これ、エセエコ商品?
[2006年04月05日(Wed)]
昨日、洗剤のCM表現に問題があるという話、をしていたのだが。今朝、コーヒーを飲もうとしていたら、ヤバイ表現のエコロジー商品を見つけてしまった。

環境先進国ドイツ生まれと書かれており。
一見、何の問題もない、環境に優しい商品に見える。
コーヒー関連商品は、赤、茶、黒のいずれかが基調になっているのが多いのだが。エコのイメージを出すために、緑のパッケージになっている。
そこで、裏側を見てみることにする。

上の方に、なんやら「再生紙」という表示が見える。
ほほー。このペーパーフィルターは、もしかして、再生紙?
なんて、思って、よく読むと「4層構造の再生紙パーケージ」と書いてある。
要は、外箱が再生紙なのね。で、実際のフィルターは???
てなことで、その下を読んでいくと。
「厳選された北欧針葉樹の100%バージンパルプだけを使い。製造プロセスから漂白行程を完全にカット。エコロジーに厳しいヨーロッパでも、高い評価を得ているエコ商品です」
あれれ、このペーパーフィルターって、「バージンパルプ」って書いてあるけど、これって、再生紙じゃないんだよね。
緑色のパッケージだし、上の方だけ読んでいると「再生紙」という表示が出ているから。もしかして「再生紙」なのかと思ってしまうけど。「バージンパルプ」という、一見、なにか解らないカタカナ言葉が書かれているので見逃しそうになったけど。要は、再生紙を使用していないという意味なんですよね。
しかも、緯度が高く、日光が当たらないために、植物の成長が遅く、森林の再生遅い、北欧の針葉樹を使っているんだから。再生能力の弱い森林を伐採しているのにも関わらず「ヨーロッパでも、高い評価を得ているエコ商品です」と言い切ってしまうのは、人に誤解を与えかねない表現だ。
やはり、ここのセンテンスの矛盾は「エコ商品」と謳ってしまっている所から発生している。
この商品が、無漂白なのも、再生紙を使わないのも、厳選された北欧針葉樹の材料にしているのも、総て人への安全性への配慮であり、必ずしも環境に良いことばかりではないにも関わらず「エコ商品」と謳ってしまっている。
確かに、漂白の課程で発生する塩素は、CO2とともに、削減することで環境への負荷が減るのだが。もちろん、環境にも良いのだが、それより、人が残留した漂白剤の影響を受けないようにするという目的の方が大きいし。
紙はインクや漂白剤、コート剤など様々な薬品が使われているが。再生する際、それらを除去する事は大変難しい。だから、人の安全のためにバージンパルプを使っているのもわかる。
そして「厳選された北欧針葉樹」を使うのも、農薬を使っていない材木を選んで使っているという事を表しているのかも知れない。もしそうなら、これも、人の安全に対して、気を使っているというということになる。
ドイツ人の気質として、脅迫的に追求するというものがあるが。徹底して、食の安全を考慮した製品となっている可能性は高い。
それだったら、「エコロジー」を謳うより、「食の安全性」を謳った方が適切だと思う。
真面目に作られた製品だと思われるからこそ、安易に「環境に良いと謳えば売れるから」という理由で「エコロジー」を強調した表現をすれば。見せ掛けだけのもの。つまり「エセ商品」になってしまう。
「バージンパルプ」という、一見、イメージしにくい言葉を使ったり。人が上から情報を読み取るという事を意識して、パッケージの上の方に「再生紙」という表現を入れているのは。パッケージデザインに消費者を煙に巻こうという意図を感じてしまう。
しかも、巧妙なだけに悪質とも言える。
商品自体は、人に優しい、安全に配慮した製品である可能性が高いだけに、表示の問題で「エコ商品」が「エセ商品」になってしまうのはとても残念だ。
安全性に気を使った商品で、環境にやさしいという表現をするならば、消費者に誤解を与ない、人に優しい表現を心がけて欲しいと思う。
参考までに国語辞典を引いてみた。
********************************
えせ 【〈似非〉/〈似而非〉】
(接頭)
名詞に付く。
(1)似てはいるが本物ではない、見せ掛けだけの、の意を表す。
「―医者」「―文化人」「―追従」
(2)劣っている、価値のない、の意を表す。
「―歌」「―受領」
0 (形動ナリ)
名目や外見だけであるさま。
「―なる男親を持たりて/枕草子 307」
三省堂
********************************

環境先進国ドイツ生まれと書かれており。
一見、何の問題もない、環境に優しい商品に見える。
コーヒー関連商品は、赤、茶、黒のいずれかが基調になっているのが多いのだが。エコのイメージを出すために、緑のパッケージになっている。
そこで、裏側を見てみることにする。

上の方に、なんやら「再生紙」という表示が見える。
ほほー。このペーパーフィルターは、もしかして、再生紙?
なんて、思って、よく読むと「4層構造の再生紙パーケージ」と書いてある。
要は、外箱が再生紙なのね。で、実際のフィルターは???
てなことで、その下を読んでいくと。
「厳選された北欧針葉樹の100%バージンパルプだけを使い。製造プロセスから漂白行程を完全にカット。エコロジーに厳しいヨーロッパでも、高い評価を得ているエコ商品です」
あれれ、このペーパーフィルターって、「バージンパルプ」って書いてあるけど、これって、再生紙じゃないんだよね。
緑色のパッケージだし、上の方だけ読んでいると「再生紙」という表示が出ているから。もしかして「再生紙」なのかと思ってしまうけど。「バージンパルプ」という、一見、なにか解らないカタカナ言葉が書かれているので見逃しそうになったけど。要は、再生紙を使用していないという意味なんですよね。
しかも、緯度が高く、日光が当たらないために、植物の成長が遅く、森林の再生遅い、北欧の針葉樹を使っているんだから。再生能力の弱い森林を伐採しているのにも関わらず「ヨーロッパでも、高い評価を得ているエコ商品です」と言い切ってしまうのは、人に誤解を与えかねない表現だ。
やはり、ここのセンテンスの矛盾は「エコ商品」と謳ってしまっている所から発生している。
この商品が、無漂白なのも、再生紙を使わないのも、厳選された北欧針葉樹の材料にしているのも、総て人への安全性への配慮であり、必ずしも環境に良いことばかりではないにも関わらず「エコ商品」と謳ってしまっている。
確かに、漂白の課程で発生する塩素は、CO2とともに、削減することで環境への負荷が減るのだが。もちろん、環境にも良いのだが、それより、人が残留した漂白剤の影響を受けないようにするという目的の方が大きいし。
紙はインクや漂白剤、コート剤など様々な薬品が使われているが。再生する際、それらを除去する事は大変難しい。だから、人の安全のためにバージンパルプを使っているのもわかる。
そして「厳選された北欧針葉樹」を使うのも、農薬を使っていない材木を選んで使っているという事を表しているのかも知れない。もしそうなら、これも、人の安全に対して、気を使っているというということになる。
ドイツ人の気質として、脅迫的に追求するというものがあるが。徹底して、食の安全を考慮した製品となっている可能性は高い。
それだったら、「エコロジー」を謳うより、「食の安全性」を謳った方が適切だと思う。
真面目に作られた製品だと思われるからこそ、安易に「環境に良いと謳えば売れるから」という理由で「エコロジー」を強調した表現をすれば。見せ掛けだけのもの。つまり「エセ商品」になってしまう。
「バージンパルプ」という、一見、イメージしにくい言葉を使ったり。人が上から情報を読み取るという事を意識して、パッケージの上の方に「再生紙」という表現を入れているのは。パッケージデザインに消費者を煙に巻こうという意図を感じてしまう。
しかも、巧妙なだけに悪質とも言える。
商品自体は、人に優しい、安全に配慮した製品である可能性が高いだけに、表示の問題で「エコ商品」が「エセ商品」になってしまうのはとても残念だ。
安全性に気を使った商品で、環境にやさしいという表現をするならば、消費者に誤解を与ない、人に優しい表現を心がけて欲しいと思う。
参考までに国語辞典を引いてみた。
********************************
えせ 【〈似非〉/〈似而非〉】
(接頭)
名詞に付く。
(1)似てはいるが本物ではない、見せ掛けだけの、の意を表す。
「―医者」「―文化人」「―追従」
(2)劣っている、価値のない、の意を表す。
「―歌」「―受領」
0 (形動ナリ)
名目や外見だけであるさま。
「―なる男親を持たりて/枕草子 307」
三省堂
********************************