人はなぜ他人を助けるのか? [2011年12月31日(Sat)]
今年の締めくくりはこの1冊。
小田亮 (著) 「利他学」 (新潮選書) ¥ 1,260 「自分の遺伝子を後世に残すこと」が生物の 最大の目的ならば、なぜ人は赤の他人を助けるのか? なぜ自分が損をしてまで、 震災の被災者に物資や義援金を贈るのか? 「情けは人の為ならず」という言葉と「進化」との関わりは? 生物学、心理学、経済学、哲学などの研究成果もまじえ、 人間行動進化学がヒトの不可思議な特性を解明する! 多くのデーターや実験で楽しく読めました。 目次です。 まえがき 第一章 なぜ人間はかくも利他的なのか 四つの「なぜ」/「しくみ」と「機能」の関係/自然淘汰と適応/複雑な器官は進化によってできるのか?/心や行動も進化する/進化的適応環境/なぜ自分に損な行動をするのか?/血縁個体への利他行動/血縁度とハミルトンの法則/赤の他人への利他行動/情けは人の為ならず/マルチレベル淘汰 第二章 何が利他行動を起こさせるのか 利他性をどうやって測るのか?/「目」があると利他的になる?/ロボットの「目」/実験室の外ではどうなる?/なぜ目があると利他的になるのか?/「強い互恵性」による罰/分配者の心理を調べる/分配者は目の絵をどう感じたのか?/鏡と利他性/モテたいから気前よくする?/実験は現実の再現なのか?/共有された社会的責任 第三章 なぜ利他行動が維持されるのか 裏切り者を探せ/裏切り者検知のメカニズム/利他主義者の検知/検知メカニズム間の関係/人は見た目で分かるのか?/利他主義の程度は外見から分かる/利他主義者は外見だけで信頼される/利他主義者はよく記憶されるのか?/なぜアメよりもムチなのか?/利他行動と感情/人は誰に対して同情するのか?/感謝と間接互恵性/「逆行的互恵性」の進化 第四章 「やり手」と「受け手」のダイナミクス 印象の違いを探る/何が違いを生み出しているのか?/信号の進化/微笑みは正直な信号/日本人の場合は?/コストがかかる信号は信頼される/利他行動のコストは重要か?/進化的軍拡競争/知能の進化/言語という信号/擬態としての利他性/言語と評判 第五章 利他性はどこから来たのか サルでもできる利他行動?/頼まれれば助けるチンパンジー/おせっかいなサル/共同繁殖と利他性/ヒトの生活史と利他性/複雑な食物獲得と分配/長い成長期間と寿命/介護の誕生/学習と文化/文化というユニフォーム 第六章 利他性はどこへ行くのか 日常生活のなかでの利他性/利他行動の背後にある要因を分ける/利他主義のニッチ/親切さには何が影響しているのか?/なぜ見られていなくても利他行動をするのか?/一五〇人のための脳?/なぜ他人に親切にしなければならないのか?/オデュッセウスの鎖/規範から制度へ/制度と進化した心/災害時に出現するユートピア あとがき 参考文献 良いお歳を!!!【KB】 |
Posted by
大阪手をつなぐ育成会
at 08:25