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「山笑い」を見学してきました [2011年08月31日(Wed)]
8月27日・28日の2日間、白山市の木滑という集落で保全活動を行う団体「木滑里山保全プロジェクト」によるイベント「山笑い」が開催されました。このイベントでは
いきものマイスターでは、この「山笑い」の見学をしてきましたので、ここで報告します。


木滑という地区は、金沢市の中心部から車で約1時間の距離にあり、手取川と高倉山に挟まれた白山の麓の集落です。木滑には、珠洲からおよそ3時間以上かけて到着しました。


まずは地元のお母さんによる指導の元、笹寿司作りの体験から始めます。笹寿司は押し寿司の一種で、白山山麓や能登地方では祭りに欠かせない食べ物とされています。作り方は実にシンプルで、ご飯、生姜、桜海老、魚の切り身、紺海苔などを順番に並べ、笹で包みます。これを木箱に入れて石を重しにして、約6時間ほど寝かせておきます。交通の便利な現在と違い、海産物が貴重だったかつては、こうした保存食の技術が必要だったといいます。この笹寿司は、木滑地区の秋祭りの時期に各家庭で作られています。


笹寿司作り体験の次は、地元の区長さんの案内の元、木滑神社を始めとした、集落内を見学します。木滑神社には、仏御前の安産石と呼ばれる石があります。平清盛の子を身籠った仏御前が故郷で出産しようと原町(現在の小松市)を目指す途上の木滑で産気づき、その時に寄り添った石が、現在では安産のご利益がある霊験あらたかなる石、として仏御前の安産石として木滑神社に祀られています。

次に案内して頂いたのは、木滑なめこ生産組合の作業場です。ここで作られる「でけぇなめこ」は通常のなめこの数倍の大きさを誇ります。通常はお祝いの引き出物や贈答品などの品として出回り、市場には出回らないという一品です。
勿論、一般市場向けのナメコも生産されています。話では県内のスーパーに流通しているとのこと、私達も知らないうちに食べているかもしれませんね。


集落内の見学をした後は、いよいよ山笑いのメイン会場ともいえる、釜の上へと突入です。この釜の上は、かつては棚田の広がる土地でしたが、今では随分と荒れてしまいました。急斜面の上という行き来の大変な立地条件に加え、地域住民の高齢化という現状が、釜の上の農地から人を遠ざけてしまったのだといいます。
しかし今では木滑保全プロジェクトによる無農薬無肥料の水田として、更には放牧地として活用されています。そして、この日は地域を挙げての「山笑い」、常に人で溢れ返っています。




会場では、岩魚やカレーが振舞われています。先ほど紹介したなめこも販売されていました。
釜の上の広場には特設のステージが設けられ、この2日間はライブ会場となります。会場ではジャズからカポエラの実演まで、多彩なステージが繰り広げられました。


山笑いのイベント自体は翌日の日曜日まで続きますが、いきものマイスターのスケジュールはこれで終了です。名残惜しみながら木滑を後にします。交通の便が悪く、しかし周囲には里山に溢れた奥能登にいると、つい奥能登の里山にばかり目を向けてしまい、他地域の里山へはなかなか出かけないものですが、今回のように、遠方の里山を訪問すること学ぶことが多いものだと実感しました。
木滑里山保全プロジェクトのスタッフの皆様、ありがとうございました。