから、その真ん中に注目して、「中」と言い、同音の「那賀」にかけた枕詞で、次のような歌もあります。
【歌】 松反り しひてあれやは 三栗の 中上り来ぬ 麻呂といふ奴 (巻九・1783)
【口語訳】 (松反り) ぼけてしまったのかしら (三栗の) 中上りにさえ来ない 麻呂という奴さん
 「中上り来ぬ」は、『日本古典文学全集 万葉集』の頭注によれば、「中上リニモ来ヌというべきところを縮約した表現。中上リは国司が任期中に上京すること。地方官として下向した夫が上京して作者を訪れないことをいう」とあります。
以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/164

 この時期、クリの他にヤマナシ(バラ科)やナツメ(クロタキカズラ科)の実が生っています
 ヤマナシの実
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 万葉歌に詠まれた梨はヤマナシ(ナシの野生種)とみられています。ナシが「無し」に通ずるので、「妻梨の木」と懸けて詠まれた歌があります。
【歌】 もみち葉の にほひは繁し 然れども 妻梨の木を 手折りかざさむ (巻十・2188)
【口語訳】 黄葉の色はじつにさまざまだ しかし私は妻梨の木を手折って髪挿しにしよう
 以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1099

 ナツメの実
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 ナツメが世案れた万葉歌
【歌】 玉箒(たまばはき) 刈り来鎌麻呂 むろの木と 棗が本と かき掃かむため (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3830)
【口語訳】 玉箒を 早く刈って来い鎌麻呂よ むろの木と 棗の木の本を 掃除するために
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/163

 ナシとナツメが詠まれた万葉歌
【歌】 梨棗 黍に粟次ぎ 延(は)ふ葛の 後も逢はむと 葵花咲く (巻十六・3834) 
【口語訳】 梨(離)棗(早) 黍(君)に粟(逢)と続いて (延ふ葛の) いずれは逢おうと 葵(逢う日)の花が咲く    
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/574


 ナンバンギセルの開花株が増えました。
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Posted by katakago at 11:32
コナギの花 [2024年09月02日(Mon)]
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 畑に置いたバットで栽培している水生植物(一年生の水田雑草)のコナギ(ミズアオイ科)の花が咲きました。葉は同じミズアオイ科のミズアオイ(先月報告)と似ていますが、花の形は異なります。『万葉集』では巻十四の東歌に次のように詠まれています。
【歌】 苗代の 小水葱(こなぎ)が花を 衣に摺り なるるまにまに あぜかかなしけ (巻十四・3576)
【口語訳】 苗代の 小水葱の花を 衣に摺り付けたが なじむにつれて なんでこういとしいのか
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/139

 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花も咲いています(6月27にも掲載)。
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 この時期には珍しくハマユウが一株花を咲かせていました。
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 先に咲いた株では刮ハが出来ています。
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 ヘクソカズラ(アカネ科)の花
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万葉歌では、クソカズラ(原文は屎葛と表記)と詠まれています。
【歌】 ざう莢(けふ)に 延ひおほとれる 屎葛 絶ゆることなく 宮仕へせむ (高宮王 巻十六・3855)
【口語訳】 さいかちに 這い広がった 屎かずらのように 絶えることなく 宮仕えしよう
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/116
Posted by katakago at 10:33
ナンバンギセルの花 [2024年08月30日(Fri)]
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 ポットで栽培しているイトススキ(イネ科)の株元で、ナンバンギセル(ハマウツボ科)の花茎が伸びてきました。ナンバンギセルはススキの他ミョウガ、サトウキビなどの根に寄生し、この時期、写真のような花を咲かせます。外形が煙管(きせる)の首に似ることよりこの名があります。万葉歌では、おもひぐさ(原文は思草と表記)と詠まれている植物に当たるとみられています。
【歌】 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ (巻十・2270)
【口語訳】 道端の 尾花の陰の 思い草のように いまさら 何を思い迷いましょうか
 「尾花が下の思ひ草」とあることより、「思ひ草」はススキに寄生するナンバンギセルと考えられています。上三句は「思ふ」を起こす序。『萬葉集釈注』には、「花の姿が首をうなだれて物思いにふける姿に似るところから、下二句の比喩としたもの」とあり、「好きな人と縁切れた折の、我が身にそれと言い聞かせる歌」とあります。


 ミズアオイの開花株が増えました。
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Posted by katakago at 11:40
ミズアオイの花が咲きました [2024年08月28日(Wed)]
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 畑に置いたバットで栽培しているミズアオイ(ミズアオイ科)の花が咲きました。若芽・若葉は食用となり、次の万葉歌で水葱(なぎ)と詠まれている植物がミズアオイとみられています。
【歌】 醤酢(ひしほす)に 蒜(ひる)搗き合(か)てて 鯛願ふ 我にな見えそ 水葱(なぎ)の羹(あつもの) (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3829)
【口語訳】 醤酢(ひしおす)に 蒜を搗き加えて 鯛が食いたい 私の目の前から失せろ そこな水葱の羹よ
 この歌の解説は、以前のノビルの記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/36


 果樹園ではノカンゾウの開花株が増えました。
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Posted by katakago at 20:13
ノカンゾウが咲き始めました [2024年08月24日(Sat)]
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 畑に植えているノカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。ヤブカンゾウ(八重で6月中頃に開花)やノカンゾウは万葉歌で「忘れ草」と詠まれている植物で、当時、これを身に付けると憂苦を忘れるという漢籍に基づく俗信があり、大伴家持は次のような歌を詠んでいます。
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言(こと)にしありけり (巻四・727)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 着けてはみたが 阿保のあほくさ 名ばかりでした
 後に家持の正妻となる坂上大嬢に贈った歌で、「忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかった」と詠んでいます。

 蓮池では最後の一株が花を咲かせています。
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 裏山の入り口付近でキツネノカミソリ(ヒガンバナ科)が咲いていました。
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 裏山の斜面で蜂の巣を見つけ専門業者に依頼して駆除してもらいました(ハチの駆除は先月に続き2回目)。今回はオオスズメバチで、その危険性から駆除の費用も先月のキイロスズメバチよりも高額となりました。
 写真は取り出された巣と幼虫(下の小さいものは比較のためのキイロスズメバチ)
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 駆除されたオオスズメバチ
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 巣が取り除かれた跡(この穴の中に巣が作られていた)
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Posted by katakago at 08:51
タカサゴユリも開花 [2024年08月05日(Mon)]
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 8月になって、カノコユリに次いで畑ではタカサゴユリが咲き始めました。

 草むらでクマゼミを見つけました。
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 蓮池では花は終わりに近づき、花托が目立っています。
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 ハスの果実は楕円形で、花托の上面の平らな部分にある孔の中に入っています。ハスは古名の蜂巣(はちす)の略で、万葉歌では「はちす」と詠まれています。古名の由来は果実の入った花托の様子が蜂の巣に似ていることによる。
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Posted by katakago at 11:32
カノコユリが開花 [2024年08月02日(Fri)]
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 連日の猛暑の中、裏山ではカノコユリが咲き始めていました。この時期には他に、タカサゴユリが間もなく開花しそうです。
 梅雨明け後、こちらでは全く雨が降っていません。野菜には一輪車でポリタンクの水を運んで水遣りを行っていますが、草花や果樹にまでは手が回っていません。このまま雨が降らないと、ポンプと長いホース(2本継ぎ足して100mほど)を引っ張り出してきて対応しなければなりません。

 裏山で見かけたナミアゲハ
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 今朝の蓮池の様子(ハスの花はまだ数輪咲いています)
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Posted by katakago at 07:55
キイロスズメバチの駆除 [2024年07月21日(Sun)]
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 昨日、自宅家屋の2か所でキイロスズメバチの群に気づきました。1か所は写真上の母屋2階の軒先の巣ともう1か所は蔵の軒先付近(巣は確認できず)。
 市のホームページ記載の害虫駆除業者に依頼して、夕方には作業を終えていただきました。当初ネットで見つけた業者の見積もりがあまりにも法外な額であったため、改めて安心できる業者に連絡し、即日の対応をしていただけました。
 母屋2階の軒先に作られた巣の撤去
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 蔵の軒先付近に群がるキイロスズメバチ
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 トタン屋根をはがして内部に作られた巣の確認と撤去
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 軒先の狭い空間に作られていた巣(幼虫が見られる)
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 以前には、オオスズメバチが裏山の枯れ木の室に巣を作っていたことがあり、野外での作業にも注意が必要です。
Posted by katakago at 12:13
畑はオミナエシの花盛り [2024年07月15日(Mon)]
 畑のあちらこちらでオミナエシ(スイカズラ科)が咲いています。オミナエシは山上憶良の歌(巻八・1538)に詠まれた「秋の七草」の一つで、この時期から9月頃まで花を楽しめます。
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【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【口語訳】 手に取ると 袖までも染まる おみなえしが この白露に 散ったら惜しい
オミナエシが詠まれた歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/151
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/388
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/418
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/674

 蓮池の傍ではセリ(セリ科)の花が咲いています。
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【歌】 あかねさす 昼は田賜(た)びて ぬばたまの 夜の暇に 摘める芹これ (葛城王 巻二十・4455)
【口語訳】 (あかねさす) 昼は班田に追われ (ぬばたまの) 夜の寸暇に 摘んだ芹ですよこれは
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1141

 ヒオウギは花の最盛期です。
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 黄色の花を咲かせている株もあります。
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 ハマユウが次々と花を咲かせています。
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 今日の蓮池の様子(咲き終わった株では花托が見られます)
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Posted by katakago at 15:19
ヒオウギ続報 [2024年07月09日(Tue)]
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 昨年播種したヒオウギも咲き始めました。ヒオウギはこの時期生け花の材料としても需要があるようで、先週に引き続き今日も業者さんが買い求めに来られました。ヒオウギは栽培している植物の中で対価を得られる数少ない花卉園芸植物です。

 今朝の蓮池の様子を載せておきます(次々と開花がみられます)。
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Posted by katakago at 10:14
ハマユウが開花 [2024年07月06日(Sat)]
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 畑に植えているハマユウ(ヒガンバナ科)が咲き始めました。数か所に分散して植えているので、これから暫くは花を楽しめるものと思います。
 ハマユウが詠まれた万葉歌は次の1首です。
【歌】 み熊野の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重なす 心は思へど 直(ただ)に逢はぬかも (柿本人麻呂 巻四・496)
【口語訳】 み熊野の 浦の浜木綿のように 百重にも 心では思っているが 直には逢えないものだね 
 ただし、この浜木綿を植物ではなく浦に寄せる浜波とみる説があります。
 この歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/126

 裏山では、コオニユリやヤマユリに続いてオニユリも咲き始めました。花はコオニユリに似ていますが、葉腋には黒紫色の珠芽(むかご)が見られます。
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Posted by katakago at 09:45
ヤマユリが開花 [2024年07月05日(Fri)]
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 裏山に植えているヤマユリが一斉に開花しました。
 万葉集中ユリは11首(さ百合が8首、草深百合が2首、姫百合が1首)詠まれており、今年のブログでは、これまでにオトメユリ(ヒメサユリ)、ササユリ、ヒメユリ、コオニユリの写真を掲載しています。

【歌】 我妹子が 家の垣内(かきつ)の さ百合花 ゆりと言へるは 否と言ふに似る (紀朝臣豊河 巻八・1503)
【口語訳】 いとしいあなたの 家の垣根の中に 百合の花が咲いていますが そのユリの花のようにユリ 、 のちにとおっしゃると いやだとおっしゃっているように感じられますよ (『萬葉集全歌講義』より)
 上三句「我妹子が 家の垣内の さ百合花」が、 同音によってユリを起こす序詞で、四句目の「ゆり」は後日。いずれそのうちに(逢いましょう)の意。口語訳を採った『萬葉集全歌講義』には、「男の求愛に対して、いずれその時が来たら・・・・と返事を先に延ばす形で応じた女性への歌」とあります。

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Posted by katakago at 09:07
コオニユリが開花 [2024年07月03日(Wed)]
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 裏山に植えているコオニユリが開花しました。ユリの仲間はこれから来月にかけて、オニユリ、ヤマユリ、カノコユリ、タカサゴユリなどの開花が見込まれます(ヤマユリは今週中にも開花か)。

 今朝の蓮池の様子(開花株が増えてきました)。
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 ハマユウの開花も間近です。
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Posted by katakago at 08:10
ハス続報(今朝の蓮池で) [2024年07月02日(Tue)]
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 今朝、雨の止み間に蓮池の写真を撮影しました。
ハスの葉っぱに雨水が溜まっていました。ハスの葉は超撥水性で、水滴は水玉となって転がる性質があります。巻十六の万葉歌にも次のように詠まれています。ハスの古名は「はちす」で、果実の入った花托ががハチの巣に似ることに拠っています。
【歌】 ひさかたの 雨も降らぬか 蓮葉(はちすば)に 溜まれる水の 玉に似たる見む (右兵衛 巻十六・3837)
【口語訳】 (ひさかたの) 雨でも降ってくれ 蓮の葉に 溜まった水の 玉に似たさまを見よう
 この歌の左注には、「右兵衛府に勤務する歌作りに堪能な者がいた(姓名は不明)。ある時役所で酒食を設け右兵衛府の官人達に饗応した。この時食物を盛るのに、全て蓮の葉を用いてあった。一同酒もたけなわとなり、歌や舞が次々に披露された。そこでその某兵衛に勧めて、『蓮の葉に関連して歌をつくられよ』と言ったところ、即座にその注文に答えてこの歌を作った」とあります。巻十六には、宴の場で歌われた笑いと機知の強調された歌や、物の名を詠み込んだ歌があります。
  
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Posted by katakago at 08:15
ハスが開花 [2024年07月01日(Mon)]
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 蓮池は13年前に造成し、10株ほど植えたのが始まりで、今では池全面に生育して、今年も花が咲き始めました。来月初めごろまで花を楽しめるものと思います。
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 蓮池造成当時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/16
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/54
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/95


 畑に植えているハマユウも花芽が伸びてきました(今月中旬には開花か)。
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ヒオウギが開花 [2024年06月29日(Sat)]
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 畑の数か所に植えているヒオウギ(アヤメ科)のうち、一株で花が咲きました。その種子(時期は9月頃)は黒い球形で、万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は野干玉・烏玉・夜干玉などと表記)は、このヒオウギの種子と考えられています。
 ヒオウギは病気にかかりにくく葉も長持ちし古来より縁起物・魔除けの花として重宝されてきたようです。来月は京都の祇園祭ですが、疫病退散を祈願する祭の期間中、ヒオウギは京町家で行われる屏風祭の会場や、民家の軒先・床の間などに飾られ、祇園祭には欠かせない植物だそうです。

 畦道に自生しているヤブカンゾウの花
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 ハスの蕾も膨らんできました。間もなく最初の開花が見られるものと思われます。
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Posted by katakago at 14:45
ヒルムシロの花 [2024年06月27日(Thu)]
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 小型バットで栽培しているヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花が見られました。水田の多年生雑草の一種ですが、万葉の東歌に「たはみづら(原文は多波美豆良と表記)」と詠まれている植物をこのヒルムシロに擬する説があります。
【歌】 安波(あは)をろの をろ田に生(お)はる たはみづら 引かばぬるぬる 我を言(こと)な絶え (巻十四・3501)
【口語訳】 安波の峰の 山田に生える たわみづらのように 私が引いたらずるずるとどこまでもついて来て 私との仲を絶やさないでくれ

 来月にも開花が見込まれる植物のいくつかを載せておきます。
 蓮池では花芽の数が増えてきました。
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 ヒオウギの花芽が伸びてきました(7月初旬には開花か)
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 ヤマユリの蕾(7月半ばには開花か)
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 コオニユリの蕾(間もなく開花か)
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 畑ではヒマワリが咲いています。
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Posted by katakago at 09:11
キキョウが見ごろ [2024年06月26日(Wed)]
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 畑の各所に植えているキキョウが見ごろを迎えました(上の写真はカワラナデシコや咲き始めたオミナエシと共に)。
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 万葉歌で「あさがほ」と詠まれた植物については、これまでキキョウ説、ムクゲ説、ヒルガオ説、ノアサガオ説などがある中、現在ではキキョウが相応しいとの説が有力です。『新撰字鏡』(平安時代の漢和辞書)に桔梗の訓に「阿佐加保」があり、槿にアサガホの訓はは無く、ヒルガオは早朝に咲く花ではなく、アサガオは平安時代に中国より渡来したと言われ、野に咲く花でもない。「あさがほ」は野に咲く花として、山上憶良の「秋の七草」の一つとして詠まれています。
【歌】 萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花 (巻八・1538)

【歌】 朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲き増さりけれ (巻十・2104)
【口語訳】 朝顔は 朝露を浴びて 咲くというのに 夕方になんと 咲き増さっているよ

Posted by katakago at 14:21
ヤブカンゾウが咲き始めました [2024年06月23日(Sun)]
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 裏山の入り口付近で、アジサイの傍に植えているヤブカンゾウ(ススキノキ科又はワスレグサ科)が咲き始めました。畑の畦道に生えている株の開花はこれからのようです。
 万葉歌に詠まれた「忘れ草」は、多年草のヤブカンゾウ(他にノカンゾウ)で、当時、これを身に付けると憂苦を忘れることが出来るという漢籍(『文選』(巻第五十三「養生論」)に基づく俗信があり、恋の憂いを忘れるために身に付ける歌にも詠まれています。
【歌】 忘れ草 我が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言(こと)にしありけり (大伴家持 巻四・727)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 着けてはみたが 阿保のあほくさ 名ばかりでした
これは、後に家持の正妻となる坂上大嬢に贈った歌で、「忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかった」と詠んでいます。 

 蓮池ではハスの立ち葉が茂ってきました。その間をじっくり眺めると伸びてきた花芽を見つけることが出来ました(今朝の時点で10個)。これらは来月初旬にも開花するものと思われます。
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 畑では、キキョウと共にベニバナが今も咲いています。 
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Posted by katakago at 09:40
ネムノキの花が咲きました [2024年06月19日(Wed)]
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 裏山に自生しているネムノキ(マメ科)の花が咲きました。ネムノキは複生する小葉を夜間閉じ合わせて眠る特性から、ネブ・ネブリ等の名がつけられました。万葉歌では、ねぶ(原文表記は合歓木と表記)と詠まれ、「合歓」の字は、その葉が夜に合する性質によって、男女の交合に譬えた漢籍によったものとされています(『新編日本古典文学全集 万葉集』)。
【歌】 昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ
 (紀女郎 巻八・1461)
【口語訳】 昼間は咲き 夜は恋いつつ寝るという ねむの花です あるじだけ見るべきでしょうか 戯奴も見なさい
 この歌は紀女郎(きのいらつめ)が家持に贈った歌で、『万葉集全注』には、「家持にその花を見に来るように促す形で、共寝を誘う意をにおわしている」とあります。これに対し家持は、「我妹子が 形見の合歓木は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも (あなたに 頂戴したねむは 花ばかり 咲いておそらく 実を結ばないのではないでしょうか)」(巻八・1463)と、やんわり誘いを断っています。この贈答歌は戯れの遊びとみられています。

 畑では、ベニバナが真っ盛りです。
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 蓮池脇では、ミソハギ(ミソハギ科)の花が咲いていました。
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Posted by katakago at 14:25
「白隠フォーラム」(英一蝶と白隠)に参加 [2024年06月18日(Tue)]
 先週末(6/15)、東京深川の♂_寺で開催された「白隠フォーラム」(英一蝶と白隠)に出かけてきました。♂_寺(臨済宗妙心寺派の寺院)は最寄り駅が東京メトロ半蔵門線の「清澄白河駅」で、丸の内線(東京→大手町)から乗り換えるのに、久しぶりに出かけた東京駅では地下鉄乗り場にたどり着くのにまごついてしまいました。

 今回のフォーラムは、「英一蝶と白隠」と題して花園大学国際禅学研究所の主催で開催されました。会場の♂_寺は、江戸の画家英一蝶(1652-1724)が、三宅島への流刑(1698〜1709)から許され江戸に戻り、その後寄寓したことで「一蝶寺」ともよばれています。

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 今回のフォーラムでは、白隠禅画における英一蝶の影響や、白隠と芭蕉門下との関係など、江戸を舞台にした文化交流などについて、お二人の研究者から講演がありました。
・「白隠による英一蝶作品の受容」 馬渕美帆先生(実践女子大学教授)
・「風俗画を禅画にした白隠」 芳澤勝弘先生(花園大学国際禅学研究所顧問)

 馬渕先生は、白隠禅画(布袋と鼠相撲図、棒頭猿廻図、巡礼落書図、鍾馗水鏡図ほか)には一蝶画と題材や表現が類似する例があることより、白隠が一蝶画を作画のヒントにしたとみられるとの考えを示されました。白隠が一蝶画に触れる機会があったことに、白隠の行跡と交友関係の双方から迫ろうとされています。
 白隠は、宝暦9年(1759)7月〜12月に江戸に滞在し、深川の臨川寺で『碧巌録』を講じた。臨川寺はもと臨川庵と言い、松尾芭蕉が参禅していた仏頂(1642-1715)の居住地で深川芭蕉庵の近くに位置する(臨川寺は近くにある一蝶が寄寓した♂_寺と同じ臨済宗妙心寺派の寺院)。一蝶は♂_寺全体に障壁画を描き「一蝶寺」とも呼ばれ、♂_寺などを通じて臨川寺にも一蝶画が所蔵されていた可能性があり、白隠がこの江戸滞在時に一蝶画を見る機会があったと考えられています。
 また、英派の江戸の俳人たちとの関わりにも触れられました。一蝶の弟子の英一蜂(1691ー1760)は、二世市川団十郎や深川湖十などの俳人たちと深く関わりを持ちながら活動していたという。白隠が江戸滞在中にこのような俳人たちを通じて、一蜂とも知己を得、一蜂画や一蝶画を見た可能性が高いと考えられています。馬渕先生は、ここで江戸の俳人たちと白隠をつなぐ役割を果たしたのが、木田元照(几掌)とみられています。几掌は、宝暦6年(1756)8月〜11月に芭蕉の『おくの細道』をたどって東奥行脚に出かけ、その途次、江戸座の宗匠たち(二世市川団十郎、深川湖十、岡田米仲、小栗旨原ら)と交流し、大坂に戻る途中に原の松蔭寺で白隠の教えを受けています。そのような次第で、白隠が宝暦9年に江戸に滞在した折に、臨川寺近くに居住する几掌と交友のあった湖十や米仲たちに面会した可能性があるとのことです。

参考資料
・当日配布の馬渕先生の資料
・馬渕美帆著「白隠慧鶴による英一蝶作品の受容」『日本美術のつくられ方ー佐藤康宏先生の退職に寄せて』

 なお、木田几掌については、以前の記事「木田種重(寂堂万翁元照居士)は俳人でもあった」に載せています(次のURL)。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1931



Posted by katakago at 14:26
ベニバナが咲き始めました [2024年06月14日(Fri)]
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 今春、畑に播種したベニバナ(キク科)が咲き始めました。
万葉歌では、紅(くれなゐ)、末摘花(すゑつむはな)と詠まれています。「くれなゐ」は、中国南部の呉の地方から渡来した植物の意の「呉(くれ)の藍(あい)」に由来するとされています。万葉集中36例のうち、色名または染色に関わるものが多数を占めています。ベニバナの色素は黄色(サフラワーイエロー)と赤色(カルタミン)の2種類があり、紅染めには赤色が用いられます。濃い紅染めには、この染液を何度も取り替えて衣を浸すことから、染色工程を踏まえたとみられる次のような歌が詠まれています。
【歌】 紅(くれなゐ)の 八入(やしほ)の衣(ころも) 朝な朝(さ)な なれはすれども いやめづらしも (巻十一・2623)
【口語訳】 紅花で幾度も染めた着物が、朝毎に着て萎えてはいるが、そのように親しみ馴れてはいても美しい妻は ますます愛らしく思われるよ
 八入(やしほ)のシホは、衣を染液に浸す回数を示す語。
【歌】 紅(くれなゐ)の 深染めの衣(きぬ) 色深く 染みにしかばか 忘れかねつる (巻十一・2624)
【口語訳】 紅の 濃染(こぞ)めの衣のように 濃い色に 心にしみ込んだせいか 忘れられなくなった
 いずれも「寄物陳思歌(きぶつちんしか)」で、 自然の物象(ここでは紅)に託して、恋の心情を表現しようとする歌です。

 紅花染めの体験会を実施した時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1134


 キキョウの開花株も増えてきました。
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 オミナエシも蕾を付けている株が見られます。 
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Posted by katakago at 09:37
オカトラノオの花が咲きました [2024年06月11日(Tue)]
 週初めから2日続けて植物園の見学者があり、新緑の園内(裏山と畑)を案内しました。裏山では、未だ咲いていたヒメユリや、オカトラノオ(サクラソウ科)の群生など、畑ではハナショウブの他カワラナデシコの群生や咲き始めたキキョウなども見ていただけました。

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 以前裏山に自生していたオカトラノオは、裏山斜面の手入れが行き届かずササに覆われていた時期が続いたため、見かけなくなっていましたが、数年前から冬期の下草刈りなど周辺の手入れを再開した結果、一昨年あたりから少しづつ数が増えてきました。

 裏山ではサカキ(サカキ科)の花も咲いています。
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 裏山のベニガク(アジサイ科)の花
がく片の装飾花は、最初は白で縁が日を追って淡いピンク色に変わってゆきます。
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 ハナショウブ畑
今年は、株元はスギナで覆われまじかで見ると見栄えが良くないので、ここでは遠くから撮影した写真を掲載しました。
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Posted by katakago at 17:13
クララの花 [2024年06月06日(Thu)]
 植物園では、裏山入り口付近のアジサイの花の色が濃くなり、ひときわ目立つようになりました。
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 裏山斜面で、クララ(マメ科)の花が咲いていました。クララは眩草(クララクサ)が省略されたもので、根汁をなめると苦いため目が眩むところからついた名で、漢方ではこの根を乾燥して健胃薬とされた(古代の名は「くじん」で、『出雲国風土記』では苦参、藤原宮出土木簡では久参などと表記)。
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クララの以前の記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/632
 久参(くじん)が記載された木簡(藤原宮典薬寮跡から発見され「多治麻内親王」と表記)については次のURLの後半記事(和田萃先生の講演)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/520


 ヒメユリの傍ではツユクサ(ツユクサ科)が咲いています。
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 万葉歌では、つきくさ(原文は月草・鴨頭草と表記)と詠まれています。つきくさで染めた衣の色が変わりやすいため、集中9首のうち、6首までが「うつろふ」という意味で用いられています。以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/73
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/149
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/383



 

Posted by katakago at 11:02
ジュンサイの花 [2024年06月02日(Sun)]
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 万葉歌に詠まれた水生植物は、ハス・ショウブ・アサザの他、ヒシ・ジュンサイ・ヒルムシロ・ミズアオイなども個別に大型バットに植えて栽培しています。
 そのうち、ジュンサイの花が咲きました。万葉歌で「ぬなは」と詠まれている植物がジュンサイに当たるとみられています。揺れ動く女の恋心を、浮葉性多年生水草のジュンサイに譬えた次の歌があります。
【歌】 我が心 ゆたにたゆたに 浮きぬなは 辺にも沖にも 寄りかつましじ (巻七・1352)
【口語訳】 わたしの心は ゆったりしたり動揺したりで 浮きぬなわのように 岸にも沖にも 寄ってしまえそうにない

 ヒルムシロ(たはみづらに当てる説あり) 
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 ヒシの葉が広がってきました。
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 畑では、キキョウが咲き出し、ミヤギノハギも花を咲かせています(9月頃にもう一度咲く)。
キキョウの花
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 ミヤギノハギの花
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 カワラナデシコはこの時期、畑のあちらこちらで可憐な花を咲かせています。
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Posted by katakago at 10:41
ヒメユリが開花 [2024年05月31日(Fri)]
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 ヒメユリが咲き始めました。これらは昨年、あらためて入手した球根を植えたものです。今年はササユリも含め開花時期が早いように思われます。
 万葉歌には次の一首が詠まれています。
【歌】 夏の野 繁みに咲ける 姫百合の 知らえぬ恋は 苦しきものそ (大伴坂上郎女 巻八・1500)
【口語訳】 夏の野の 繁みに咲いている ひめゆりのように 相手に知ってもらえない恋は 苦しいものです
 作者の大伴坂上郎女(旅人の異母妹で家持の叔母にあたる)は、額田王と共に万葉集を代表する女流歌人で、歌数も84首と女性では最も多い。
 ヒメユリは草丈が30〜40pほどで、朱色の花を咲かせます。上三句は、繁みの中にひっそりと咲いているので、人に知られないという序詞で、相手に分かってもらえない恋の苦しさが詠まれています。但し、これが何時頃の誰に対する歌であるかは分かっていないようです。『萬葉集全歌講義』の解説には、「殊更に小さいながらも色の濃い花を序詞に用いたのは、可憐な姫百合を我が恋の譬喩としたかったからであろう」とあります。


 今朝、ササユリ5株が6輪の花を咲かせていました。
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 裏山の斜面で、オカトラノオ(サクラソウ科)が間もなく咲きそうです。
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Posted by katakago at 12:50
ササユリ続報 [2024年05月29日(Wed)]
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 裏山のササユリの開花株が増えました。万葉集中ユリは11首詠まれています(さ百合が8首、草深百合が2首、姫百合が1首)。
【歌】 道の辺の 草深百合の 花笑みに 笑みしがからに 妻と言ふべしや (巻七・1257)
【口語訳】 道ばたの 草深ゆりの 花のように 微笑んだぐらいのことで 妻と言ってよいものでしょうか
 「花笑みに 笑みしがからに」は、「花が咲いたようににっこりしたばかりの事で」の意で、この歌の解説に、『新編日本古典文学全集 万葉集』には、「行きずりに微笑んだぐらいのことで、それを好意の表れと誤解した男への返事」とあり、『万葉集全注』には、「男の求婚に対して女がはっきり承諾したわけでもないのに、男がが相手を自分の妻になるものと決めて物を言ってきた時に、女がそれを非難し拒む歌」とあります。

 この時期、裏山ではヤマアジサイ(アジサイ科)やテイカカズラ(キョウチクトウ科)の花も見られます。
 ヤマアジサイの花
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 テイカカズラの花
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Posted by katakago at 13:52
ハナショウブも咲き始めました [2024年05月27日(Mon)]
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 蓮池隣の畑では、ハナショウブが咲き始めました。

 ノハナショウブ(アヤメ科)
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 10年以上前から植えっぱなしになっている株も多く、近年周りにスギナがはびこって(春先に一度取り除いてはいますが)生育状況はあまりよくありません。花は来月上旬ごろまで見られると思われます。  
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Posted by katakago at 15:22
早くもササユリが咲き始めました [2024年05月27日(Mon)]
 裏山の植物園入り口付近に植えたアジサイが咲き始め、ササユリの1株が早くも開花しました。
 咲き始めたアジサイ
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 裏山の斜面に生育する5株のササユリ(うち1株が開花)
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 そのほかのユリでは、ヒメユリも間もなく開花しそうで、ヤマユリも蕾が見られ7月には開花が見込まれます。
 ヒメユリの蕾(うっすら色づいています)
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 蕾を付けたヤマユリ
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Posted by katakago at 15:01
ウツギが開花 [2024年05月16日(Thu)]
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 木々の緑が鮮やかな季節となりました(写真は裏山の植物園入り口付近)。

 裏山では、ウツギ(アジサイ科)の花が咲き始めました。万葉歌では「卯の花」と詠まれ、その24首のうち、18首がホトトギスと一緒に詠まれています。
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【歌】 卯の花も いまだ咲かねば ほととぎす 佐保の山辺に 来鳴きとよもす (大伴家持 巻八・1477)
【口語訳】 卯の花も まだ咲いていないのに ほととぎすは 佐保の山辺に もう来て鳴きた立てている
 「卯の花は いまだ咲かねば」は、当時、卯の花はホトトギスの到来とともに咲くと考えられていたことに基づく表現(『萬葉集釈注』)。同じ家持の作で、卯の花が咲く月(旧暦四月)の到来という、暦上の季節感によってホトトギスを待つ心を詠んだ歌「卯の花の 咲く月立ちぬ ほととぎす 来鳴きとよめよ 含みたりとも」(巻十八・4066)があります。


 裏山でオトメユリ(ヒメサユリ)の花が咲きました。
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 この時期、センダン(センダン科)の花が咲いています(写真は植物園近くにある大木)。万葉歌では楝(あふち)と詠まれています。
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【歌】 妹が見し 楝(あふち)の花は 散りぬべし 我が泣く涙(なみた) いまだ干なくに (山上憶良 巻五・798)
【口語訳】 妻が見た 楝の花は もう散ってしまいそうだ わたしの泣く涙は まだ乾かないのに
 この歌は、憶良の日本挽歌(長歌 巻五・794)の反歌5首のうちの一首。筑前守であった憶良が、大宰帥大伴旅人の妻の死を悼み、旅人の心中を察し旅人の身になって詠んだとされています。旅人は神亀四年(727)頃、大宰府に赴任し、翌年妻に先立たれました。憶良が上司にあたる旅人にこの歌を献上した日付が、左注に神亀五年(728)7月21日(太陽暦9月3日)とあり、「この日付は旅人の妻大伴郎女の死後百日にあたるもので、その供養設斎を期してのものであった」とする論(井村哲夫『万葉集全注』巻第五)があります。それによれば、旅人亡妻の命日は4月10日(太陽暦5月27日)であったことになり、センダンの花が咲く時期で、「妹が見し 楝の花は」とあるのにかなう。

Posted by katakago at 15:20
カワラナデシコが咲き始めました [2024年05月09日(Thu)]
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 畑では、カワラナデシコ(ナデシコ科)が咲き始めました。
【歌】 我がやどの なでしこの花 盛りなり 手折りて一目 見せむ児もがも (大伴家持 巻八・1496)
【口語訳】 家の庭の なでしこの花が 今真っ盛りだ 手折って一目 見せてやるような女の子がいたらよいのに
 家持はこの可憐な姿を格別に好んだようで、なでしこ26首中、家持の歌は11首です。家持の初恋の相手で後に正妻となる坂上大嬢に贈った歌に、「なでしこが その花にもが 朝な朝(さ)な 手に取り持ちて 恋ひぬ日なけむ (なでしこの 花であなたがあればよい そうしたら毎朝 手に取り持って いとおしまない日とてないでしょう)」(巻三・408)があり、大嬢をこの花に擬した歌「我がやどに 蒔きしなでしこ いつしかも 花に咲きなむ なそへつつ見む (わが家の庭に 蒔いたなでしこは いつになったら 花が咲くことだろうかそしたら あなたと見なして眺めよう)」(巻八・1448)があります。

 畑に植えているノイバラが咲きました(万葉歌では「うまら」と詠まれています)。
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【歌】 道の辺の 茨(うまら)の末(うれ)に 延(は)ほ豆の からまる君を はかれか行かむ (丈部鳥 巻二十・4352)
【口語訳】 道端の茨の枝先に豆の蔓が絡みつくように 纏りつかれる若様 そんな若様から引き離されたままで わたしは旅立って行かねばならないのか (『新潮日本古典集成 万葉集』より)
 天平勝宝七年(755)二月に交代して筑紫に遣わされる防人の歌を、時の兵部少輔大伴家持が東国諸国の防人部領使(ぶりょうし)に命じて、それぞれの国の防人歌を集めさせ(全部で84首)、この歌は、上総(かずさ)国(現在の房総半島千葉県中央部)の防人歌13首のうちの一首です。茨(うまら)はノイバラで、「延ほ豆」の豆は、野生種で食用にならないフジマメ・ヤブマメとする説があります。上三句は「からまる」を起こす比喩の序です。この歌の解釈で、第四句の「君」をどう解するかで説が分かれます。女性に用いたとするもの(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)や、万葉集中「君」は男性や主君を指すのが例で、主家の若君と解するもの(口語訳を採った『新潮日本古典集成 万葉集』・『萬葉集釈注』)があります。

 蓮池でアサザ(ミツガシワ科)が一輪咲いていました。
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 カキツバタが今も咲いています。
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 蓮池ではハスの立ち葉が伸びてきました。
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 早くもハナショウブ(アヤメ科)が一輪咲きました(他の株が咲くのは今月下旬から来月初旬にかけて)。
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 畑で咲くシャクヤク(ボタン科)
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 自宅庭に咲くシラン(ラン科)
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エゴノキの花が咲きました [2024年05月05日(Sun)]
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 エゴノキ(エゴノキ科)の花(五弁花を下向きに)が咲き始めました。万葉歌で、「山ぢさ」をエゴノキにあてる説があります(他にイワタバコ説も)。
【歌】 山ぢさの 白露重み うらぶれて 心に深く 我が恋止まず (巻十一・2469)
【口語訳】 山ちさがしとどにおいた 白露の重さでうなだれるようにうちしおれて 心の底深く わたしの恋は止むことがない
 この歌は、巻十一の 寄物陳思歌(物に寄せて思ひを陳ぶる歌)に分類されています。「山ぢさの白露重み」は「うらぶれて」を起こす序(山ぢさの花に露がいっぱい置いてうなだれ萎れている様子が比喩の序)となっています。

 マユミ(ニシキギ科)の花も咲いています。
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 ヒメサユリ(オトメユリ)の蕾(間もなく開花か)
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 ササユリが5株蕾を付けています(開花は来月中ごろか)。
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ホームカミングデイ2024(5月3日) [2024年05月04日(Sat)]
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 昨日(5/3)、「いちょう祭」にあわせて大阪大学ホームカミングデイ2024が開催され、久しぶりに出かけてきました(豊中キャンパス)。大阪大学会館(旧イ号館)講堂での講演会と学生交流棟カフェテリアでの交流会に出席しました。なお会場での様子は後日ホームページなどで紹介されるとのことです。
 講演会では3人の先生方の講演がありました。
堂目卓生先生(経済学研究科教授):「近代の超克ー『いのち』を大切にする社会を目指して」
岡田眞理子先生(蛋白質研究所教授):「生命をデータで紡ぐOUネットワーク」
藤井啓祐先生(基礎工学研究科教授):「ここまで来た量子コンピューター大阪から世界を目指す量子コンピュータ研究開発最前線ー」
 このうち、藤井先生の量子コンピュータに関する講演では、その仕組みについての理解はともかく、応用分野についての話は興味がありました。量子コンピュータ業界の共通テーマとして、非常に効率のいい触媒を見つけて地球規模でエネルギーの節約を目指しているとのこと。その一つとして、肥料を作るために世界の数%のエネルギーを消費するアンモニアを、空気中の窒素から合成する仕組みを量子コンピュータで解明しようとしたり、二酸化炭素(CO2)を吸収する高機能な材料開発や、太陽光を利用した人工光合成実現のための取り組みに量子コンピュータが活用されるとのことでした。
 
 「いちょう祭」は天候にも恵まれ、多くの参加者で賑わっていました。
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 模擬店が並ぶ通路は人波であふれていました。
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カキツバタが咲き始めました [2024年04月29日(Mon)]
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 蓮池の片隅に植えているカキツバタ(アヤメ科)が咲き始めました。下の写真は、自宅庭の水槽に植えているカキツバタ(水面はアサザの葉に覆われています)。
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【歌】 かきつはた 衣に摺り付け ますらをの 着襲ひ狩する 月は来にけり (大伴家持 巻十七・3921)
【口語訳】 かきつばたで 衣を摺り染めにし ますらをが 着飾って狩をする その月は来た
 「狩する月」は、薬草や鹿の若角を採る薬狩りをする月(旧暦の四月)。

 その他の水生植物では、ショウブ(ショウブ科)の花が見られ、ハス(ハス科)の浮葉のほか大型バットに植えているジュンサイ(ジュンサイ科)やヒシ(ミソハギ科)の葉も出てきました。

 ショウブは淡黄緑色の細かい花を穂状に付ける。
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 万葉歌では「あやめぐさ」と詠まれています。アヤメ科のハナショウブとは別で、根茎・葉など全体から独特の匂いを発し、これが邪気を払い疫病を除くといわれて、端午の節句に橘と一緒に貫き通して薬玉とし、薬用にも供されました。
【歌】 ほととぎす 厭う時なし あやめぐさ 蘰にせむ日 こゆ鳴き渡れ (巻十・1955)
【口語訳】 ほととぎすよ 嫌な時などないぞ あやめぐさを 蘰にする日に ここを鳴いて行け
 
 ハスの浮葉
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 ジュンサイの葉
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 ヒシの葉
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フジが開花 [2024年04月18日(Thu)]
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 畑の一角に設けた藤棚でフジ(マメ科)の花が咲き始めました。
【歌】 藤波の 花は盛りに なりにけり 奈良の都を 思ほすや君 (大伴四綱 巻三・330)
【口語訳】 藤の花は 今満開になりました 奈良の都を 恋しく思われますか帥(そち)
 ここで藤波はその花房の風に揺れるさまを波にたとえた歌語で、大宰帥であった大伴旅人の邸宅で開かれた集宴で詠まれたものと考えられています。

 裏山に自生しているヤマツツジ(ツツジ科)も咲き始めました。
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 園芸種のツツジ(品種は不明)も開花
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【歌】 水伝ふ 磯の浦廻の 石つつじ 茂く咲く道を またも見むかも (舎人 巻二・185)
【口語訳】 遣水の 磯辺に植えた いわつつじの 茂り咲くこの道を また見ることがあるだろうか
 この歌は、天武天皇の皇子、日並皇子(草壁皇子)が亡くなった時に、皇子の宮の舎人が泣き悲しんで作った歌23首のうちの一首。

 裏山の斜面に植えたヤマブキも開花
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 裏山に自生しているヤマザクラ(写真中央、左はイロハモミジ、右はユズリハ)
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Posted by katakago at 13:55
ヤマザクラいろいろ [2024年04月13日(Sat)]
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 畑に種類の異なると思われるヤマザクラを10株ほど植えています。先に掲載したオオシマザクラやセンダイヤに続き、オオヤマザクラやその他の株も花が咲き始めました。
 オオヤマザクラ
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 以下は品種不明
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Posted by katakago at 15:08
ヤマブキが咲き始めました [2024年04月08日(Mon)]
 裏山のサクラは今が満開です。
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 サクラに続いて、ヤマブキ(バラ科)の花が咲き始めました。 
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【歌】 かはづ鳴く 神奈備川に 影見えて 今か咲くらむ 山吹の花 (厚見王 巻八・1435)
【口語訳】 蛙の鳴く 神奈備川に 影を映して 今頃咲いていることであろうか 山吹の花が

 アセビとヤマブキ
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 タチツボスミレ(スミレ科)
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【歌】 山吹の 咲きたる野辺の つほすみれ この春の雨に 盛りなりけり (高田女王 巻八・1444)
【口語訳】 山吹が 咲いている野辺の つぼすみれは この春雨の中 今真っ盛りである


 カラタチ(ミカン科)の花も咲いています。
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 イロハモミジの株元ではヒトリシズカ(センリョウ科)が咲いています。
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 ニリンソウ(キンポウゲ科)も咲いていました。
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Posted by katakago at 15:49
桜の開花 [2024年04月06日(Sat)]
 体調不良で暫く臥せっていた間に、桜の花が一斉に開花しました(一部は散り始めていました)。
 裏山に植えたエドヒガンの花
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 センダイヤ(牧野博士命名) 花弁はピンク色
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 オオシマザクラ(花弁は真っ白)
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 ヤマナシの花も咲いています。
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Posted by katakago at 10:57
スモモ続報 [2024年03月27日(Wed)]
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 畑に植えているスモモが満開です。
【歌】 我が苑の 李の花か 庭に散る はだれのいまだ 残りたるかも (大伴家持 巻十九・4140)
【口語訳】 わが園の 李の花が 庭に散っているのだろうか それとも薄雪がまだ 残っているのであろうか
 天平勝宝二年(750)三月一日(太陽暦の四月十五日)の夕方、家持が赴任先の越中の地にあって、春苑の桃李を眺めて作った歌の一首で、『万葉集全注』によれば、「北国の遅い春の中にあって、春たけなわの都への思いがひそめられていることも否めないであろう」とあります。
 三句目の「庭に散る」の原文は「庭尓落」で、「ニハニチル」と読む三句切れ説(口語訳に採った『新編日本古典文学全集 万葉集』や『新潮日本古典集成 万葉集』など)と、「ニハニフル」と読む二句切れ説(『万葉集全注』や『萬葉集全歌講義』)があります。
 父旅人の「我が園に 梅の花散る ひさかたの 天(あめ)より雪の 流れ来るかも」(巻五・822)にヒントを得たものとみられています。
 
 裏山のアセビとヤブツバキ 万葉歌にあしびと椿が詠まれた歌があります。 
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【歌】 三諸(みもろ)は 人の守(も)る山 本辺(もとへ)には あしび花咲き 末辺(すゑへ)には 椿花咲く うらぐはし 山そ 泣く子守る山 (巻十三・3222)
【口語訳】 三諸は 人が守っている山 本(もと)の辺りには あしびの花が咲き 上の辺りには 椿の花が咲いている まことに見事な 山だね 泣く子を守るように人が守っているこの山は
 この歌は、四・七・四・七・四・七・五・三・七の音数律をもち、長歌の末尾が五・三・七で終わるのは古い謡い物に多い形式で、古くから伝承された歌とみられています(『萬葉集全歌講義』)。
 
 裏山では、まだカタクリの開花株が見られました。
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 ヤマザクラの蕾(間もなく開花か)
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 今日も畑(花菖蒲を植えている)で見かけたアオサギ
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Posted by katakago at 16:29
孫娘の大学卒業式 [2024年03月26日(Tue)]
 昨日、孫娘の大学卒業式がありその前日より名古屋に出かけていました。2020年春、コロナ禍の受験で気を揉みましたが、名古屋大学工学部化学生命工学科に入学し、無事卒業の日を迎えることが出来ました。式当日は忙しいとのことで、前夜お祝いの食事の席を設け久しぶりに話をすることが出来ました。学部卒業後も大学院修士課程に進学することになっており、卒業式が終われば春休みもなく研究室での毎日が始まるとのことです。充実した研究生活となるよう願っています。
 
 式場となる豊田講堂には学生しか入場できないため、付き添い者は経済学部講義室でライブ配信を視聴しました。
 当日はあいにくの小雨。会式前の豊田講堂前の様子(振袖に袴姿が目立ちます)。 
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 以下はライブ配信会場で撮影しました。
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 名大オーケストラによる演奏
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 式場内の卒業生の様子 
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 来賓祝辞
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Posted by katakago at 13:52
白隠慧鶴の舟中布袋図 [2024年03月23日(Sat)]
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 祖先のひとりの木田種重(鉄屋庄左衛門、寂堂万翁元照居士)が白隠禅師を信奉していたことを知って以来、白隠禅師に関心を持っています。白隠は生涯おびただしい書画を描いていると言われていますが、この度、「舟中布袋図」を入手できました。『白隠禅画墨蹟』(花園大学国際禅学研究所編)によれば、「月見布袋図」に分類されています。
 白隠の落款(写真左)と関防印(龍悳先天 りゅうとくせんてん)
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 関防印の「龍悳先天」は、上記『白隠禅画墨蹟』の解説には、沈佺期の「龍池篇」詩の「龍池、龍躍って龍已に飛ぶ、龍徳、天に先立って、天違わず」とあるのを踏まえたものであろう、とあります。
 画賛は、「江上半輪月、舟中一袋僧」とあり、読み下しは、『白隠禅画墨蹟』によれば、「江上(こうじょう)、半輪(はんりん)の月、舟中(しゅうちゅう)、一袋(いったい)の僧」とあります。
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 先に触れた、「木田種重(寂堂万翁元照居士)は俳人でもあった」の記事で紹介した、馬渕美帆著「白隠慧鶴による英一蝶作品の受容」(『日本美術のつくられ方:佐藤康弘先生の退職によせて』)によれば、白隠画の複数の題材や表現が、一蝶画のそれに類似することが指摘されています。この度、芳澤勝弘先生の情報として、白隠フォーラムin東京「英一蝶と白隠」が開催されることが分かりました。
 日時:6月15日(土)14時〜17時
 会場:♂_寺(一蝶寺)〒135-0021東京都江東区白河3丁目2-10
 内容:馬渕美帆先生「白隠による英一蝶作品の受容」
    芳澤勝弘先生「一蝶の風俗画を禅画にした白隠」

以前の関連記事は次のURL に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1194
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1931

 






Posted by katakago at 11:35
スモモが咲き始めました [2024年03月22日(Fri)]
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 スモモは品種の異なる数株を裏山や果樹園に植えています。そのうち果樹園の一株で花が咲き始めました。他の株も今月末にかけて咲き始めるものと思われます。
 畑ではツクシをたくさん見かけるようになりました。 
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 最近、畑でアオサギを見かける機会が増えました。 
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 裏山では次々とカタクリの花が咲いています。
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Posted by katakago at 15:01
春の雪 [2024年03月21日(Thu)]
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 今朝、春の花が咲く時期には珍しく雪が積もっていました。ブログを開始して以来初めてのことで、花と雪の写真を載せておきます。
 裏山のヤブツバキ
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 タチバナ
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【歌】 橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜置けど いや常葉(とこは)の木 (聖武天皇 巻六・1009)
【口語訳】 橘は 実まで花までも その葉まで 枝に霜が置いても いよいよ栄える木であるぞ

 アセビ
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 花桃(一重)
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 ブータン大輪ミツマタ
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 畑の様子
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 ネコヤナギ
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【歌】 山の際(ま)に 雪は降りつつ しかすがに この川柳(かはやぎ)は 萌えにけるかも (巻十・1848)
【口語訳】 山あいに 雪は降っている それなのに この川柳は もう芽が出たことよ

 シダレヤナギ
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 サクランボ(暖地桜桃)
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 アンズ
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 スモモ(まだ蕾)
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 自宅庭の紅梅
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Posted by katakago at 10:45
バラ科の花木が開花 [2024年03月20日(Wed)]
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 花桃は裏山に植えている一重の品種(写真は8日に撮影)に続き、畑に植えている八重も咲き出しました。
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モモが詠まれた万葉歌は、次の大伴家持の歌が有名です。
【歌】 春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つ娘子 (巻十九・4139)
【口語訳】 春の園は まるで一面紅色に照り輝いている その桃の花の樹の下まで照り映える道に つと出で立っているおとめよ
 この歌の解釈では、「紅にほふ」を終止形(二句切れ)とみるか、「桃の花」に続く連体形(三句切れ)とみるかについては、両論が半ばしているようです。ここでは「二句切れ」説の『萬葉集全注』による口語訳を示しています。
以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/286


 果樹園ではアンズの花も咲き始めました。
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 サクランボ(暖地桜桃)は7分咲きです(果実は5月中旬ごろ収穫)。
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Posted by katakago at 14:39
豊能町のミツマタ群生地を訪れて [2024年03月19日(Tue)]
 今日は、「ぶんぶん歩こう会」が企画されたミツマタ(ジンチョウゲ科)の花を見る会に参加して、大阪府豊能町のミツマタ群生地に出かけてきました。ルートは能勢電鉄妙見口駅 → 吉川峠 → トンボ池 → イセコ谷ミツマタ群生地に至るコース(下図は配布された資料より)。
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 ミツマタは植物園にも植えていましたが、昨年枯れてしまい今はブータン大輪ミツマタが残っています。豊能町のミツマタ群生地については、一昨年より裏山の手入れをお願いしている業者の方から話に聞いていましたが、今回「ぶんぶん」のチラシでそこを訪れる企画を見つけ自生しているミツマタの群生を初めて見ることが出来ました。参加者は20名ほどで道中は数名の豊能町観光ボランティアガイドさんに案内していただきました。ミツマタの群生地はここ以外にも数か所あり花は今月中は楽しめそうです。
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 ミツマタの群生を見ながら昼食をとりました。
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 万葉歌に「さきくさ」(原文は三枝と表記)と詠まれている植物は、枝が三つに分かれ早春に開花するミツマタ説が有力とされています。
【歌】 春されば まづ三枝(さきくさ)の 幸(さき)くあらば 後にも逢はむ な恋ひそ我妹(わぎも) (柿本朝臣人麻呂歌集 巻十・1895)
【口語訳】 春になると まず咲くさきくさの 幸くさえあったら あとでも逢えよう そう恋しがるなよおまえ
 春の相聞。上二句の「春されば まづ三枝の」は、第三句の「幸くあらば」を起こす序詞で、『万葉集全歌講義』の解説には、三枝のサキに、動詞「咲く」の連用形「咲き」が掛けられ、さらに「三枝」のサキが同音の反復で第三句の「幸く」に掛けられている、とあります。『万葉集全注』には、「外部の事情で逢えないことがあっても、二人の間では感情の食い違いはなく、相思相愛の仲である。相手が徒に苦しむことがないようにと気遣っている」とあります。「さきくさ」は万葉集中二例で、共に三枝の用字。もう一首(巻五・904)の「三枝の 中にを寝むと」では「中」の枕詞となっています。

 
Posted by katakago at 16:23
カタクリ続報 [2024年03月11日(Mon)]
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 裏山のカタクリの花が咲きました。写真上は午前中に撮影、次の写真は午後に撮影したものです。
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 他の場所でも蕾を付けているものを見つけました。
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 カタクリは万葉歌では「かたかご」として次の一首のみ詠まれています。
【歌】 もののふの 八十娘子(やそをとめ)らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (大伴家持 巻十九・4143)
【口語訳】 (もののふの) 群れなす乙女が 汲みさざめく 寺井のほとりの かたかごの花よ
 「かたかご」の原文表記は 「堅香子」で、平安時代まではカタカシと読まれその実体は不明でした。鎌倉時代の研究者仙覚(せんがく)が従来の無訓の歌に訓点をほどこし『仙覚抄』を著し、このなかで本歌の題詞「堅香子草花を攀ぢ折る歌」に注目し、カタカゴの読みを提唱し片栗(カタクリ)と考え以後定説となっています。大伴家持が越中赴任時代に詠んだ歌で、この地に来て初めてカタクリの花を見て、その感動が歌になったとみられています。
 北国の群生地では、雪解けとともに落葉樹林の山の斜面一面に花が咲く。
 関西では、兵庫県丹波市氷上町清住で4月上旬にカタクリの群生を見ることが出来ます。以前に訪れた時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1353 

 庭の片隅で咲いていたスミレ(スミレ科)
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Posted by katakago at 16:20
カタクリの蕾 [2024年03月08日(Fri)]
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 裏山で、カタクリ(ユリ科)が蕾を付けていました。昨日から、業者の方にも手伝ってもらいながら、下草の刈り取り作業を行っていました。この様子だと明日にも開花しそうです。

 畑では、オキナグサ(キンポウゲ科)も蕾を付けていました(開花は今月下旬ごろか)。
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 果樹園ではオオイヌノフグリ(オオバコ科)の花が咲いています。
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 畑でツクシを見つけました。 
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Posted by katakago at 14:07
木田種重(寂堂万翁元照居士)は俳人でもあった [2024年03月02日(Sat)]
 先祖のひとり、木田種重は大坂の両替商(屋号は鉄屋で当主名は庄左衛門)で、先祖を顕彰する碑文を白隠禅師にお願いして大仙寺(大阪市中央区谷町9丁目)に「木田院碑」を建立しています(宝暦八年、1758)。また、木田院碑も掲載された白隠禅師の漢文語録『荊叢毒蘂』の跋文にも名を載せています。これらの経緯については、9年ほど前に自費出版した『木田家のルーツを尋ねるー石碑の銘文に導かれてー』に記しています。その際、木田院碑の釈読や『荊叢毒蘂』に関して、芳澤勝弘先生には種々ご教示頂きました。
 以前の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/879
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/986
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1060

 先月、その芳澤先生から暫くぶりにメールを頂きました。「俳人木田元照の存在がある」とのことで、関連の論文、馬渕美帆著「白隠慧鶴による英一蝶作品の受容」(『日本美術のつくられ方:佐藤康宏先生の退職によせて』)を添付していただきました。
 その論文の「五、白隠と一蝶画ー江戸の俳人たち、英一蜂との関わり」の中で、木田元照に触れられた個所を一部引用しておきます。
 ここで注目したいのが、白隠の有力信徒の木田元照である。彼は大坂の鉄屋という豪商で、宝暦六年冬に東北への旅の途中で原に滞在し、松蔭寺で白隠に教えを受けた他、白隠の語録『荊叢毒蘂』の存在を知り刊行を企図した。元照は同書の刊行資金の援助を予定していたものの、曲折があったようだが、宝暦八年九月に白隠が元照の先祖を顕彰する碑文を書いており、両者の関係が大きく変わるようなことはなかったようである。白隠研究の側からは意識されていないが、元照は俳人としても著名であり、小野紹簾門の几掌(きしょう)として活動している。元照即ち几掌が白隠に会い、『荊叢毒蘂』刊行を企図したとされる時の東奥行脚の紀行文が、紹簾の八十賀集『うたたね』中にある。
 上記『うたたね』は、『上方俳書集上』(上方藝文叢刊)に掲載されています。

 そのほか、俳人木田几掌に関する文献を検索したところ、大谷篤蔵著『俳林阨焉xに「几掌の禅癖」を見つけました。その冒頭には、「俳人木田几掌、鉄庄こと鉄屋庄左衛門。大坂瓦町の富商で、一炊庵二世。南陽舎。宝暦四年四月、京北野の聖廟で、奉納一日独吟万句を成就して以後万翁と号した」とあります(元照の法号にも「寂堂万翁元照居士」とある)。

 大谷篤蔵著の論文「内山栗斎の俳業」に、天明六年七月十五日 『万翁追悼集』の記載があり、
「すなわち一炊庵万翁(木田几掌)は天明五年八月十一日没(1785)。享年七十四歳。嫡男離仏(木田重寛)は、門生泊帆に追悼集の編纂をさせていたが、同年十一月離仏もまた没する。後次男山トが羽幸と共に編集の事に当たったが羽幸も続いて没したという」。
 『万翁追悼集』は、伊丹市立ミュージアム内の「柿衞文庫」にあることを知り、先日、マイクロフィルムの閲覧をさせてもらいました。
 万翁の辞世句「天なる哉熟柿たまゝにへたはなれ」の病牀での絶筆が模刻されています。
柿衞文庫では、『俳文学大辞典』も含め学芸員の方から丁寧に説明していただきました。
 柿衞文庫の岡田利兵衛(柿衞翁)の胸像と説明パネル
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Posted by katakago at 14:20
ウメに続き春の花が咲き始めました [2024年02月24日(Sat)]
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 裏山では、ウメに続き春の花が咲き始めました。
ヤブツバキやミツマタ、花桃も開花が見られます。

 写真はブータン大輪ミツマタ(ジンチョウゲ科) 
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 花桃(花弁は一重)
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 アケボノアセビ(ツツジ科)も咲き始めました(白花のアセビは来月下旬から4月初めか)。
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 畑に植えているネコヤナギ(ヤナギ科)も芽吹き始めました。
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 バイカオウレンは今も咲いています。 
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Posted by katakago at 11:46
バイカオウレンが開花 [2024年02月16日(Fri)]
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 昨年夏(8月)、高知県立牧野植物園を訪れた際に売店で購入したバイカオウレン(キンポウゲ科)の苗を鉢植で育てていましたが、花を咲かせてくれました。山の半陰地に生える常緑の多年草で、牧野博士は幼いころから裏山に咲くこの花を好んだと言われています(和名は梅の花に似ていることによる)。
 牧野植物園を訪れた際の記事は次のURLに載せています。https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1910


 裏山では今、ウメが今満開です。
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Posted by katakago at 13:47
ウメの花が咲き始めました [2024年01月28日(Sun)]
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 当植物園で栽培している万葉植物で、年が明けて最初に花を見れるのがウメです。畑や裏山に植えているウメの木(種類の異なる白梅)のうち、数株で今年もようやく咲き始めました。白梅(万葉歌のウメは白梅)でも種類によって咲く時期が少しづつ異なります。見ごろとなるのは来月中旬頃かと思われます。
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【歌】 正月(むつき)立ち 春の来たらば かくしこそ 梅を招(を)きつつ 楽しき終(を)へめ (大宰大弐紀卿 巻五・815)
【口語訳】 正月になり 春が来たなら こうやって 毎年梅を迎えて 歓を尽くしましょう
 天平2年正月13日(西暦730年太陽暦の2月8日)、大宰帥大伴旅人卿の邸宅で「梅花の宴」が開催されて、32首の梅の歌が詠まれています。これはその最初に詠まれた歌です。
 例年太宰府市では、この時期(2月8日頃)に「大宰府万葉の会」主催の「梅花の宴」が開催されています。以前、この行事に参加した時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1636

 
 紅梅が詠まれるのは平安時代になってからのようですが、裏山には以前から紅梅も数株植えられています。そのひと株でも花が咲き始めました。
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Posted by katakago at 15:02
裏山のモミジの紅葉 [2023年12月10日(Sun)]
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 裏山では、10数年前に植樹した10本以上のイロハモミジ(ムクロジ科)が大きく育ち、その紅葉を楽しませてくれています。

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 万葉歌では、かへるてと詠まれています(その葉の形が蛙の手に似ることより)。
【歌】 我がやどに もみつかへるて 見るごとに 妹をかけつつ 恋ひぬ日はなし (田村大嬢  
 巻八・1623)
【口語訳】 家の庭に 色づいたかえでを 見るたびに あなたのことを 恋しく思わない日はありません
 秋の相聞。大伴田村大嬢が異母妹の坂上大嬢(家持の正妻)に贈った歌。「もみつかへるて」の「もみつ」は紅葉する意(原文は「黄変」と中国六朝の用字)。『新編日本古典文学全集 万葉集』によれば、「妹をかけつつ」のカクは関連する意で、「坂上大嬢がほんのりと赤く輝くような容貌でなので連想したのであろう」とあります。

 実生苗もあちらこちらで育っています。 
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 畑では、小カブやダイコンを収穫できるようになり、タマネギの苗も順調に生育しています。
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 柑橘類では温州ミカンの収穫が終わり、ハッサクが色づいてきました。
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 果樹では、柑橘類の他先月には西条柿を吊るし柿にして、今年は美味しく出来上がりました。
 写真は開始日(11月8日)の様子
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 途中経過(11月23日)の様子
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 中はジューシーでとても甘くなっています(12/6)。
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 この時期、自宅の庭ではツワブキ(キク科)が咲いています。
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Posted by katakago at 13:51
小春日和の裏山で [2023年11月23日(Thu)]
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 裏山のイロハモミジ(ムクロジ科)やイチョウ(イチョウ科)が色づき始めました。
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マユミ(ニシキギ科)、サネカズラ(マツブサ科)、ヤブコウジ(サクラソウ科)、マンリョウ(サクラソウ科)の実も色づいています。 
マユミの実
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マユミが詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/231

 サネカズラの液果
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サネカズラ(万葉歌ではさなかずら)が詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/235

 ヤブコウジの実
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ヤブコウジ(万葉歌ではやまたちばな)が詠まれた万葉歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/232
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/252

 マンリョウの実
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Posted by katakago at 15:32
ジンジャーの花 [2023年11月04日(Sat)]
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 数年前にジンジャー(ショウガ科)の地下茎を畑に植えていましたが、今年初めて花が咲きました。観賞用に栽培される多年草で、インド・マレーシアが原産。牧野植物図鑑によると日本には安政3年以前に渡来したとのこと。

 果樹園では、柿や柑橘類が色づき始めました。
 西条柿(渋柿) 
焼酎で渋抜きを試みたり、気温が下がれば干し柿作りを予定。
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 ユズ
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 ミカン(品種は宮川早生)
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Posted by katakago at 15:03
コウヤボウキの花 [2023年10月29日(Sun)]
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 裏山に自生しているコウヤボウキ(キク科)の花が咲き始めました。
コウヤボウキの関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/201

 ナンバンギセル(ハマウツボ科)の花(ススキに寄生しています)
以前の株が消えてしまったので種苗会社より新たに購入しました。
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【歌】 道の辺の 尾花が下の 思ひ草 今更々に 何をか思はむ (巻十・2270)
【口語訳】 道端の 尾花の陰の 思い草のように いまさら何を思い迷いましょうか
以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/175


 マユミ(ニシキギ科)の実も色づき始めました(後一月もすると実がはじけて中から赤い種が花を咲かせたように見えます)。
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Posted by katakago at 14:30
第76回萬葉学会全国大会 公開講演会(10/21)に参加 [2023年10月24日(Tue)]
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 先週末(10/21,22)、第76回萬葉学会が武庫川女子大学中央キャンパスで開催され、21日の公開講演会に参加しました。
 萬葉学会は、萬葉研究者ならびに愛好者は、誰でも申し込みによって会員になれます(年会費は4000円で学会誌『萬葉』を年2回発行)。

 2題の講演のうち、ここでは興味のあった「木簡と万葉集」(演者は阪大文学部教授の市 大樹氏)について触れておきます。
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 木簡は当時の日常を伝える一次史料として歴史学の研究の上で貴重であり、和歌が書かれた木簡も7〜8世紀にかけて各地の遺跡から出土しています。以下、当日の配布資料から関心のあった個所をピックアップしておきます。
 万葉歌と関連する歌木簡の例
・阿佐奈伎尓伎也留之良奈弥々麻久 (石神遺跡 7世紀)
 【歌】 朝なぎに 来寄る白波 見まく欲り 我はすれども 風こそ寄せね (巻七・1391)
・阿佐可夜・・・・・・・・流夜真  (宮町遺跡 8世紀)
 【歌】 安積山 影さへ見ゆる 山の井の 浅き心を 我が思はなくに (巻十六・3807)
・阿支波支乃之多波毛美 (馬場南遺跡 8世紀)
 【歌】 秋萩の 下葉もみちぬ あらたまの 月の経ぬれば 風を疾みかも (巻十一・2205)
 同時代のナマの史料である歌木簡は一字一音で書かれ、『万葉集』は編纂された史料(文学作品)であり、様々な手が加わっている(特に表記について)と考えられています。
 最後の歌に関連して、次のURLでは馬場南遺跡出土の歌木簡についても触れています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/143

 共通する表記の例として
・玉作五十戸俵 (難波宮遺跡 7世紀)
・恵奈五十戸造 阿利麻 (飛鳥池遺跡 7世紀)
 【歌】 ・・・・ しもと取る 五十戸(サト)長が声は 寝屋処(ねやど) まで 来立ち呼ばひぬ ・・・・ (巻五・892)
 【歌】 檀越(だんをち)や 然(しか)もな言ひそ 五十戸(サト)長が 課役徴(はた)らば 汝(いまし)も泣かむ (巻十六・3847)
 「五十戸」は「里」の古表記で、「サト」と訓み、公的には天武十年(681)まで使用された。

 但馬皇女(天武天皇の皇女で万葉歌人でもある)に関わる木簡 (藤原宮典薬寮跡から出土 8世紀)
    多治麻内親王宮政人正八位下陽胡甥
        車前子一升 西辛一両
    受被給薬
        久参四両 右三種 
多治麻内親王(但馬皇女)の宮の政人(家従)の正八位下の陽胡甥が、車前子(おおばこ)、西辛(さいしん)、久参(くじん)の薬物を請求した木簡。
 但馬皇女の歌に、
【歌】 人言を 繁み言痛(こちた)み 己が世に いまだ渡らぬ 朝川渡る (巻二・116)
【口語訳】 人の噂が うるささに これまで渡らなかった 朝の川を渡ることか
この歌の題詞には、但馬皇女が高市皇子の宮に在った時に、ひそかに穂積皇子と関係を結び、そのことがすっかり顕れたので、作られた一首とあります。このような歌を詠んだ但馬皇女が三種の薬を請求していますが、病気はどのようなものであったか興味が持たれます。
 この木簡に関連した以前の記事(和田萃先生の講演)は次のURLの後半に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/520 

これまでの萬葉学会関連記事は次のURLを参照
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/193
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/910
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1174

 武庫川女子大学中央キャンパス構内の万葉歌碑(2019年に武庫川学院創立80周年記念に建立された)
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 歌碑の除幕式関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1585

Posted by katakago at 13:52
アサギマダラ続報(2頭飛来) [2023年10月23日(Mon)]
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 先週(10/17)に続き、今朝、アサギマダラがフジバカマの蜜を吸っているのを見つけました。今日は2頭で、一枚の写真に撮ることが出来ました(以下の写真ではフジバカマの左右に止まっています)。複数の飛来を目にするのは初めてです。

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Posted by katakago at 16:33
地元で久しぶりの秋祭り [2023年10月22日(Sun)]
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 この週末は、コロナで中断していた地元の秋祭り(多太神社の秋季大祭)が久しぶりに開催されました。昨日は、矢問地区のほか新田、平野、東多田の4地区のダンジリや太鼓が合同で多太神社へ宮入りしました(私は当日萬葉学会に出かけて欠席)。
 今日は町内巡行の日で、自治会館前には普段はあまり見かけない地元の方も含め多くの方が集まり、11時から出発式が行われました。お祭りの準備は、宮総代・消防団・自治会などが関わり、中でも消防団のメンバーは、太鼓の乗り子の指導(2週間にわたる連日の練習)をはじめ、当日の太鼓の組み立て作業から担ぎ手の指導を含め、お祭りの牽引役として活躍されています。これからも地元の行事が引き継がれてゆくことを期待しています。

 太鼓に乗る子供たち(小学4年から6年生)の記念撮影
良い思い出になればと思います(私も70年ほど前に太鼓に乗ったことがあります)。
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 出発前の記念撮影
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 町内巡行開始
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 以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/493
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1050
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1311
Posted by katakago at 15:42
裏山のフジバカマにアサギマダラが飛来 [2023年10月17日(Tue)]
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 裏山に植えているフジバカマ(以前に種苗会社から購入した日本の原種とは異なる株ですが)が見ごろとなり、このところ毎日カメラ持参で出かけています。今朝、そのフジバカマにアサギマダラが飛来しているのを見つけ写真に撮れました。
 2019年に飛来したものは、マーキング(石川県宝達山)されていましたが今朝見つけた個体にはマーキングは見られませんでした。

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 以前(2019,2021年)のアサギマダラの関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1594
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1597
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1601
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1606
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1774

Posted by katakago at 13:46
令和5年度「大阪大学感謝の集い」(10/12)に出席 [2023年10月15日(Sun)]
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 先日(10/12)、グランフロント大阪北館(ナレッジキャピタルカンファレンスルームタワーC)で開催された、令和5年度「大阪大学感謝の集い」に出席しました。
 国からの大学交付金が減らされる中、長期的に安定した財政基盤を確立するため、大阪大学では、2009年に「大阪大学未来基金(ゆめ基金、特定基金)」が設置され、受入金額は2023年3月には累計123億円に達したとのことです。私も昨年末、未来を支える学生支援、教育研究支援、国際交流支援、社会連携支援の事業に活用される「ゆめ基金」にささやかな寄付をさせていただきました。
 報告会では、西尾章治郎総長による近況報告と、未来基金の活動報告(金田安史副学長より)及び講演「感染症総合教育研究拠点(CiDER)」が行われました。

 ゆめ基金事業の自主研究奨励事業に応募して行った学生による発表も2件あり、そのうちの「生物着想型重金属イオン吸着高分子の開発」(理学部3年生)は大変興味深く聴かせてもらいました。生物の細胞が重金属を吸収すると、細胞内でメタロチオネイン(MT)という一群の特殊なタンパク質またはペプチドが生成され、重金属イオンはキレート化され解毒される。全てのMTに共通する特徴として、システイン(SH基を含む)含量が極めて高い事が知られており、この知見に基づくカドミニウムイオン吸着高分子に関する研究です。この制度は卒業研究とは別で、2年生の時から行ったそうです(昨年の例では「粘菌の条件付けによる受容器官と学習記憶メカニズムの解析」(医学部医学科)等もある)。
 講演(演者は金田副学長)で紹介された感染症総合教育研究拠点(CiDER)は、2021年から10年間にわたる「日本財団・大阪大学感染症対策プロジェクト」によるもので、日本財団からは2030年度までの10年間で230億円規模の支援が行われるとのことです(基礎研究と異分野融合研究を重視した最先端の感染症研究拠点を目指す)。本年8月には吹田キャンパスに国内外の研究者が感染症に関する研究を進めていくための感染症総合教育研究棟の起工式が行われました(宇宙船地球号をイメージした9階建ての建物のデザインは安藤忠雄氏の監修で2025年2月に完工予定)。
 
 懇親会のテーブルでは同席されていた文学部長さんとお話をする機会があり、在学当時(1964年)教養部で犬養孝先生の万葉集の講義を受講したことや、現在は万葉植物を栽培していることなどを話題にしました。ちなみに、文学部長は私が学部を卒業した年(1968年)のお生まれとのこと、また、現在阪大の文学部には万葉集の研究者はおられないとのことでした(市 大樹先生の「木簡と万葉集」についての研究はあるが)。

  
Posted by katakago at 14:02
ススキの穂(初尾花) [2023年10月11日(Wed)]
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 ススキの穂が日に輝いています。
【歌】 さ雄鹿の 入野のすすき 初尾花 いつしか妹が 手を枕(まくら)かむ (巻十・2277)
【口語訳】 (さ雄鹿の) 入野のすすきの 初尾花のように初々しい娘(こ) いつになったらあの娘の 手を枕にすることだろう
 「さ雄鹿の」は鹿が野に分け入る、の意でかけた「入野」の枕詞で、「初尾花」は穂が出たばかりの尾花で、初々しい女性のたとえとして用いられています(三句までが初々しい女性の比喩的序詞)。

 秋の七草のうち、この時期でも咲いているカワラナデシコやキキョウがみられます(これらの花の最盛期は過ぎてしまっているのですが)。
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 果樹園の片隅で、イヌタデの花が咲いていました。
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 畑の一角では、シロバナサクラタデの群生が見られます。
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 ヒオウギの花が終わった株では、刮ハがはじけて中から黒い球形の種子が見えています。
万葉歌に詠まれている、ぬばたま(原文は野干玉、烏玉、夜干玉などと表記)はこのヒオウギの種とみられています。植物としてのヒオウギやその種子を詠んだ例はなく、全て枕詞(黒・夜・暗・夢などにかかる)として用いられています。例歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/170

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 この時期でも花を咲かせている株があります。
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 裏山に植えているカラタチ(ミカン科)の実が色づいています。
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Posted by katakago at 14:40
フジバカマも咲き始めました [2023年10月07日(Sat)]
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 フジバカマ(キク科)の花が咲き始めました。写真は日本の原種と言われているもので、ポットで栽培しています。
フジバカマは山上憶良の「秋野の花を詠む歌二首」の二首目に詠まれ、秋の七草の一つです。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/173

 裏山に植えたオケラ(キク科)の花も咲いています。
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 万葉歌には、いずれも巻十四の東歌に、うけら(原文は宇家良と表記)として詠まれています。
以前の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/182
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/476

 アカネ(アカネ科)の花(裏山入り口付近に自生しています)
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 万葉では植物そのものを詠んだ歌は無く、「あかねさす」として茜色に照り映える意で、枕詞(日・昼・紫などにかかる)として用いられています。関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/168
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/452


 イチイガシ(ブナ科)のドングリ  猪名川支流の塩川付近で撮影(裏山に植えた木はまだドングリが生っていません)
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 イチイガシは万葉歌では、いちひ(原文は伊智比と表記)と詠まれており、その歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/59

Posted by katakago at 15:53
ミズアオイも咲き始めました [2023年09月17日(Sun)]
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 ポットに植えているミズアオイ(ミズアオイ科)の花が咲き始めました。万葉歌では水葱(なぎ)と詠まれています。水葱が詠まれた歌は、以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1564

 畑でスベリヒユ(スベリヒユ科)の花が咲いています。
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 万葉歌に、いはゐつら(原文は伊波為都良と表記)と詠まれている植物にスベリヒユをあてる説があります。この歌の関連記事は、次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/91

 ハス池の傍でミソハギ(ミソハギ科)の花が未だ咲いています。
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Posted by katakago at 10:15
ヒガンバナが咲き始めました [2023年09月16日(Sat)]
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 先月末から畦の草刈りを行っていましたが、その畦道でヒガンバナ(ヒガンバナ科)が咲き始めました。

 先月訪れた高知県立牧野植物園の展示施設で撮影したヒガンバナの植物画
古名 イチシ(壱師)の花 (マンジュシャゲ、ヒガンバナ) 牧野富太郎冩生 とある
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 ヒガンバナを万葉歌の「壱師の花」にあてる説があります(牧野富太郎他)。関連記事を次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/172 

 果樹園傍でヘクソカズラ(アカネ科)の花を見つけました。
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 ヘクソカズラ(万葉歌では屎葛)が詠まれた歌は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/116

 ヨメナ(キク科)の花も咲いています。
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Posted by katakago at 11:57
秋の訪れ [2023年09月08日(Fri)]
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 昨日は久しぶりに雨が降ってくれて、今日はエアコンもなしで過ごせそうです。午前中の農作業(畦の草刈りなど)も捗りました。
 畑に植えているハギの花が咲き始めました。秋の七草のうち、ハギの傍ではオミナエシやキキョウが未だ咲いています。
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 早生のクリ(品種は丹沢) 
イガの中に栗の実が三つ見えています。万葉歌では「三栗の なか」のように同音の「中」・「那賀」にかかる枕詞としても詠まれています。
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 クリの木の傍でノカンゾウ(ススキノキ科)が今も咲いています。 
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 今春播種したヒオウギ(アヤメ科)がこの時期に花を咲かせています。
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 ニラ(ヒガンバナ科)の花
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 ヒシ’(ミソハギ科)の花
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 コナギ(ミズアオイ科)の花
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Posted by katakago at 11:31
伊丹市の昆陽池公園で [2023年09月07日(Thu)]
 家族の通院のため、車で市立伊丹病院まで出かけたついでに病院近くの昆陽池公園に立ち寄りました。昆陽池は、僧行基によって奈良時代に築造されたと伝えられています。現在は伊丹市によって公園として整備されており、園内の一角には伊丹市昆虫館があります。
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 ふるさと小径で見つけた万葉歌碑(『西本願寺本万葉集』より採字)
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【歌原文】 吾妹児二 猪名野者令見都 名次山 角松原 何時可将示 (高市連黒人 巻三・279)
【読み下し文】 我妹子(わぎもこ)に 猪名野(ゐなの)は見せつ 名次山(なすきやま) 角(つの)の松原 いつか示さむ
【口語訳】 妻に 猪名野は見せた 名次山や 角の松原は いつになったら見せてやれようか
 この歌には地元の地名が詠み込まれています。猪名野は、兵庫県伊丹市を中心に、尼崎市・川西市、さらに大阪府豊中市の一部をも含む猪名川沿いの平野。名次山(なすきやま)は、兵庫県西宮市名次(なつぎ)町の丘陵地帯。

 公園内のふるさと小径には多種類の樹木が植えられています。
 スダジイ(ブナ科)のドングリを見つけることが出来ました。
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 スダジイのドングリは、2年前に昆陽寺まで出かけてやっとの思いで見つけて写真に撮ることが出来、5月刊行の『万葉植物の歌 鑑賞事典』に掲載されています。その折の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1760

 昆虫館のチョウ温室ではおよそ200種の熱帯・亜熱帯の花木が茂り、⒕種類1000匹のチョウが放されています。展示室や映像ホールもある環境学習施設で、今日は小学生の団体が訪れていました。
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 昆虫館の4階展望台から昆陽池公園を一望できます。
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Posted by katakago at 16:38
高知県立牧野植物園への日帰りツアー参加 [2023年08月24日(Thu)]
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 昨日、旅行会社「おとなび」の企画した「高知県立牧野植物園を訪ねる」日帰りツアーに参加してきました。6年前には、東京都練馬区にある練馬区立牧野記念庭園を訪れたことがあり、それ以来、高知にも機会があれば出かけたいと思っていました。この時の記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1209
 今春から始まったNHKの朝ドラ(らんまん)の人気もあってか、新聞広告にも牧野植物園を訪れるツアーを目にする機会が増えました。参加したツアーは、移動手段は新幹線(新大阪 ー 岡山)と特急南風(岡山 ー 高知)を利用するもので、往復にそれぞれ4時間近くを要しましたが、目的地は植物園のみで園内を150分近く見学できました。但しこの日の午後にはJR特急南風の瀬戸大橋運行が一時見合わせになるほどの大雨で、屋外に植栽された植物の見学は限定され、主に屋内の施設(牧野富太郎記念館本館、展示館、植物研究交流センター、温室)の展示を見学しました。各施設をつなぐ回廊には天井が設けられていたおかげで、その通路の両脇に植えられた牧野富太郎ゆかりの植物を見ることが出来ました。
 牧野富太郎記念館本館内に展示されている書斎(大正14年より亡くなるまで住んだ東京都練馬区大泉の居宅内にあった)
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 バイカオウレンの説明版 (幼少時代、郷里佐川町の生家の裏山に咲くこの花を好んだと言われている)
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 バイカオウレン(花期は12月〜2月)
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 売店でこのポット植え苗が売られていたので一つ買い求めました。花が咲くまでうまく育てられればと思っています。

 ヤマトグサの説明版  (ヤマトグサは牧野富太郎が日本人として初めて日本の植物の学名を発表した記念すべき植物 1884年(明治17年に、高知県吾川郡仁淀川町で発見)
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 ヤマトグサの展示 (学名はTheligonum japonicum Okubo et Makino)
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 ムジナモの説明版 (湖沼などの水中に浮遊する食虫植物 明治23年(1890)に江戸川河川敷で日本で初めて発見)
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 ムジナモの標本(温室内での食虫植物の企画展で)
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 牧野富太郎のムジナモの詳細な植物画(展示施設内で)
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牧野の研究生活を支えた妻壽衛(昭和3年54歳で亡くなった)のために詠んだ句碑
 家守りし 妻の恵や 我が学び
 世の中の あらむかぎりや すゑ子笹
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 昭和2年に仙台で発見した新種のササを和名「スエコザサ」と命名。学名はSasaella ramosa
(Makino) Makino var. suwekoana (Makino) Sad.Suzuki
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Posted by katakago at 11:37
ノカンゾウが咲き始めました。 [2023年08月22日(Tue)]
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 畑で、ノカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌で「忘れ草」と詠まれている植物は、ヤブカンゾウ(花期は6〜7月)やノカンゾウがこれに当たると考えられています。。

 花の時期が終わってしまった蓮池の様子
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 この時期も花を咲かせているハマユウが見られます。
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 種子が出来ているハマユウ
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 まだ咲いているヒオウギも見られます。
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 咲き終わったヒオウギには刮ハが出来ています(秋にはこれがはじけて中に黒い球形の種子が見られます)。
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 キキョウは、初夏に咲き終わった茎を伐り戻しておいたので、また咲き始めています。
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 タカサゴユリは今も畑のあちこちで咲いています。
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Posted by katakago at 12:24
タカサゴユリが咲き始めました [2023年08月07日(Mon)]
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 畑でタカサゴユリが咲き始めました。種が飛散して畑のあちこちで生育しています。
 この時期、ヤマザクラの幹でセミが盛んに鳴いています。
 アブラゼミ 
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 クマゼミ
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 蓮池では花托が目立つ中、まだ花が見られます。
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 畑では、猛暑で雨も降らないなか、オミナエシをはじめミソハギ(ミソハギ科)、キキョウ、カワラナデシコなどの花が咲いています。
 オミナエシとミソハギ(写真手前)
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 キキョウ
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 カワラナデシコ
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Posted by katakago at 09:06
カノコユリが開花 [2023年07月29日(Sat)]
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 裏山に植えているカノコユリが咲き始めました。この時期のユリとしては他に、タカサゴユリが来月半ばころには咲き始めます。

 ひと月近く花を楽しませてくれている蓮池の今朝の様子(来月中旬ごろまで見られるか)。 
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 咲き終わって花托が目立つ中、まだこれから開花するものも見られます。
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Posted by katakago at 10:37
梅雨明けの植物園で [2023年07月21日(Fri)]
 梅雨明けの植物園の様子を載せておきます。
畑の数か所に植えているハマユウが一斉に咲き出しました。
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 蓮池では開花株も増え、このところ毎朝写真を撮りに来る方を見受けます。
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 畑のあちらこちらでオミナエシ(スイカズラ科)が咲いています。
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【歌】 手に取れば 袖さへにほふ をみなへし この白露に 散らまく惜しも (巻十・2115)
【口語訳】 手に取ると 袖までも染まる おみなえしが この白露に 散ったら惜しい
 オミナエシは日当たりのよい山野に自生する多年草で、黄色の小さな花が密に集まって傘状に群がり咲く(秋の七草の一つ)。「にほふ」は、その色が周辺にある物にまで反映する意で、オミナエシの鮮やかな黄色の美しさが詠まれています。当時、露は開花を促すものとも、花を散らすものとも考えられていましたが、ここは、咲いている花を傷め散らすものとして詠まれています。
 次の歌のように、をみなへしが枕詞として用いられた例もあります。
【歌】 をみなへし 佐紀沢の辺の ま葛原 いつかも繰りて 我が衣に着む (巻七・1346)
【口語訳】 (をみなへし) 佐紀沢の辺の 葛原は いつになったら手繰り寄せて わたしの衣にして着られることやら
 この歌では、をみなへしは「咲き」の意で、地名の「佐紀沢」のサキにかかる枕詞として用いられています。
 比喩歌で、表の意味は口語訳(葛を収穫して糸にし、それを織って着物にする)のようになりますが、裏の意味は、「ま葛原」を作者(男)が思っている女性に譬えて、早く成長して結婚できるようになって欲しいと解されています(井手至先生)。
Posted by katakago at 17:15
ハマユウが咲き始めました [2023年07月12日(Wed)]
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 畑に植えているハマユウ(ヒガンバナ科)が咲き始めました。
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【歌】 み熊野の 浦の浜木綿(はまゆふ) 百重(ももへ)なす 心は思へど 直(ただ)に逢はぬかも (柿本人麻呂 巻四・496)
【口語訳】 み熊野の 浦の浜木綿のように 百重にも 心では思っているが 直(じか)には逢えないものだね
 持統天皇四年(690)9月13日から24日まで紀伊行幸があり、その折の詠とみられ、四首からなる歌の最初の一首で、『万葉集釈注』によれば、人麻呂が創作して宴で披露した問答歌とみられています。ハマユウは主に暖地の海浜に生えるヒガンバナ科の多年草で、7月中旬から八月中旬にかけて白い花を咲かせます。新宮市三輪崎の孔島(くしま)にはハマユウの群生地が見られ、かつて訪れたことがあります。
 浜木綿のどのような状態によって「百重なす」の序としたかについては、犬養孝著『万葉の旅 中』によれば、「波頭のたとえ、茎が幾重、花が百重などの諸説もあるが、群落自生の実景と歌の心情の表し方を見れば、緑葉の百重としか考えられない」とあります。



Posted by katakago at 17:02
今朝の蓮池で [2023年07月08日(Sat)]
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 蓮池では開花株が増えてきました。
 蓮池の後方ではキキョウ・オミナエシ・ミソハギが咲いています。
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 万葉歌にハスの葉とサトイモの葉が詠まれた歌があります。
【歌】 蓮葉(はちすば)は かくこそあるもの 意吉麻呂(おきまろ)が 家なるものは 芋(うも)の葉にあらし (長忌寸意吉麻呂 巻十六・3826)
【口語訳】 蓮の葉とは こんなものをいうのか さては意吉麻呂の 家にあるのは 里芋の葉だな
 ハスの葉は当時食器の代用として、物を盛るのに用いられていたようです。この歌は、庭の蓮池を眼前にしての宴席で、ハスの大きな葉に食物が盛られているのを見て詠まれた戯笑歌とみられています。
 この歌の解説(『萬葉集釈注』より)は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/106
 比較のために畑で栽培しているサトイモ(サトイモ科)の葉っぱの写真を載せておきます。
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Posted by katakago at 09:38
ヤマユリ(続報) [2023年07月07日(Fri)]
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 ヤマユリは裏山の3ヶ所に植えていますが、いずれの場所でも開花が見られました。花には強い香気があります。
 ヤマユリを基に改良された園芸種はオリエンタル・ハイブリッドとよばれています(例:カサブランカ)。
 万葉集中ユリは11首詠まれています(さ百合が8首、草深百合が2首、姫百合が1首)。
百合が詠まれた例歌は、今年の記事では、ヒメサユリとササユリの記事に載せています(次のURL)。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1882
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1888

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Posted by katakago at 16:26
ヒオウギが咲き始めました [2023年07月05日(Wed)]
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 畑に植えているヒオウギ(アヤメ科)の花が咲き始めました。秋には、花後に形成された刮ハがはじけて、中から黒い球形の種子が見られます。万葉歌に詠まれている「ぬばたま」(原文は野干玉・烏玉・夜干玉などと表記)は、このヒオウギの種と考えられています。

 今春播種したヒオウギ(開花は翌年以降かと思われます)。
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 蓮池では、今朝、今年初めての花が咲きました。
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 間もなく咲きそうな蕾も見られます。
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 裏山では新たにヤマユリの別の株が咲きました。
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Posted by katakago at 13:24
ヤマユリが一輪開花 [2023年07月03日(Mon)]
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 裏山の斜面に植えているヤマユリが一輪咲きました。これから他の数株でも順次開花が見込まれます。この時期、裏山へはやぶ蚊の対策をして出かけなければなりません。

 ハスの花も間もなく咲きそうです(今週中には最初の開花が見られるか)。
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 水槽に栽培しているヒルムシロはいくつか花を付けています。
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Posted by katakago at 08:38
ハスの蕾 [2023年06月27日(Tue)]
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 蓮池では、花芽が伸びてきているのを見つけました。花は来月以降楽しめそうです。

 裏山でもアジサイの傍に植えているヤブカンゾウが咲きました。
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【歌】 忘れ草 我(あ)が下紐に 付けたれど 醜(しこ)の醜草 言(こと)にしありけり (大伴家持 巻四・727)
【口語訳】 忘れ草を 下着の紐に 着けてはみたが 阿保のあほくさ 名ばかりでした
 中国の『文選』(巻第五十三「養生論」)に、「萱草ハ憂ヲ忘レシム」とあり、当時、これを身に付けると憂苦を忘れるという漢籍に基づく俗信があり、ここでは、恋の憂いを忘れるために身に付けてみたが、忘れ草は名ばかりで、恋の苦しさを忘れさせてくれず効果がなかったと詠まれています(これは後に家持の正妻となる坂上大嬢に贈った歌)。

 畑の畦道で、コヒルガオ(ヒルガオ科)が咲いていました。
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 万葉歌の容花(かほばな)をヒルガオにあてる説があります(他にカキツバタ、オモダカ説など)。
【歌】 高円の 野辺のかほ花 面影に 見えつつ妹は 忘れかねつも (大伴家持 巻八・1630)
【口語訳】 高円の 野辺のかお花のように 面影に ちらついて見えてあなたのことは 忘れられない
 「かほ花」は集中4首詠まれており、いずれも女の容貌に擬しているところから、美しい花と考えられ、松田修著『増訂 万葉植物新考』では、ヒルガオ説が採られています。上二句は、下三句に続く比喩の序となっています(『新編日本古典文学全集 萬葉集』)。

 畑ではヒマワリも咲いています。 
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Posted by katakago at 10:28
ベニバナの花が最盛期 [2023年06月26日(Mon)]
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 ベニバナ(キク科)は万葉歌では紅(くれなゐ)と詠まれています。中国南部の呉の地方から渡来した植物の意味で「呉の藍」に由来するとされています。
【歌】 紅(くれなゐ)の 深染めの衣(きぬ) 色深く 染(し)みにしかばか 忘れかねつる (巻十一・2624)
【口語訳】 紅の 濃染(こぞ)めの衣のように 濃い色に 心に沁み込んだせいか 忘れられなくなった
 「寄物陳思歌(きぶつちんしか)」の一首で、自然の物象(この歌では紅)に託して、恋の心情を表現しようとする歌。紅は万葉集中36例あるうち、色名または染色に関わるものが多数です。
 ベニバナの色素は黄色(サフラワーイエロー)と赤色(カルタミン)の2種類があり、紅染めには赤色が用いられます。濃い紅染めには、この染液を何度も取り替えて衣を浸すことから、この歌の「深染めの衣」や、「紅の八入(やしほ)の衣(ころも)」(何度も何度も浸す)(巻十一・2623)など、染色工程を踏まえたとみられる表現があります。
 ベニバナが詠まれた万葉歌の関連記事は次のURLに載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/81
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/1134

 ヤブカンゾウ(ススキノキ科)の花が咲き始めました。万葉歌では萱草(わすれぐさ)と詠まれています。
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 ヒオウギの蕾(開花は来月中旬か)
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 キキョウの花が見頃です。
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 オミナエシとキキョウ
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 ヒルムシロ(ヒルムシロ科)の花が咲いています。
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Posted by katakago at 09:24
コオニユリが開花 [2023年06月25日(Sun)]
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 裏山のコオニユリ(花はオニユリに似るが葉腋にむかごが無い)が予想よりも早く開花しました。ユリは種類が多く、5月のオトメユリ(ヒメサユリ)、6月初めのササユリに次いでの開花です。来月以降は、7月半ばのヤマユリ、8月半ばのカノコユリやタカサゴユリが楽しめそうです。

 ヒヨドリバナ(キク科)の花が咲いていました。
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 ヒヨドリバナやサワヒヨドリにウイルス(ヒヨドリバナ葉脈黄化ウイルス)が感染すると、葉脈が黄色くなって黄葉したように見えることがありますが、この株は健全です。
 葉脈が黄色くなったサワヒヨドリの葉を見て、夏なのに早くも黄葉した(季節に先駆けて黄葉したのはめでたい事)と、万葉歌に詠まれています。
【歌】 この里は 継ぎて霜や置く 夏の野に 我が見し草は もみちたりけり (孝謙天皇 巻十九・4268)
【口語訳】 この里は 年じゅう霜が置くのだろうか 夏の野で わたしが見た草は こんなに色づいていたよ
「継ぎて霜や置く」は、当時、霜は木の葉や草を色づかせると考えられていました。
 この歌の解説は以前の記事(次のURL)に載せています。
https://blog.canpan.info/inagawamanyo/archive/52
Posted by katakago at 14:41
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