第四の消費 つながりを生み出す社会へ [2012年09月30日(Sun)]
朝日新書の一冊 三浦展 (著)
「第四の消費 つながりを生み出す社会へ」¥ 903 毎日新聞に掲載された書評をそのまま 今週の本棚・本と人:『第四の消費』 著者・三浦展さん ◇「物」から「つながり」の時代へ−−三浦展(みうら・あつし)さん 『下流社会』『ファスト風土化する日本』……、現代社会の断面を端的に表した数々の著書で、若者を中心に熱心な読者を集めてきた。 パルコが発行するマーケティング誌『アクロス』編集長などを経て独立し13年。『アクロス』時代から一貫して、戦後の日本人の消費を研究テーマに据えている。消費という切り口で格差の拡大や少子高齢化、晩婚化などの社会現象の背景を分析し、展望を語ってきた。 本書では、すでに消費社会が第四の段階、つまり「第四の消費」に入ったことを、戦後の社会の流れを踏まえて論じた。 そもそも著者の言う「第四の消費」とは何か。第一〜第三の消費社会に続いて到来した、現在の消費をめぐる動向を指す。 第一は大都市中心に中流層が誕生した1912〜41年。第二は敗戦から高度経済成長、第1次石油ショック後の74年まで。その後の低成長期から地価高騰、バブル崩壊の末に格差が拡大していくまでを第三と位置づける。そして95〜2007年の間に第四の消費が始まった。 この変遷を<national(国家重視)→family(家族重視、家族と一体の会社重視)→individual(個人重視)→social(社会重視)>と解説する。 第四の消費が「social」とあることからわかるように「物やサービスを消費するだけでなく、消費を通じて人と知り合ったり、社会貢献したり、旅行先で交流する、というように『つながり』を重視するのが特徴」と分析する。 90年代から、フリーマーケットや古着の流行といった新たな消費の傾向を紹介してきたが、当時は「若者論」の域を出なかった。だが、彼らが年を重ねる中で脱物質主義的な価値観は拡大。一時の流行ではなく根源的な価値観の変化だ、と確信したという。 「物を買えば幸せになれる時代は終わり、物でない何によって幸せになれるかを、多くの人が考え始めた。その変化を、企業はどうしたらビジネスにつなげられるのか。マーケッターとして考えていきたい」<文・手塚さや香> 多くの資料や年表があり、 保存しておきたい一冊です。【KB】 |
Posted by
大阪手をつなぐ育成会
at 00:39