私は、法律の専門家ではないのですが。
最近、気になる法律があるんですよね。
それが「請願法」というものです。
要は、政府や官公庁にお願いをするための法律です。
たとえば、最近Canpanブログ内のいくつかのブログでも取り上げられている、野口さんの難病認定の署名活動の署名運動なんかも、正に請願というものなんです。(
公式ホームページができたそうです。)
この請願というものは、日本国憲法第16条に定められた日本在住の人の権利で、その権利の実際の運用のために「請願法」というのがあるわけですが。短い文面なのですが、実によくわかんないんです。
請願法
(趣旨)
第1条 請願については、別に法律の定める場合を除いては、この法律の定めるところによる。
(請願の方法)
第2条 請願は、請願者の氏名(法人の場合はその名称)及び住所(住所のない場合は居所)を記載し、文書でこれをしなければならない。
(請願書の提出先)
第3条 請願書は、請願の事項を所管する官公署にこれを提出しなければならない。天皇に対する請願書は、内閣にこれを提出しなければならない。
A請願書の事項を所管する官公署が明かでないときは、請願書は、これを内閣に提出することができる。
(提出先を誤った請願書の処置)
第4条 請願書が誤って前条に規定する官公署以外の官公署に提出されたときは、その官公署は、請願書に正当な官公署を指示し、又は正当な官公署にその請願書を送付しなければならない。
(請願の処理)
第5条 この法律に適合する請願は、官公署において、これを受理し誠実に処理しなければならない。
(差別待遇の禁止)
第6条 何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。これが、全文なのですが。
運用を規定しているわりに、いいかげんというか、人によってはいかようにも判断出来る無いようになっている上。
役所の逃げ道を定義していたり。実効性のないような文面があったりする。
んなことで、条文を読んで疑問点を並べちゃったりしてみます。
第1条は、請願権というものがあって、特別な場合以外はできる。とかかれている。
ここで、不親切なのは、「別に法律の定める場合を除いては」と書かれているわりに。一般人には、その別の法律というのがわかんないんですよる。
第2条は ここだけ読めば、請願の方法は、名前と住所を書いて文章で出すってことなんですけど。
条文には書かれていないけど、実際は細かい決まり事があるようなんです。
そんなことで、請願書が有効かどうかで、いろいろあるようです。
たとえば、住所を書くとき、内容が同じでも、「〃」という、省略記号はダメというものがあるようです。
また、署名の用紙とかつくるとき、けっこう注意して作る必要があるようです。
条例などで定義している場合があるのですが、どこかの地方自治体は40文字以内の題名をつけないといけないとしています。
第5条に、受理しないといけないと書かれているんですが。定義から外れていると、受理してもらえるかわかんない。
こんなのいくら権利があっても素人では作れないですよね。
そんなことで、請願書についてはいろいろ難しいです。
さっき触れた野口さんの難病認定の署名活動ですが、10万人を超える署名が集まっているとのことですが、署名を無駄にしないように、書き方などはちゃんと指示に従って書いて下さいね。(
署名の注意事項)
第3条の請願の提出先なんですが、立法である国会や、地方自治体の議会に請願する場合、議員の紹介がないと出来ないんですが。議員と仲の良い人は、請願しやすいのですが。逆に、信頼出来る議員がいない場合、請願出来なくなってしまう危険性がある。
また、議員が口利き屋になりやすい土壌を作っている。
とある地方自治体の職員の方が言っていたのですが、住民が主体になって、合意形成をしてまちづくりをする場合。その対極にあるのが、陳情主義なんだと言っていました。
陳情は、個人でもできる良さはあるのですが、あくまでも個人の意見が通り、その個人の利益に偏ってしまう危険性がある。まちの問題の被害者には、声を出したくても出せない人がなっている場合が多い。
だから陳情主義では、声を出したくても出せない人を救うことが出来ない。
第4条は、役所のたらい回しについて書かれています。
官公署があきらかではない場合は、内閣に出せばいいのですが。その判断が出来ず、どの官公署か微妙な請願を提出した場合、たらいまわしが発生しそうです。
第5条ですが、受理するし、誠意を持って対応するのでしょうが、必ずしも内容を審理したり判定する義務はないようです。
まあ、いちいち聞いていたらやってられないということもあるんでしょう。
で、第6条ですが。請願をしたために差別待遇を受けないということになるのですが。
実際は、社会的な差別を受けることがありますよね。
これがこわいです。
この項目は、政府に対して都合の悪いことを請願したとき、請願した人たちに対して、政府が弾圧をするとかしちゃいけないってことを指しているのだろうけど。一歩間違えると、請願書がそのまま政府からしたら個人情報つきのブラックリストになりえる。
こうやって、自分なりに理解しようとしているのですが、これだけでは実際何も出来ない無いようだったり、いかようにも解釈されそうな内容であったりして、ハテナマークが増えるばかりです。
ルールや規則を、実効性があり、矛盾無く、誰でも理解出来る内容にするということって、本当に高度なことだと実感します。
そう考えると、パフォーマンスやパワーゲームで法律を決めちゃうのって問題有りなんじゃないでしょうか。