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書籍紹介―「元気になる会議〜ホワイトボードミーティングの進め方」 [2011年10月12日(Wed)]

皆さん、こんにちは。生きサポスタッフの七島です。

先日、「市民交流センター東淀川」で開催された
ちょんせいこさん講師の
「元気になる会議〜ホワイトボード・ミーティングのすすめ方」
行ってきました〜。

ちょんさんは「人まちファシリテーション工房」の代表をされており
障がい者の作業所職員、NPO職員を経て現在はファシリテーターとして
ホワイトボード・ミーティングを提唱し、
主に会議や研修、事業推進におけるファシリテーター養成に
取り組んでいらっしゃいます。

ファシリテーターとはなんぞやはてなと思われる方もいらっしゃるかと
思いますが、これについてはまた別の日に。
今回は「ホワイトボード」を使って元気になる会議の進め方について
ご紹介したいと思います。

当日は全体で30名ほどの参加、キャンセル待ちもあったようです。
それだけ「元気ではない会議」に悩まされている方が多いという事はてな困ったびっくり

さて。皆さん、これまで一体何度の会議に参加されてきましたか?
そして、その中で活発な意見交換ができ、議論が白熱し、
心からやってよかったと思えた会議は何回あったでしょうか。

この講座に参加されている方からも
「ただなんとなく会議をやっている」汗
「せっかく集まっても意見がでない」
汗
などなど消極的な声が多くあがっていました。

私自身も
「知識や経験が豊富な人が集まった会議でしか
理想型の会議はできないだろうなあ」
と思っていましたが

しかし、どうやら違うようです。

要は「会議の進め方のスキル」を身につけると、
会議に参加する人の温度も上がり
会議も実りあるものになるというのです。

ではそのスキルとは一体何か?

【環境】
・ホワイトボードを準備→誰がみてもすぐわかる
・体を向け合って意見がいいやすい机とイスの配置→会場デザインの工夫
・アイスブレイクの実施
【進め方】
・黙っている人も「発言してよかった」体験を積み重ねる
・みんなの前では言えない意見もまずは二人同士からはじめると意見が出始める
・時間どおり始め時間どおり終わる
【ホワイトボードに書くこと】
・ミッションを明確にする
・発散→収束→活用のパートにわけて進行する

などなど、ほんのちょっとした所に気をつけて
工夫することで
会議は驚くほど変わる星

そんな新たな発見ができた講座になりました。

今日、ご紹介したのはほんの一部ですが
詳しくは、ちょんさん著

「元気になる会議〜ホワイトボードミーティングの進め方」
解放出版社




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書籍紹介―「国をつくるという仕事」 [2011年09月12日(Mon)]

 生きがいしごとサポートセンター播磨東の李です。
 皆さんは「世界銀行」が何をしている銀行かご存知でしょうか。
 私もこの本に出会うまで、その名前すら知りませんでした。

 「国をつくるという仕事」(西水美恵子/英治出版)

世界銀行 
 著者の西水美恵子さんは元世界銀行副総裁。
 彼女が世界銀行に転職を決めた時、当時のチェネリー副総裁から、世界銀行について、次のように説明を受けた。
 「世銀の使命は、貧困のない世界をつくること。この使命を背負う仕事の究極は、正義の味方になることだ。政治力のない貧民のために正しいことを正しく行う、勇気あるリーダーたちの味方になる。この精神を本気で貫かないと、世界一流の知識や技術の提供が無駄なる。融資は途上国の借金を増やし、国民を苦しめるだけに終わる」 
 発展途上国に融資を行い、貧困をなくす。そのために「正義の味方」になる。

本物のリーダーシップ
 
この本は著者が世界銀行在任中に出会った各国のリーダーたちを語った本である。
 「国づくりは人づくり、その人づくりの要は、人間誰にでもあるリーダーシップ精神を引き出し、開花することに尽きると思う。未来の社長や首相を発掘せよなどというのではない。育児や家事に勤しんでも、家庭の外に出てどのような職に就いても、リーダーの仕事には夢と情熱がある。頭とハートがつながっているから、為すことが光る。心に訴えるものがあるから、まわりの人々にやる気と勇気をもたらす」
 世間でいう「リーダーシップ論」とは違う。本物のリーダーシップが語られている。

ブータン国王
 この本の中で私が印象に残ったリーダーがいる。
 ブータン国王、ジグミ・シンゲ・ワンチュク雷龍王。
 今、中東では独裁政権を打倒し、民主化を実現しようという動きが広がっているが、ブータンでは1998年、国王自らの動議で、国王の権限を縮小する法案を提起した。国王を慕う国民や議会からは逆に反対論が出た。
 「国王のリーダーシップを讃え反対する議員には『確率は半々、悪王だったらどうする』。皇太子も立派だから心配ないとの反論に『親として礼を言うが、皇太子のよしあしも確率五割、国運を担うリスク管理ではない』」
 「01年秋、最高裁長官を議長とする憲法起草委員会が発足。『何も指示しないから楽』とうれしそうだった国王だが、初草稿は『国王のために書くな、民のために書け』と落雷、突っ返した」


ナディア

 著者がこの仕事を成し遂げる上で、常に視点となっていたのはエジプト、カイロ郊外の「死人の町」で、病気のため今まさに死なんとする幼女と出会い、何の医療の手当ても受けることなく、腕の中で息を引き取った「ナディア」の視点である。
 「誰の神様でもいいから、ぶん殴りたかった。
天を仰いで、まわりを見回した途端、ナディアを殺した化け物を見た。
きらびやかな都会がそこにある。
最先端をいく技術と、優秀な才能と、膨大な富が溢れる都会がある。
でも私の腕の中には、命尽きたナディアが眠る。
悪統治。
民の苦しみなど気にもかけない為政者の仕業と、直感した」

 この本を読むたびに熱いものが込み上げてくる。

書籍紹介―「コミュニティデザイン」人がつながるしくみをつくる   [2011年09月05日(Mon)]

こんにちは!生きがいしごとサポートセンター播磨東の七島です。

8月27日(土)明石市生涯学習センターと明石高専主催「あかし楽講座」の「まちを楽しくするコミュニティ・デザイン」へ行ってきました!

講師はstudioL(http://www.studio-l.org/)代表の山崎亮さん。

地域の課題を地域に住む人たちが解決するためのコミュニティデザイン、まちづくりのワークショップや住民参加型の総合計画づくりなどに携わっておられます。最近ではその活動がTV番組「情熱大陸」でも取り上げられるなど今「話題」の方です。

今回は、そんな山崎さんの著書をご紹介します。

■「コミュニティデザイン」人がつながるしくみをつくる  
山崎亮 著 学芸出版社



★コミュ二ティデザインとは

・人口減少、少子高齢化など社会的な課題を美と共感の力で解決する。そのために重要なのは課題に直面している本人たちが力をあわせること。そのきっかけをつくりだすのがコミュニティデザインの仕事。


★コミュニティデザインを考えていく中で、大切なこと

・課題をみつけたらすぐに企画書を書き、何度も何度も書き直す。

・まちづくりでもっとも重要なことはコミュニケーション能力。見ず知らずの土地に突然入っていって、抜群の笑顔とコミュニケーション能力でまちの人たちと会話し、そのまちの課題を聞き出してくる。

・プロジェクトを始める際のヒアリングはとても重要。例えば住民参加で町の計画をつくるにあたっては、住民のヒアリングから始め、この町にどんな人が住んでいて、どんなことを考えているのかを知ると同時にそういう人たちと知り合いになって、ワークショップに出てきてもらう。

・地域の方とつながりを構築する手順で、目の前の相手と関係性を構築するのが困難な場合は、いちど回り道をする時間が必要。当事者以外の意見を聞き、冷静に判断をしてみると、次へ進む道筋がはっきり見えてくることもある。

・そのまちに自分たちと同じような感覚を持った人たちを見つけ、その人たちと活動の醍醐味を共有し、持続的に活動する主体を新たに形成することが大切。


★状況はまだまだ好転させられる

・日本社会はこの50年間に無縁社会化がどんどん進んでいる。人がつながるしくみをつくることの魅力を感じ取ってもらいたい。

・民間企業がまちのためにできることは、CSRとして社会的な事業に資金を提供することだけではなくまちが企業を支えるような良好な関係を生み出すことが肝要。そのことによってその企業が「まちにとって無くてはならない存在」に。

・行政と市民とが本気で協働しなければ、目の前にある課題を乗り越えることができないのは明確。教育も福祉も産業振興も限界集落も行政だけで解決できた時期はとっくに過ぎている。だからこそ住民との協働が不可欠。


★モノやお金に価値を見出せない時代に何を求めるのか

・公共空間のデザインは「至れり尽くせり」にするのではなく、生活者がどんどん関わることのできるような空間をデザインする。

・住民が楽しみながら、プロジェクトを遂行し、それが公益的なメリットとしてその他の住民に還元される。本人たちのモチベーションは楽しいプロジェクトと信頼できる仲間の存在によって高められているに違いない。


☆ここに注目!!

地域の人間関係を観察し、地域資源を見つけ出し、課題の構成を読み取り何をどう組み合わせれば地域に住む人たち自身が課題を乗り越えるような力を発揮するようになるのか、それをどう持続させていけばいいのかを考える。


☆所感

本を読むにつれて、まるで自分もそのプロジェクトに参加したような気持ちになりました。それは、山崎さんの関わる「地域活性化」や「まちづくり」のプロジェクトには、地域に住むひとりひとりに、大切な役割があり、それぞれが地域の主人公であるという山崎さんの熱い想いが流れているからだと思います。     

これらの活動をどれも自然に且つ楽しくやっていらっしゃる山崎さんの姿勢、様々な視点からの問題意識、全国を飛び回る行動力、地域の人と同じ目線にたって話を聞くコミュニケーション力が、もっともっと必要だという事を実感しました。読み返す度に多くの気づきを与えてくれる本・・・になりそうです。
書籍紹介―「社会貢献でメシを食う」 [2011年09月05日(Mon)]

みなさん、こんにちは!スタッフの柏木です。

今週から、ブログカテゴリーに新しく「おすすめBOOK」が加わりました!

今後毎週、生きサポ播磨東スタッフが、
ソーシャル・ビジネスやコミュニティ・ビジネス、NPOに携わる、関心のある方に、
おすすめの書籍や講座のレポートなどをお届けしていきます。

スタッフ一同、頑張ってレポートしていきますので、
ぜひ、参考にしてみてください☆


さて、今回ご紹介する本は、米倉誠一郎 監修 竹井善昭 著、
「社会貢献でメシを食う だから、僕らはプロフェッショナルをめざす」です。


マーケティングプランナーとして活躍していながら、
50歳を越えてから社会貢献活動に目覚め、
本業もCSRやソーシャルビジネスに特化するようになった著者が、
「社会貢献を仕事にする方法」を記したものです。


以下、はじめの部分を簡単にご紹介します。


序文 なぜいま、ソーシャル・イノベーションなのか?

いま、問題意識の高い若者のたちの間で、
ソーシャル・ビジネス、ソーシャル・ベンチャーあるいは
ソーシャル・イノベーションといった言葉が強い関心と共感をもって広まっています。
この現象は一瞬のブームではなく、各国における社会的課題に対する財政負担の急増と、
財政難からくる大きな歴史的必然に基づいた社会的要請だといえます。

従来政府や国際機関が税金や補助金を使ってやってきた社会問題の解決を、
資本主義のダイナミズムを利用して革新的かつ効率的に行うことが、
ソーシャル・ビジネスには本質として求められています。

公的事業を民間の力でするということは、普通のビジネス以上に難しい挑戦であり、
そこに挑戦してみたいというならば、
普通の会社に入っても普通以上のことを成し遂げることができるような
“圧倒的なビジネス能力”が必要です。

そこで、キーワードとなるのが、
プロフェッショル
ダイバーシティ(多様性)
ビッグ・ピクチャー
です。

この3点が、これからのソーシャル・ビジネスでは重要となってきます。


第1章 社会貢献を仕事にする

社会貢献に関する古くて間違った常識のひとつに、「自己犠牲」という考え方があります。
これこそが、日本の社会セクターの成長を阻害してきた最大の問題点といえます。
自己犠牲は、世界の悲惨な状況におかれた人たちと共感しあうことはできます。
しかし、共有したいのは絶望ではなく、“希望”です。
世界中の「何か困っている人たち」の希望に、ほんの少しでも役に立てたとしたら、
役立てた自分自身にも希望を抱くことができるようになります。
誰かの役に立てるような人間になることが、希望の原点です。

だから、社会貢献は自己犠牲ではなく、“自己実現”なのです。

もうひとつ間違った常識として、
「社会貢献はビジネスで成功して金持ちになってからやるべきだ」というものがあります。
成功には終わりがなく、ビジネスで成功することを待っていたら、
いつまで経っても社会貢献はできません。
だからこそ、社会貢献はできるときにすぐにやるべきだと著者はいいます。
また、社会貢献は、いつでも緊急出動でスピード勝負なのです。

成功してから「社会貢献」という考え方はもう古く、
いまは、「社会貢献で成功する」時代といえます。


社会貢献でメシを食うには、いくつかの道があります。
自分で会社やNPOを立ち上げ、社会起業家になる道、
NPOやNGOに就職する、
企業に就職してCSR部に配属されるか
マーケティングや営業企画の部署に配属されることを狙う、
ソーシャル・ビジネスを展開している企業に就職する、
CSRコンサルタントをめざす、
金融企業に入ってSRI(社会責任投資)関係の仕事に携わる
など、様々な道が考えられます。

さらに、直接社会貢献でメシを食うワケではないですが、
最近ではプロボノという自分の専門性を活かすボランティア活動の方法もあり、
仕事と密接に関係する活動方法なので、
仕事と同様の充実感や達成感を得ることができます。

以上のような、社会貢献を仕事にする道(方法)を整理すると、
わかりやすく4つに分類することができます。

個人の力を活かして、社会セクターで自ら事業を立ち上げたいなら
1.社会起業家

組織の力を活かして、社会セクターで仕事をしたい人は
2.NPO/NGOへ就職

組織の力を活かすと同時に、資本主義のダイナミズムを活かしたビジネス経験をしたいなら
3.企業に就職

企業に就職して仕事を続けながら、
業務で培ってきたビジネス・スキルを社会セクターで役立てたいなら
4.プロボノ

第2章以降では、以上の4つの分野それぞれの、
仕事や社会貢献との関わり方や事例が詳しく紹介されています。 

社会貢献を志す若者に向けて書かれた本ですが、
現在のソーシャル・ビジネスを取り巻く環境の変化が、
とてもわかりやすく書かれているので、
団体を運営されている方にもおすすめです。

みなさんもぜひ一度、読んでみてください☆