工藤 啓 (著), 西田亮介 (著)
「無業社会 働くことができない若者たちの未来」 (朝日新書)
¥ 760(税抜き)
高校や大学に通学しておらず、独身で、ふだん収入となる仕事をしていない15~39歳の「若年無業者」。
潜在数で日本に483万人とも指摘される彼らが年を取り、増え続ければ、日本の社会は成り立たなくなる。
現場を知るNPO代表と気鋭の社会学者が若年無業者2300人以上からのリアルなデータに基づき、ミクロとマクロ双方の現状認識と衝撃の未来予測、いま打つべき方策を解き明かす!
目次です。
はじめに
第1章 なぜ、いま「若年無業者」について考えるべきなのか
・メディアで報じられる「怠惰な若者たち」
・無業社会の出現
・人間関係が喪失する無業状態
・人口減少社会の希少財としての若年世代
・多くの誤解にさらされる若年無業者の実態
第2章 「働くことができない若者たち」の履歴書
<ケース1>
大卒後、超有名企業に入社も 憧れた「ビジョン」と乖離する現場で苦悩
<ケース2>
100通のお祈りメールに心を折られ、「申し訳なくて」面接を受けられない
<ケース3>
初心者歓迎のIT企業に就職も 教育なし・休み無し・突然の退職勧奨
<ケース4>
難関資格を見事取得も 面接が苦手で働けず、ひきこもり生活へ
<ケース5>
会社の都合で2度の解雇を経験。「とにかく潰れない会社で働きたい」
<ケース6>
友人と会社を設立もケンカ別れし退職。自信はあったのに再就職は失敗の連続
<ケース7>
夢も働く気もないが、人とはかかわりたい
第3章 「働くことができない若者たち」への誤解
Q1.そもそも「若者」の定義とは何か?
Q2.15歳と39歳の若年無業者に違いはあるのか?
Q3.結局、自分のやりたい仕事を選んでいるだけでは?
Q4.お金はなくても毎日自由に遊んだりしているのでは?
Q5.親のすねをかじれるから働かないのでは?
Q6.病気というよりも本人の意欲の問題では?
Q7.親やハローワークなど相談する場所はあるのでは?
Q8.彼らは自分の現状を改善しようとは思っているのか?
Q9.学歴と無業の割合は関係するのか?
Q10.なぜ、会社を辞めてしまったのか?
Q11.彼らはどのような支援を求めているのか?
第4章 「無業社会」は、なぜ生まれたか?
・若いころの苦労が美徳とされた時代
・格差社会からSNEPまで
・日本的経営と長期的雇用の合理性
・「福祉国家の危機」と「新しい社会民主主義」
・年金制度参加が大前提の日本型福祉社会
・戦後から最小限でやってきた日本の福祉
・田中角栄以降、場当たり的に発展した福祉
・フリーター、就職氷河期が少子化の原因! ?
・ようやく若者も「弱者」として認め始めた公的機関
・一度こぼれ落ちると圧倒的不利になるシステム
・人材を育てる場所がなくなった日本
第5章 「無業社会」と日本の未来
・生涯のコストギャップは一人1億5000万円
・OECDが推計した潜在若年無業者483万人
・社会とはいかにして483兆円を減らしていくか
第6章 若年無業者を支援する社会システムのあり方
・消えた「再チャレンジ担当相」のポスト
・エビデンスとしての『若年無業者白書』
・省庁の壁を越えて取り組むべき若年無業者対策
第7章 「誰もが無業になりうる社会」でNPOが果たす役割
・小さな成功事例を作る
・ミクロのデータを蓄積する
・エコシステムを作る
おわりに
どうぞ【KB】