安倍晋三元総理の三回忌の今? [2024年07月09日(Tue)]
7月8日!
−私的憂国の書−さんから転記 凶弾に斃れた安倍晋三元総理の三回忌にあたる。 2022年の、いまだに悪夢としか思えない“7.8奈良事変”から2年。振り返れば、安倍氏の不在により、日本の政治の劣化、ことさら自民党の劣化ばかりが進行した2年だったように思う。 安倍総理に最も近かったジャーナリストのうちの1人、産経新聞の阿比留瑠比氏がYouTube番組で、こんなエピソードを明かしたことがある。 かつて安倍さんがG7の席で、専門地域的には全然ヨーロッパに近い中東情勢について話したら、フランスの大統領がいきなりメモを取り始めたってことがあったって、外務所の幹部は驚きながら私に話してたことありましたけど。こんなの初めて見たと。 自身の発信がこれほどまでに国際社会に影響を及ぼした日本の宰相はいないし、断言はできないが、今後も出ないだろうと思う。 安倍晋三という政治家の不在は何を証明したか。 いくつもある。先ず、その筆頭として挙げられるのは、安倍氏を裏切って恬として恥じない自称保守政治家、自称安倍側近の露呈だ。安倍氏の薫陶を受けたはずの稲田朋美、新藤義孝、古屋圭司らに代表される政治家のLGBT法推進は、時の権力者におもねる政治家の素性をあらわにし、特に稲田に関しては「反対なら反対と言って欲しかった」という、複数の人たちから「明らかな嘘」と指摘されている嘘を流布し、裏切者の筆頭とされた。 先に挙げた稲田を含む3名以外にも、当時政調会長だった萩生田公一も、法案を止められる立場に居ながら、結果的に法案を素通りさせた。 「安倍さんがいなくなってから、自民党は変わってしまった」という言説はよく聞く。 証明されたもうひとつの事実は、あの安倍政権時の自民党は「安倍氏一人で維持していた」ということ。 そうでなければこの2年の急激な劣化は説明できないのだ。 あるいは、軸がぶれた、内向きの、世論や左派への迎合傾向が強い今の自民党こそ、自民党という政党の本質的な姿であるということだ。 安倍氏への信頼が篤かったが故、安倍晋三という政治家が戦後レジームを死守しようとする勢力に敢然と戦いを挑み、すべてではないにせよ、多くの局面で勝利したが故、今の自民党への落胆は大きい。 自民党は9月に総裁選を迎えるが、噂される次期総理候補が、旧派閥の力関係や、キングメーカー同士の党内抗争とか、内輪の論理で決められていくとしたら、自民党の信頼失墜は止まらない。 安倍氏の不在を2年に渡って経験した自民党は、信頼回復のために何が必要かを理解してないように思われる。 有権者は既に声を出して求めている。それに気づかないなら、彼らは確実に、失速を続ける。 |