一節[2017年10月30日(Mon)]
サンライフ指定管理の始まりの頃から応接室・入口受付横壁に掛けていた絵画。
実は同期でNPO法人を立ち上げた知人女性の祖父・父君の絵画だ。
祖父は某大学の特美教授・同じく芸術系ドクター父君で夫々に描いた絵画は相当なもの。
彼女と知り合う直前に父君は旅立ったと聞く。
その後、父君の不動産の処理や遺品の整理の相談を受け知人を介して売却等後始末を済ませてあげた。最後まで悩ませた祖父・父君の描いた数十点の絵画とクラシックバイクの処遇。絵画等は魂の入った遺品故、ぞんざいな扱いは避けたい。絵画の大きさや数に曇る彼女の横顔に腹をくくり預かることに。
サンライフでプチ絵画展を行った後、数点は館内に掛け他は保管。父君がこよなく愛した思い出深いスクーター(これが貴重)は自宅ガレージに預かった(雫石商工会・歴文にも一時貸出)後にNPO業を離れたころから交流が途絶えた。自立を模索し、生活拠点を花巻に。コーチング業と今年から陶芸工房を主宰、週末陶芸活動している「らしい」事は風の便りには知っていた。
あらかた10年、彼女が陶芸にたどり着いたのは家系の血と生活環境の影響。
故に工房に祖父・父君の絵画を掛けることは彼女の人生のストーリーや現在の生業にもリアリティをもたらすことと祖父と父君が傍にいることの安心感だろうという事で預かっていた絵画を彼女の元へ返却する「その時」がようやく来たと考え程なくその旨連絡をすると彼女・家族共々感謝の意をいただいた。
私たちもこれまでお世話になった絵画故、お届けの運賃はとれぬが珈琲位は出るだろう。
でも本当はてんこ盛りの濃いお茶と厚切り羊羹が好みだ。できれば二切は欲しいぞ。
きゅうりの漬物が添えられればエクセレントだ。
そして一時、昔に帰り古本を引っ張り出したときにありがちな「カビ臭い」香りのする話でも交わすのだろうなと思う。