【報告】第2回「ISO26000草案を読む会」を開催しました
[2008年04月17日(Thu)]
去る4月23日(水)、(株)損害保険ジャパンの関正雄さん
(CSR・環境推進室長)をお迎えして、第2回の
「ISO26000草案を読む会」を開催しました。
2月実施の第1回に引き続き、3月に発表された最新の草案
(WD4.1)を実際に読み、策定の経緯や主な変更点と、
発行後の実践のあり方についての説明を織り込んで読み進めました。
当日は26名の方々にご参加いただき、重ねてお礼申し上げます。
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【報告】「第2回ISO26000/SR(WD4.1)草案を読む会」
4月23日(水)に開催しました
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2010年発行に向けて準備が進められている社会的責任の
国際規格ISO26000。日本産業界のエキスパートとして
この規格の策定に当初から参加されている、(株)損害保険ジャパン
の関正雄さん(CSR・環境推進室長)に、策定の背景や特徴、
草案のポイントなどを解説していただきました。
<解説> (講師:損保ジャパン 関様)
ISO26000の主な特徴
・SR, not CSR:全ての組織に適用可能な社会的責任
・2010年9月が発行のターゲット
・マルチ・ステークホルダー・プロセス
(6つの区分:政府、産業、労働、消費者、NGO、その他有識者)
策定経緯とスケジュール
・コミッティドラフトの段階へ
(6区分のエキスパート個人
→国内対応委員会で意見の一本化が必要な段階へ)
・分担執筆から統括執筆へ
(IDTF: Integrated Draft Task Force 統合文書タスクフォースの発足)
2006年3月に日本産業界の独自のフルバージョン案を作成、提出
→たたき台として、作業グループ内での議論の活性化に役立った
日本産業界から提案した「実現すべき価値」
1)人間の尊厳と多様性の尊重
2)持続可能性の追求
ウィーン会議までの議論の成果
各国エキスパートからのコメント数が合計7,225!それを集約。
2007年11月3日〜9日 第5回 ISO/SRウィーン会議
途上国の代表の増加
(第4回のシドニー会議で先進国と途上国の代表数が逆転)
過去にここまで途上国の参加があった国際規格はない。
→ISO26000の大きな特徴に。
コンセンサスルール
多数決はとらない。
それぞれのステークホルダーが合意しなければ進めない。
徹底的に議論するので時間はかかる。
→歩み寄りの必要性:独自のミーティングルール
7つの主要課題(第7章 社会的責任の主要課題)
組織統治
人権
労働慣行
環境
公正な事業慣行
消費者課題
コミュニティの社会的及び経済的発展
主要課題の構造
コア・サブジェクト
概要
原則および考慮点
SRイシュー
課題の説明
関連行動及び/又は期待
ヘルプボックス
どう実施するか→ 第6章、第8章
過去のISO規格策定との違い
圧倒的なコメント数
マルチステークホルダー・プロセス
幅広いセクター代表の対話による策定
→正統性、影響力へとつながる
ISOが規格を策定することの意味
広汎な分野で標準化を進め、世界中に浸透させてきたISOの実績
グローバルコンパクトとの協力覚書
ISO/SRの潜在的ユーザー
8割は企業。企業のうち99%は中小企業
→もっとエッセンスを絞り、親しみやすく、読みやすいものへ
マルチ・ステークホルダー・プロセスの満足度
エキスパートの80%がポジティブな評価
新しい試みで非常に大変な作業だが、
マルチ・ステークホルダー・プロセスの価値は大きい
<ISO26000/SR WD4.1 草案を実際に読む>
<目次で全体像を確認>
0:序文
1章:適用範囲
2章:引用規格
3章:用語及び定義(社会的責任はどう定義されているか)
4章:社会的責任の理解(どう理解したらいいか)
5章:社会的責任原則(尊重すべき価値観)
6章:社会的責任の実践(どう実践するか)
7章:社会的責任の中核主題(コア・イシュー)
8章:社会的責任を実施する組織のためのガイダンス(実現していくための手続き)
*通常ISOの規格は有料だが、ISO26000に関してはフリーダウンロードを提案中
最新草案(作業文書4.1)は以下よりダウンロードできます。
詳細は是非草案をご覧ください。
http://www.jsa.or.jp/stdz/sr/pdf/iso26000_wd4.1_jpn.pdf
ご担当者様
ISO26000の最新情報を教えて頂きたくお連絡させていただきました。
ぶしつけなメールであることをお許しください。
服部 兼一