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9月29日たこすかし体験 [2012年10月03日(Wed)]
2012年9月29日(土)、いきものマイスターの講義として、能登の伝統漁法「たこすかし」体験を行いました。「すかす」とは能登の方言で騙すことを意味します。竿の先につけた疑似餌で誘い出したタコを鉤爪で引っ掻けて採る方法にちなんで、「たこすかし」と呼ばれています。能登ではタコが産卵や餌採りの為に海岸近くに出現するようになる、9月から10月にかけて行われており、それに合わせていきものマイスターでもたこすかし体験を行ってきました。今年度で3回目になります。尚、過去の講義についてはこちらこちらをご覧下さい。

今回の講義を案内して下さったのは、いきものマイスター1期生の大瀧信男さんです。大瀧さんは幼い頃に地元で能登の伝統漁法である「タコすかし」による体験観光を通じて、能登の海についてもっと伝えたいと考え、平成5年からこの体験案内を開始しました。その後たこすかしは、漫画「釣りキチ三平」で取り上げられ、またテレビでも紹介されるようになり、現在では県外からも多くの観光客がたこすかしを楽しむようになりました。

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大瀧さんは最初にたこすかしの概要を説明し、更に大瀧さんがいきものマイスターの課題として取り組んだ、能登半島で実施されているたこすかしについての調査結果を紹介して下さいました。
大瀧さんの調査によると、同様のタコ漁は奥能登を中心に広く行われていますが、珠洲市では「タコとり」、輪島市東部では「タコさすり」、輪島市西部や志賀町では「タコさそり」などと、その呼び名は地域によって微妙に異なっていました。岩場が多くマダコが棲む珠洲市、能登町、輪島市、志賀町では呼び名や疑似餌など微妙な違いがあるものの、これらの地域ではたこすかしと同様に疑似餌と鉤爪でタコを採る漁法が行われています。一方で砂浜が多い能登町や七尾市ではイイダコが多く、疑似餌と釣り糸でイイダコを狙う漁法が実施されていることがわかりました。他には、使用する竿の本数や疑似餌の種類(赤い布、カニの形をした疑似餌、よもぎ、ホオズキ、笹の葉、タコの内臓、イカゲソなど)が地域によって異なることも、大瀧さんの調査で判明しました。こうした地域ごとに違いについては、意外に知られていないものです。
他、大瀧さんがNHKのニュース番組に出演した映像を拝見させて貰いました。

講義を終わり、いよいよ実習に入ります。受講生、スタッフ共に胴長を履き、タコ採り道具の竿2本(疑似餌用と、鉤爪用)を持って、自然学校そばの海岸でたこすかしを体験します。
写真は、タコが疑似餌に食い付いた時のことを大瀧さんが説明して下さっている場面です。タコが餌に食い付く力は非常に強く、油断すると竿を取られてしまいそうです。
自然学校そばの海岸は岩場になっています。タコは朝と夕方に、餌を求めてこうした海岸の岩場に現れます。たこすかし体験者は大瀧さんの指導を受けながら、疑似餌を使ってタコを探します。タコは狭く僅かな岩場の隙間に潜むこともあります。こうした隙間や海藻など、タコが潜みそうな場所を疑似餌でなぞるようにして、タコを誘い出すのです。

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残念ながらこの日は条件が良くなかった為か、成果は大瀧さんが採った1頭のみでした。過去の実習のようにはいきませんでしたがタコが全く採れないこともあるそうで、自然相手の難しさとも言えるでしょう。


代わりに、私達の講義を見ていた地元のおばあちゃんにタコ、更にサザエ、アワビまで頂いてしまいました。サザエは地元のおばあちゃんのお勧めに沿って、その場で殻を割って、生で食べてみました。新鮮なサザエだからこそ可能な食べ方です。おばあちゃんには、大変感謝です。

I.JPG
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この日に頂いたタコは、自然学校の厨房で捌きます。タコの内臓を取り、塩揉みして吸盤に付着した異物を取り除き、その場で茹でます。茹でる際には、茶葉や緑茶のティーバックを使用します。これは、臭みを取り除く為です。
茹でたタコは切り身にして、受講生とスタッフみんなで頂きました。更にこの日は大瀧さんが、能登の郷土料理である芋ダコを持参して下さいました。


大瀧さんはたこすかし体験を通じて能登の海の現状について伝え、更に体験観光として能登に多くの観光客を呼び込みたいと考えています。大瀧さんが始めた頃に比べ、能登の海は少しずつ変化しているそうです。以前に比べて海水の濁りが増え、更に岩にはコケなどの付着物が増えてしまいました。これは大瀧さんがたこすかし案内に取り組んできたから、わかったことです。大瀧さんに見せて頂いた過去のニュース映像と比較すると、尚その事実がわかります。
受講生の皆さんには体験観光を通じて、楽しんで貰いながら能登の自然を伝える方法を学んで頂けたのではないでしょうか。
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