「シンポジウム 大震災から学ぶ多文化共生のまちづくり」が開催されました! [2012年07月05日(Thu)]
2012年7月1日(日)13:30〜16:00
ハイトピア伊賀5階 多目的大研修室にて。 開催趣旨 言葉・文化・習慣の違う人々が、災害時に協力し、助け合える関係を築くため、多文化のまちの現状と課題を明らかにし、多文化共生のまちづくりを考えます。 写真ファイルDL⇒1.pdf 当日はあいにく雨模様でしたが、定員(150名)を上回る聴講者が詰めかけ、NPO法人伊賀の伝丸 有岡さんの司会によりシンポジウムが開会しました。外国出身者34名も聴講しており、このためパナガイドというイヤホンガイドを使って、多言語の同時通訳サービスも駆使しています。同時に発言者による「やさしいにほんご」使用が留意され、「外国人にも内容の理解しやすいシンポジウム」をつくる趣旨が参加者にも伝わっています。 写真ファイルDL⇒2.pdf 13:40から大村昌枝さん講師による基調講演が始まりました。 テーマは「外国人住民とふりかえる大震災〜宮城からのメッセージ〜」です。 昨年3月11日の震災で、宮城県では12、000人が死亡、そのうち確認がされた外国人死者は25人というとても割合としては少ない犠牲者であったとの報告から始まりました。 大地震が襲った時間が14:46という、就業時間帯であったことと、外国人が勤める事業所の体制が日本人・外国人の区別なく従業員の避難に努力したことも、この要因と考えられます。 被災した260名の外国人による「振り返りの会」でも、「みんな同じように扱ってくれた」との声が多かったようです。 本日のシンポジウムのテーマ「大震災から学ぶ」べき、数々の示唆に富んだ話が、大村さんの東北大震災の実体験に基づき示されました。 非常時には、携帯電話がとても有効なツールとして力を発揮したこと(アナログのちから)や、出身国による普段の「同法ネットワーク」のつながりの違いその他たくさんの実例が紹介されました。 今後の課題として、第一に重要な【自助】のため、最低限のにほんごを身につける事、それから、地域のなかでの助け合いの一員であるため、隣近所(町内会)での普段からの付き合いの重要性が何にもまして浮き彫りになった様です。 特に大村さんの強調された事として、避難所での外国人の処遇、外国人自身の心掛けとして他者のサポートなど、出来る役割をどんどん行い、一緒に避難所運営に携わる姿勢であるよう、日常訓練する事などが、会場での印象深い話でした。 写真ファイルDL⇒3.pdf 14:50から、和田代表がコーディネーターを務め、パネルディスカッションの場へと移りました。 基調講演をされた大村さんをコメンテーターとして、下記の5名のパネリストとのディスカッションです。 田村輝之さん(小田町住民自治協議会会長) 坂田ハルエさん(ブラジル出身 伊賀市在住) 楊 彗敏さん (中国上海出身 伊賀市在住) 加藤憲祐さん(三重県環境生活部多文化共生課副課長) 中村伊英さん(NPO法人みえ防災市民会議副議長) 写真ファイルDL⇒4.pdf ポルトガル語による地域防災マップの説明をする田村会長。 NPO法人伊賀の伝丸と一緒に、自治協として「災害にも強い多文化共生のまちづくり」事業に取り組まれている田村会長より、自治会長としての思いが話されました。 ●外国人が多数在住する小田町としての自治組織と外国人住民とのこれからの地域共生について。 ●さまざまなバランス感覚を持った「外国人に自治活動に参加してもらう」についての考え。 そして、 ●「先ず、参加が大事」として、今年の夏祭りに外国人の模擬店を出店する計画も自治会でされています。 今後、他の自治協も参考になるような身近な話もたくさん聞けました。 今日のこのイベントは、基調講演・パネルディスカッションを通じて、外国人集住率のとても高い伊賀市の、これからのまちづくりにとって重要な課題を提供してくれました。 このテーマでの蓄積を着実に重ねているNPO法人が伊賀にあることが、今後の大災害が予測される時代にあってその活躍がますます期待されるシンポジウムでした。 |