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食べないけれど満腹感が味わえる本 [2011年09月18日(Sun)]
編集者からのことばが気になる。
本書の著者である江さんに初めてお会いしたときも申し上げたが、東京から新幹線に乗って大阪に降り立つと、とても緊張するのである。同じ国であってないような、パリやニューヨークに行ったときよりも(NYに行ったことはないが)よほど緊張する。それはおそらく「情報」の街に慣らされた身体が、「人間」の街に来たことの反応なのだろう。大阪駅の立ち食いうどん屋のおじちゃんの「まいどおおきに、きいつけて〜」という掛け声は、東京のそれとは明らかに違う。そうした「大阪的なるもの」の本質を語らせたら、やはり江さんの取材と遊びの経験の右に出るものはいないと思う。「実名的存在」である自分と「匿名的存在」である自分をともに受け入れてくれ、「一見さんお断り」ではないけれど「馴染み感」があるという成熟された「街場感覚」が、そのハードボイルドな筆致から滲み出てくる。だから、本書片手に食べ歩き、というよりも、本書を読み切ったという感触だけを身体を残したまま、大阪の街をさまよい歩いていだだきたいと願うところである。(NHK出版 高井健太郎)

江 弘毅 (著)「うまいもん屋」からの大阪論
(NHK出版新書)¥819

読書案内はこうだ。・・・仕事帰りのビジネスマンでにぎわうキタの串カツ屋、カウンター越しのライブ感を味わうミナミの割烹、芦屋の「大阪より大阪らしい」うどん屋。地元の常連と料理人のやり取りや、店のたたずまいから見えてくるもの。「うまいもん屋」を訪ねれば、その「街」のすべてがわかる―ナニワの名物編集者・江弘毅による、極上の「街場論」。

そして、目次
第一章 ミナミ――最も大阪らしい「街場」と「うまいもん」のスタイル
第二章 キタ――大ターミナルと北新地の「大阪的」
第三章 船場――店に見る「船場らしさ」
第四章 大阪24区――「駅ごとに違う街」の違い方
第五章 北摂、芦屋――大阪が作った郊外と大阪人DNA
第六章 京都――「独特」に凄む「京都らしさ」
第七章 神戸――「港町人」気風の開かれ方と軽やかさ

著者の江弘毅さんは、岸和田生まれ。
『ミーツ・リージョナル』を創刊、12年間編集長を務めた。
現在は『大阪人』の編集者。
食べないけれど満腹感が味わえる活字本だ。【KB】
Posted by 大阪手をつなぐ育成会 at 17:04
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