リハビリ・介護を生きる 酒井若菜・雨の日は雨の中を
ＮＨＫＥテレ　2016年10月12日（水）夜8時からの放送

人は皆、多かれ少なかれ、悩みを持っています。「悩んでいるのは自分だけ」と考え、一人で抱え込みます。そんな思いに、そっと寄り添い、背中を押してくれる女優、酒井若菜さん（36歳）。ブログを始め、エッセー集や小説を出版するなど、酒井さんは“書くこと”で、表現、発信し続けています。
「晴れの日ばかりではない。また雨が降っても、自慢の傘と長靴を携えて、水たまりで遊ぶんだ」

16歳でデビューし、一躍グラビアアイドルへ。そして夢だった女優業を本格的に始動。ドラマや映画、CMなど高い演技力で評価されました。しかし、2005年、体調不良から、主演舞台を降板しました。そして去年、連続テレビ小説「マッサン」出演中に、全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られ、膠原病と診断されます。指示された動きも困難で、「このまま女優業をやっていくのは難しいかも」と引退を考えたといいます。幸いリウマチは治療を受けて今はほとんど痛みはないものの、病と付き合って生きていかねばなりません。
酒井さんは思春期から孤独な少女だったといいます。高校生の頃は居場所が見出せず、独りでひたすら読書にふけりました。ある時、テレビを見て久しぶりに思わず声を上げて笑ったら、隣で母が泣いたこともあったといいます。 酒井さんは言います。
「私もちゃんと病めるということは、誰かのことを支えたり、寄り添える権利を持っているという事かも知れない」
「心を痛めることができる人にしか、心を痛めた人を救えない」
酒井さんが紡いだ文章には、冷え切った心に届く、あったかい言葉がたくさんあります。そんな言葉に心を傾けてみます。

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