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新書 トラウマ [2013年04月08日(Mon)]
複雑な「心の傷」を、やさしく多角的にとらえなおす。
早くも今年一番のおすすめ書かもしれません。

トラウマを言葉にしてしまうと、どんな痛みも苦しみも、さらっと読み流せてしまいます。また、トラウマから学べることを言語化すると、こんなに単純なことなのかと思うこともあります。優しさや弱さ、柔軟性や寛容性、多様性を重視すること。人がただ生きてあることに価値があるということ。誰かのそばにたたずみ続けることに意義があるということ……。言葉にすると、あまりに当たり前で、言い古されたことのようで、薄っぺらに聞こえてしまいます。学生に「結論は、それですかぁ」とがっかりされることもしばしばあります。
それでも自分が傷ついた時や、周りに傷を抱えた人がいる時、社会が傷に満ちている時、その単純なことが実感を伴って、生きていく力や社会や文化を作っていく支えになりうるのだろうと思います。
トラウマについて明るく語れるようになるといい、とある人に言われたことがあります。まだまだそこまでの境地には至れませんが、本書から、トラウマの重さが伝わるだけでなく、そこにある希望や豊かさも伝わればいいなと願っています。(「あとがき」より)

宮地 尚子 (著)
「トラウマ」 (岩波新書) ¥ 882

詳しい目次を記載します。

はじめに
本書の構成/「心のケア」について

第1章 トラウマとは何か
1 トラウマという概念
心の傷と三要素/トラウマ体験/トラウマ体験の分類/事件の最中と直後の反応
2 トラウマ反応とPTSD
PTSD/PTSDの四症状群/回復の障害/PTSD以外の反応や症状/解離/喪失・悲嘆
3 何がトラウマで、何がトラウマでないか
線引き問題/トラウマのメカニズムの解明と「心のモデル」の問い直し
4 なぜトラウマか
拷問/いじめ

第2章 傷を抱えて生きる
1 埋もれていくトラウマ
〈環状島〉というモデル/震災とトラウマ/孤独に抗う/語られにくいトラウマ/秘密にするということ/語られないトラウマはどうなるか
2 子どものトラウマ
子どもへの虐待/アタッチメントの問題/虐待の長期的影響
3 恥と罪の意識
依存症/自傷/サバイバーギルト

第3章 傷ついた人のそばにたたずむ
1 そばにいるということ 
自分自身の傷つき/代理外傷や燃え尽き/当事者との関係の変化や葛藤/ただそばにいることの難しさ/傍観者
2 トラウマ治療の実際
トラウマ臨床と専門家の役割/精神医療におけるトラウマの位置/効果的な治療?/医療現場におけるトラウマ/緩和ケアや緩和医療/治療共同体や自助グループ/どんなことが行なわれているか
3 トラウマを負った人にどう接するか
「語られないこと」を聞くことはできるか/聞く力

第4章 ジェンダーやセクシュアリティの視点
1 ドメスティック・バイオレンス(DV)
DVの実態/支配―被支配の構造/なぜ問題にされずにきたのか/加害者の「病理」/DVの子どもへの影響/デートDV
2 性暴力
一番遅れている対策/性暴力のPTSD発症率はなぜ高いのか/性暴力被害はなぜ理解されにくいのか/身体的暴力が伴わない場合/法の問題点/加害者が知人である場合/疑似恐怖/疑似恐怖と二次被害/恋愛の中の性的傷つき/男性、男児の性被害/子どもへの面接システムの確立/ワンストップセンター
3 ジェンダー視点の可能性
ジェンダーとトラウマ/PTSDの性差の研究/トラウマ反応の性差の生物学的な研究/社会文化的な性差/ジェンダー・センシティブに/ジェンダーの可塑性

第5章 社会に傷を開く
1 マイノリティとトラウマ
マイノリティであるということ/自己の尊厳を奪われて/二重の差別/マイノリティと狭義のトラウマ体験/トラウマに「慣れる」ことはない
2 「加害」を可能にするものと「正しさ」について
意図しない場合/暴力や支配を容易にするもの/正当化の理由/命令と実行の分離/正しさのもつ危険性/開き直りの正当化
3 グローバル社会の中で
グローバル・メンタルヘルスとトラウマ/紛争と難民/トラウマやPTSDへの文化的・社会的批判/生活文化の中の治療的要素/精神医療の底上げ/グローバル文化の変容とトラウマ/そして日本は?/沖縄戦とトラウマ/トラウマと集団との関係/不在のものを見る

第6章 トラウマを耕す
1 トラウマから学べること
耕すということ/人間の弱さと不完全さ/創造力の源泉/アートは何ができるのか?/修復的アート/現代史の生き証人
2 トラウマを昇華させる
解離とアート/アートと社会的メッセージ/秘密のアート/詩の言葉/文学の力/映画で追体験/フォトジャーナリズム/マンガの創造性/闇を見つめる/プロセスの重要性
あとがき
主要引用・参考文献

お薦めします。【KB】
Posted by 大阪手をつなぐ育成会 at 10:43
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