新書 ルポ タックスヘイブン 秘密文書が暴く、税逃れのリアル [2018年07月31日(Tue)]
「上位1%」の超富裕層が、世界の富の半分を独占、世界各地でその「経済格差」が叫ばれる時代―、タックスヘイブンの中をのぞきこむと、その理由の一端、大企業と富裕層だけが得をする生々しい仕組みが見えてくる。
朝日新聞ICIJ取材班 (著) 「ルポ タックスヘイブン 秘密文書が暴く、税逃れのリアル」 (朝日新書) 920円(税抜き) バミューダ諸島、マン島などタックスヘイブンに拠点をおく法律事務所から流出した秘密文書――「パラダイス文書」。 文書には富裕者、巨大企業などさまざまな人々、組織の名が含まれていた。 文書の分析から、F1王者のルイス・ハミルトン選手がジェット機購入にあたって約4.9億円もの税を逃れた実態や、世界的スポーツメーカーのナイキがロゴの商標権をタックスヘイブンにおくことで、3年間の収益約4300億円をタックスヘイブンのペーパーカンパニーに集めることで、税逃れをしていた事実などが浮かび上がった。そこには法律事務所アップルビーからの税逃れのための提案書があり、巨額の税を逃れるまでの事実を生々しく伝えている。 他にもU2のボノや歌手のマドンアなど各業界のセレブや世界各国の政治家、アップル、フェイスブックなど巨大企業の名も明るみになった。 その大量データの分析をもとに朝日新聞ICIJ取材班は、アフリカ、インド洋、香港へと訪れ、巨大企業と富裕層だけが得をする税逃れの仕組み、そのかわりに搾取される人々の存在まで取材。その生々しい現実を報告し、さらにタックスヘイブンがもたらす経済の世界的リスクを分析する。 巻末に池上彰氏解説寄稿。 目次です はじめに 【第1章】 膨大な文書の森に踏みこむ ――バミューダの法律事務所からデータが大量流出 【第2章】 影の案内人 ――法律事務所アップルビーから税逃れの提案書 【第3章】 収奪の大地 ――アフリカ鉱山の利益を搾取する巨大商社 【第4章】 強者の楽園 ――アフリカから富を吸い込む金融立国モーリシャス 【第5章】 タックスヘイブンと日本 ――パラダイス文書から浮かび上がった日本 【第6章】 グローバルジャーナリズム ――世界のメディア連携で追った金融リーク 【第7章】 タックスヘイブンの世界リスク ――租税回避地の何が問題か? <パラダイス文書アーカイブ> おわりに 解説――池上 彰 分厚いですが、お薦めです【KB】 |
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大阪手をつなぐ育成会
at 00:04