飯田小学校の親子会 [2012年10月06日(Sat)]
2012年10月6日(土)、珠洲市の飯田小学校3年生の親子が、親子会の為に、いきものマイスターの拠点である里山里海自然学校へ来てくれました。いきものマイスタースタッフの赤石と、筆者である野村が、親子会の案内を務めさせて頂きました。
参加してくれた親子は、全部で40人です。キノコ採り班と虫採り班の2班に分かれて、自然学校が管理する保全林を散策して貰います。キノコ班は赤石が、虫採り班は筆者が担当しました。キノコ班の赤石は、受講生の1人に作って貰ったばかりのキノコ帽子をかぶって登場しました。キノコ博士ということで、博士らしい帽子までついているという、懲りようです。尚、この帽子は正式にはモルタルボードというそうです。 虫採り班、キノコ班共に自然学校を出発し、保全林まで約10分ほどかけて歩きます。勿論、面白そうなものを見つけたら立ち止まって、みんなで観察です。 虫採り班は、保全林に隣接する溜め池で水の生き物探しをしました。自然学校周辺には大小様々な溜め池や沼地が多く、保全林への途上にも4つの小さな池がありましたが、今年の雨不足の為に水位が大変低く、そのうち1つは干上がる寸前でした。農家の人達は水の確保に敏感な為、今年の夏頃からよく水が少ないと心配そうに話していましたが、普通に生活していると、やはり雨不足を実感する機会は少ないらしく、池の水の少なさに子供達は驚いているようでした。 目的地の溜め池も水が減少して浅瀬が露出してしまいましたが、何とか網で掬って生き物を探すことは出来そうです。しかし浅瀬は水が引いたものの泥深く、油断して入ると足を取られてしまいます。虫採り班の親子には注意して貰いながら、みんなで溜め池と、溜め池周りの水路やためますをたも網で掬ってみると、ツチカエルやメダカ、ヒメゲンゴロウ、ヒメガムシなどの生き物が沢山網に入りました。メダカは現在、日本全国で減少していますが、奥能登では溜め池や河川などでしばしば見られます。この溜め池には普通に棲んでいるようでした。 水生昆虫としては、溜め池や水田に多いヒメゲンゴロウやヒメガムシなどが多く見られました。ヒメゲンゴロウやヒメガムシは体長10〜12mm程度の水生昆虫です。カブトムシと同じコウチュウ目に属していて、背中は硬い甲羅状の翅(はね)で覆われています。夏には水田で多く見られますが、水田に水がない秋以降は、溜め池に集まっているようです。非常に多く見られました。 このヒメゲンゴロウやヒメガムシを手に乗せて暫く眺めていると、翅を開いて飛んで行きます。水生昆虫の多くはこうして、水田や溜め池などの水域間を飛んで行き来しているのです。水の生き物が飛べることを知らない児童も多く、子供達は自分も飛ばせてみたいと興味津々の様子でした。 虫採りを終えた児童からは、時期によって見られる生き物の違いなど、水の生き物について色々と質問がありました。子供達には、とても楽しんで貰えたようです。 キノコ班は、保全林で沢山のキノコを持ち帰りました。殆どは食べられないキノコだったようですが、持ち帰ったキノコのうち食用になるオオクロニガイグチ、ヌメリイグチ、ヤマドリタケモドキ、セイタカイグチの4種は参加者で食べてみました。お昼には、お母さん達が腕を奮ってくれた昼食をみんなで美味しく頂き、解散です。参加してくれた児童には、今日見たカエルについておさらいして貰う為に、いきものマイスターが制作した「能登のいきもの大図鑑2 能登のカエル編」を持ち帰って貰いました。 最後に、お母さん達が腕を奮った昼食を美味しく頂いて、解散です。3時間程度の短いスケジュールでしたが、親子で一緒に自然に親しんで貰うことで、能登の里山に棲む身近な生き物と里山との関わりを実感して貰えたのではないでしょうか。飯田小学校の児童達には、また遊びに来て貰いたいと思います。 |