スーチーさんや民主化に対する期待と不安
[2007年09月24日(Mon)]
ここんところ、ミャンマーの僧侶による、燃料代の高騰に対するデモが報じられているが。
そんな僧侶によるデモ隊が、スー・チーさんを訪ねたそうだ。
国民の信望のあつい僧侶なら、軍や警察に暴力をふるわれにくいということもあって、軍事政権下で国民に変わって僧侶がデモをしているのですが。効果がいまひとつなので、次の行動に出たという感じなのでしょうか。
今までは、スー・チーさんをイメージリーダーとしている民主化の動きと、僧侶によるデモは連動していなかったのだが、ここで連動する可能性も出てきたともいえます。
ミャンマーは軍事政権ということで、各国から批判を浴びているのですが。その軍事政権に対抗する勢力と言われるのがスーチーさんをイメージリーダーとする民主化勢力です。
さて、とあるミャンマー関係者に聞いた話ですが、ミャンマーの国民が軍事政権をゆるしている理由の一つは、イギリスによる植民地の歴史があるそうなんです。スーチーさんのお父さんは、ミャンマーがビルマだったころ、イギリスから独立させた立役者だったわけですが。スーチーさん本人は、イギリスに留学したり、イギリス人と結婚したりして、イギリス人に近いので、そんな人が国のトップになってしまったら、またイギリス支配になってしまうのではないかという心配をしている人たちがいるようなんです。
この考えが正しいかどうかはわからないが、ある面では的を得ているような気がするんです。
民主化とか自由化とかいいながら、実際は内政干渉をして、いわゆる西欧化させようという動きってのがいろんな国であるんです。
なぜ、そういうことをするかというと、ものを取引をするにあたって、社会のルールを統一しておいた方が有利なんです。その統一された範囲が大きい方が、たくさんのお金やモノが動いて、富を得やすくなるわけです。
いろんな貿易協定なんてのも、取引をするための社会のルールを統一する方法の一つです。
ここんところ、話題になっている宗教戦争的な世の中の動きですが、私は、これも、経済戦争なのではないかと考えています。
かつて、シルクロードが栄え出したころ、ユダヤ教がシルクロードを制していました。ユダヤ教徒は、トーラーという巻物(虎の巻の語源と言われる)を持っていて、その巻物のルールに従って取引をしていたそうです。おそらく、いまの民法だとか商法のようなものだったんでしょうね。
その後、海のシルクロードが栄えるようになった頃。アラビアの商人たちが、イスラム教とともに勢力をのばしてゆきます。いまでは、世界一イスラム教徒のいるインドネシアも、もともとは、インド商人などによってもたらされた、ヒンドゥー教や地元の土着宗教だったのですが、お金持ちになった商人からイスラム教徒になってゆきました。
これは、タイ南部やマレーシアもそうです。
その後、西洋史で言う大航海時代が訪れると、キリスト教の宣教師をつれて世界を回り出します。
江戸時代、日本がキリスト教を排除したのは、キリスト教のルールで商売をされると、日本にとって不利だということに気がついていたという要素もあったのではないかと考えています。
20世紀になって、共産主義国が出てきて、いわゆる西側の資本主義国と冷戦というか勢力争いをするわけですが。これも、共産主義という、宗教を否定した思想で、そこで、様々なとり引きをして、ひとつの経済圏を作っていた。
冷戦時代が終わって、グローバル経済と言われるようになって、世界中どこでも商売が出来る状態になったと思っていたら。考え方というか社会のルールが違う国とかが、目についてきたんですよね。
それが、アメリカの言う、悪の枢軸国です。
ミャンマーは、その悪の枢軸国に入っているわけで。民主化してもらって、商売の範囲を大きくしたいというのが、民主化運動とも言えるわけです。
あるミャンマー関係者によると、ミャンマーの国民の一部は、それに気がついていて、民主化すると、またイギリスの植民地みたいになってしまうのではないかと恐れているそうです。そのおかげもあって、必ずしも軍事政権が武力で押さえつけていたことで、今の政権が維持されていたわけではないということです。
どのようにすれば、国民の暮らしが良くなっていくのかはわかりませんが。
ミャンマー国民は、スーチーさんや民主化に対する期待と不安とを持っているようです。
さて、今回、僧侶たちがスーチーさんを訪ねたのは、国際的なインパクトを狙ったのだと思うんです。スーチーさんが軟禁されてけしからんと言っているのは、ミャンマーからすれば海外のメディアです。その多くは、ミャンマーに対して民主化してくれるように、言い換えれば、自分たちのルールで商売出来る状態になってほしいと思っているわけです。その人たちは、メディアの力も、お金ももっていますから。その人たちのメディアのネットワークを使って、世界中の多くの人を味方につけたいというのが、僧侶たちの目的だったのではないかと思うんです。
とはいえ、燃料代の高騰は、世界経済の問題でもあるので、ミャンマー政府だけでは解決しない。いくらお坊さんがデモをしても、ミャンマー政府が対応出来る内容ではない気がするんです。スーチーさんを使って、国際世論を巻き込んだとして、この問題は解決するのでしょうか。いまは、とにかく、問題を解決しようと動いているという感じがするんですよね。
僧侶たちは、国民のことを考えていない軍事政権に対して、国民のどうにかしてほしいと思っているだけで。欧米がかんがえていたり活動家が考えている民主化を望んでいるとは限らない。
燃料が買えなくて生活に困っているミャンマー国民は、どのようにしたら救われるのでしょうか。
そんな僧侶によるデモ隊が、スー・チーさんを訪ねたそうだ。
国民の信望のあつい僧侶なら、軍や警察に暴力をふるわれにくいということもあって、軍事政権下で国民に変わって僧侶がデモをしているのですが。効果がいまひとつなので、次の行動に出たという感じなのでしょうか。
今までは、スー・チーさんをイメージリーダーとしている民主化の動きと、僧侶によるデモは連動していなかったのだが、ここで連動する可能性も出てきたともいえます。
ミャンマーは軍事政権ということで、各国から批判を浴びているのですが。その軍事政権に対抗する勢力と言われるのがスーチーさんをイメージリーダーとする民主化勢力です。
さて、とあるミャンマー関係者に聞いた話ですが、ミャンマーの国民が軍事政権をゆるしている理由の一つは、イギリスによる植民地の歴史があるそうなんです。スーチーさんのお父さんは、ミャンマーがビルマだったころ、イギリスから独立させた立役者だったわけですが。スーチーさん本人は、イギリスに留学したり、イギリス人と結婚したりして、イギリス人に近いので、そんな人が国のトップになってしまったら、またイギリス支配になってしまうのではないかという心配をしている人たちがいるようなんです。
この考えが正しいかどうかはわからないが、ある面では的を得ているような気がするんです。
民主化とか自由化とかいいながら、実際は内政干渉をして、いわゆる西欧化させようという動きってのがいろんな国であるんです。
なぜ、そういうことをするかというと、ものを取引をするにあたって、社会のルールを統一しておいた方が有利なんです。その統一された範囲が大きい方が、たくさんのお金やモノが動いて、富を得やすくなるわけです。
いろんな貿易協定なんてのも、取引をするための社会のルールを統一する方法の一つです。
ここんところ、話題になっている宗教戦争的な世の中の動きですが、私は、これも、経済戦争なのではないかと考えています。
かつて、シルクロードが栄え出したころ、ユダヤ教がシルクロードを制していました。ユダヤ教徒は、トーラーという巻物(虎の巻の語源と言われる)を持っていて、その巻物のルールに従って取引をしていたそうです。おそらく、いまの民法だとか商法のようなものだったんでしょうね。
その後、海のシルクロードが栄えるようになった頃。アラビアの商人たちが、イスラム教とともに勢力をのばしてゆきます。いまでは、世界一イスラム教徒のいるインドネシアも、もともとは、インド商人などによってもたらされた、ヒンドゥー教や地元の土着宗教だったのですが、お金持ちになった商人からイスラム教徒になってゆきました。
これは、タイ南部やマレーシアもそうです。
その後、西洋史で言う大航海時代が訪れると、キリスト教の宣教師をつれて世界を回り出します。
江戸時代、日本がキリスト教を排除したのは、キリスト教のルールで商売をされると、日本にとって不利だということに気がついていたという要素もあったのではないかと考えています。
20世紀になって、共産主義国が出てきて、いわゆる西側の資本主義国と冷戦というか勢力争いをするわけですが。これも、共産主義という、宗教を否定した思想で、そこで、様々なとり引きをして、ひとつの経済圏を作っていた。
冷戦時代が終わって、グローバル経済と言われるようになって、世界中どこでも商売が出来る状態になったと思っていたら。考え方というか社会のルールが違う国とかが、目についてきたんですよね。
それが、アメリカの言う、悪の枢軸国です。
ミャンマーは、その悪の枢軸国に入っているわけで。民主化してもらって、商売の範囲を大きくしたいというのが、民主化運動とも言えるわけです。
あるミャンマー関係者によると、ミャンマーの国民の一部は、それに気がついていて、民主化すると、またイギリスの植民地みたいになってしまうのではないかと恐れているそうです。そのおかげもあって、必ずしも軍事政権が武力で押さえつけていたことで、今の政権が維持されていたわけではないということです。
どのようにすれば、国民の暮らしが良くなっていくのかはわかりませんが。
ミャンマー国民は、スーチーさんや民主化に対する期待と不安とを持っているようです。
さて、今回、僧侶たちがスーチーさんを訪ねたのは、国際的なインパクトを狙ったのだと思うんです。スーチーさんが軟禁されてけしからんと言っているのは、ミャンマーからすれば海外のメディアです。その多くは、ミャンマーに対して民主化してくれるように、言い換えれば、自分たちのルールで商売出来る状態になってほしいと思っているわけです。その人たちは、メディアの力も、お金ももっていますから。その人たちのメディアのネットワークを使って、世界中の多くの人を味方につけたいというのが、僧侶たちの目的だったのではないかと思うんです。
とはいえ、燃料代の高騰は、世界経済の問題でもあるので、ミャンマー政府だけでは解決しない。いくらお坊さんがデモをしても、ミャンマー政府が対応出来る内容ではない気がするんです。スーチーさんを使って、国際世論を巻き込んだとして、この問題は解決するのでしょうか。いまは、とにかく、問題を解決しようと動いているという感じがするんですよね。
僧侶たちは、国民のことを考えていない軍事政権に対して、国民のどうにかしてほしいと思っているだけで。欧米がかんがえていたり活動家が考えている民主化を望んでいるとは限らない。
燃料が買えなくて生活に困っているミャンマー国民は、どのようにしたら救われるのでしょうか。