ペンギン絶滅の危機
[2006年04月01日(Sat)]
ここしばらく中国がものすごい勢いで経済力をつけている。上海などは、高層ビルやマンションの建設ラッシュと言われ。日本に観光出来ている中国人はブランドものを買いあさっている。
だが、世界で最も人口の多い国と言われる中国の国民が経済力をもち、一人一人が贅沢な生活を手に入れたことで、都市環境を始め、様々な環境の問題を引き起こしつつある。とはいえ、先に散々破壊したりエネルギーを使いまくった国がいるのに、最近伸び盛りの国に対して、エネルギーを使うな、環境破壊をするなと言いにくいのだが、今回は、敢えて、その話題を取り上げることにした。
それは、豊かな生活を過ごすようになったために、絶滅の危険性の出てきた生物がいるからだ。
それは、なんと「ペンギン」である。
既に、サメ2種については、フカヒレ目当ての漁などで絶滅の危機に瀕したり。ある地域では、漢方薬の材料にということで、タツノオトシゴを乱獲し、絶滅の危機に瀕し国際的な問題になった。
そして、その次が「ペンギン」である。
【参考】

タツノオトシゴを使った漢方系サプリメント
効果が高いために乱獲され、稀少になったため価格が高騰している。
※タツノオトシゴを守るために、NGO団体プロジェクトシーホースが活躍している。下記は、参考ページ。
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2005/20050529/index.html
タツノオトシゴの他にも、オットセイも強壮剤として人気がある。

オットセイエキスを使った漢方系サプリメント「オットピン」
ペンギンは捕獲された後、皮を剥ぎ、乾燥させた状態で製品となり市販されている。
そのままでも食べることが出来るそうだが、一度乾燥させた方が、美味しくなるというから、食材の世界は奥が深い。
海水の中に長時間潜るペンギンの皮には、多くのコラーゲンが含まれている。そして、そのために、独特の食感があり、八宝菜などあんかけ系の炒め料理に使うことがある。もちろん、ヘルシーである。
さて、皮を剥がれたあとのペンギンはどうなるのだろうか。
フカヒレを採るために、サメのヒレだけ採って、そのままサメを海に捨ててしまう事が行われているのと同じように。皮を剥がれたペンギンは、そのまま捨てられてしまうのだそうだ。
南氷洋などで、捕獲したペンギンは、現地で皮を剥ぎ、乾燥させた状態で運ぶことで、運送コストを下げるのである。
このようなペンギンの乱獲は最近始まった話しではない。それは、長い歴史があるのだ。
現在、ペンギンは、南極にしかいないと思われているが、日本近海でクジラが捕れたように、かつては、中国付近にも若干ながら生息していたらしい。しかし、ペンギンの皮は、とても美味だということと、効率的に捕獲出来る漁法の開発と、当時の貴族たちが好んで食したために、中国の近海からは姿を消したのだ。
古くから、中国の商人は、インドネシアのあたりに存在した王国との友好関係、文化及び貿易の往来をしており、少しずつだが、ペンギンの皮を中国本土に送っていたため、近海でとれなくとも、少しずつ流通されていた。
その後、オランダが、現在のインドネシア、当時のオランダ領東インドに、中国人を強制的に連行するということなどもあり、いわゆる「華僑」と呼ばれる人たちが、インドネシアあたりに大量に移住することになる。(参考 このあたりは、こちらのブログに詳しく書かれています)
そして、華僑が、南下していくと、自らの生計のお金になるペンギンを乱獲し。次々にペンギンは絶滅をし、生息区域は、だんだんと南に押しやられていったのだ。そして、ペンギンは、南半球にのみ住むようになったのだ。(正確には、ガラパゴスペンギンは、北半球に生息している)
これは、アメリカ沿岸でクジラが捕れなくなったので、日本近海でクジラを捕ろうとしたアメリカが、日本にペリーを寄こして開港させ。その後、日本近海でクジラが捕れなくなったために、アメリカやイギリスがこぞって、南氷洋に繰り出し、日本も同じように南極にクジラを求めたのと似ている。
20世紀になり、中国は、共産主義国となり、貴族階級を無くしたために、ペンギンの乱獲ということはなかったのだが。
ここんところのバブルと言ってもいい好景気による富裕層が増加し。彼らの食欲がかつてのステイタスであったペンギンの飽食に向かい出したのだ。
ただでさえ、人口が多く、その胃袋を満たすのも大変なのに、それが、大量に貴重なものを求めるようになると、ひとたまりもないのだ。
さて、なぜ、ペンギンが絶滅の危機に瀕しているというのに、話題にならないのかというのも、恐ろしい理由があるのだ。
同じ、絶滅が危惧されているクジラは、かつては、アメリカとイギリスが脂をとり、灯油とするために乱獲をした。しかし、アメリカから石油が出ると、クジラが採れてしまうと、石油が普及しないということで、捕鯨禁止を打ち出すのだ。その捕鯨禁止キャンペーンには、自然保護団体が利用されたのだ。同時に、今まで怪獣とされていたイルカも、映画などを通じ、人間に近い知能を持つ生き物とあがめるというプロパガンダが行われ。見事に、クジラの脂から、石油へのエネルギー転換に成功したのだ。
それと同時に、日本に対して牛肉を売ろうとする動きもあり。捕鯨を禁止することで利益の出る団体やその経営者や役員から、捕鯨禁止の活動をする自然保護団体などに、活動資金として、寄付金が寄せられていたらしい。
しかし、ペンギンはクジラとは違い、アメリカやイギリスの利害関係の蚊帳の外にいたのだ。 ペンギンは石油資本や職人業界との利害関係がないから無視されているし。ペンギン保護の自然保護運動をしても、活動資金として大手資本の寄付が得られないこともあり。ペンギンが危機に瀕しているという告知がなされないのだ。
アメリカからすると、豊かさに狂った中国人が、自分の食の楽しみを、自分自身で無くして言っているわけで。その無くなったたのしみを、香港ディズニーランドなどのアメリカ文化で楽しんでくれた方が、国として儲かるのである。
アメリカ人の特徴の一つに、アメリカ人は嘘はつかないが、肝心なことは言わないという所があるが、まさにそのとおりで、アメリカに有利な状態であり、本人が勝手に不利な状況になるときには、あえて言わない事が多い。
だから、ペンギンが絶滅する可能性があるということは、欧米のメディアでは取り上げられないのだ。
さて、そのペンギンの皮だが。
丸正総本店にも、袋入りで販売されていた。
そして、これが、ペンギンを使った食材である。
下の写真が現物だ。

これは、販売されていたパッケージ。

物価の安い、いわゆる途上国で生産されているために、意外に値段はお手頃だった。(ねしかして、アンフェアトレード商品かも)
このペンギンの皮と食感の似ているキノコの一種も流通しているが、この値段だったら、リッチになった中国人は簡単に本物のペンギンの皮を簡単に買ってしまうだろう。
いくらペンギンがかわいそうだといっても、日本は、世界中の食材を食い尽くしていると言われており、様々な問題を起こしている。だから、可哀想だと言って、日本人は、中国人を責めるわけにはいかないのだ。
中国人も、日本人と同じように、物質的に豊かに暮らしたいわけで、それを否定すると、今の日本人の豊かな生活を否定してしまうことになる。
豊かな暮らしと環境保護という相反する事に、どのように折り合いをつけていくのかが。循環型と言われる21世紀社会の大きな課題となるだろう。
ちなみに、一袋250円でした。
いくらなんでも、ペンギンの皮がこの値段で買えるわけがありません。
ペンギンが可哀想ということで、悲しい思いをした方。ごめんなさい。
とはいえ、ペンギンの事以外は、ほとんどが現実の環境問題だったりします。
環境の問題と、先進国といま発展途上の国との問題など、どうバランスを取っていくべきなのでしょうね。
だが、世界で最も人口の多い国と言われる中国の国民が経済力をもち、一人一人が贅沢な生活を手に入れたことで、都市環境を始め、様々な環境の問題を引き起こしつつある。とはいえ、先に散々破壊したりエネルギーを使いまくった国がいるのに、最近伸び盛りの国に対して、エネルギーを使うな、環境破壊をするなと言いにくいのだが、今回は、敢えて、その話題を取り上げることにした。
それは、豊かな生活を過ごすようになったために、絶滅の危険性の出てきた生物がいるからだ。
それは、なんと「ペンギン」である。
既に、サメ2種については、フカヒレ目当ての漁などで絶滅の危機に瀕したり。ある地域では、漢方薬の材料にということで、タツノオトシゴを乱獲し、絶滅の危機に瀕し国際的な問題になった。
そして、その次が「ペンギン」である。
【参考】

タツノオトシゴを使った漢方系サプリメント
効果が高いために乱獲され、稀少になったため価格が高騰している。
※タツノオトシゴを守るために、NGO団体プロジェクトシーホースが活躍している。下記は、参考ページ。
http://www.tv-asahi.co.jp/earth/midokoro/2005/20050529/index.html
タツノオトシゴの他にも、オットセイも強壮剤として人気がある。

オットセイエキスを使った漢方系サプリメント「オットピン」
ペンギンは捕獲された後、皮を剥ぎ、乾燥させた状態で製品となり市販されている。
そのままでも食べることが出来るそうだが、一度乾燥させた方が、美味しくなるというから、食材の世界は奥が深い。
海水の中に長時間潜るペンギンの皮には、多くのコラーゲンが含まれている。そして、そのために、独特の食感があり、八宝菜などあんかけ系の炒め料理に使うことがある。もちろん、ヘルシーである。
さて、皮を剥がれたあとのペンギンはどうなるのだろうか。
フカヒレを採るために、サメのヒレだけ採って、そのままサメを海に捨ててしまう事が行われているのと同じように。皮を剥がれたペンギンは、そのまま捨てられてしまうのだそうだ。
南氷洋などで、捕獲したペンギンは、現地で皮を剥ぎ、乾燥させた状態で運ぶことで、運送コストを下げるのである。
このようなペンギンの乱獲は最近始まった話しではない。それは、長い歴史があるのだ。
現在、ペンギンは、南極にしかいないと思われているが、日本近海でクジラが捕れたように、かつては、中国付近にも若干ながら生息していたらしい。しかし、ペンギンの皮は、とても美味だということと、効率的に捕獲出来る漁法の開発と、当時の貴族たちが好んで食したために、中国の近海からは姿を消したのだ。
古くから、中国の商人は、インドネシアのあたりに存在した王国との友好関係、文化及び貿易の往来をしており、少しずつだが、ペンギンの皮を中国本土に送っていたため、近海でとれなくとも、少しずつ流通されていた。
その後、オランダが、現在のインドネシア、当時のオランダ領東インドに、中国人を強制的に連行するということなどもあり、いわゆる「華僑」と呼ばれる人たちが、インドネシアあたりに大量に移住することになる。(参考 このあたりは、こちらのブログに詳しく書かれています)
そして、華僑が、南下していくと、自らの生計のお金になるペンギンを乱獲し。次々にペンギンは絶滅をし、生息区域は、だんだんと南に押しやられていったのだ。そして、ペンギンは、南半球にのみ住むようになったのだ。(正確には、ガラパゴスペンギンは、北半球に生息している)
これは、アメリカ沿岸でクジラが捕れなくなったので、日本近海でクジラを捕ろうとしたアメリカが、日本にペリーを寄こして開港させ。その後、日本近海でクジラが捕れなくなったために、アメリカやイギリスがこぞって、南氷洋に繰り出し、日本も同じように南極にクジラを求めたのと似ている。
20世紀になり、中国は、共産主義国となり、貴族階級を無くしたために、ペンギンの乱獲ということはなかったのだが。
ここんところのバブルと言ってもいい好景気による富裕層が増加し。彼らの食欲がかつてのステイタスであったペンギンの飽食に向かい出したのだ。
ただでさえ、人口が多く、その胃袋を満たすのも大変なのに、それが、大量に貴重なものを求めるようになると、ひとたまりもないのだ。
さて、なぜ、ペンギンが絶滅の危機に瀕しているというのに、話題にならないのかというのも、恐ろしい理由があるのだ。
同じ、絶滅が危惧されているクジラは、かつては、アメリカとイギリスが脂をとり、灯油とするために乱獲をした。しかし、アメリカから石油が出ると、クジラが採れてしまうと、石油が普及しないということで、捕鯨禁止を打ち出すのだ。その捕鯨禁止キャンペーンには、自然保護団体が利用されたのだ。同時に、今まで怪獣とされていたイルカも、映画などを通じ、人間に近い知能を持つ生き物とあがめるというプロパガンダが行われ。見事に、クジラの脂から、石油へのエネルギー転換に成功したのだ。
それと同時に、日本に対して牛肉を売ろうとする動きもあり。捕鯨を禁止することで利益の出る団体やその経営者や役員から、捕鯨禁止の活動をする自然保護団体などに、活動資金として、寄付金が寄せられていたらしい。
しかし、ペンギンはクジラとは違い、アメリカやイギリスの利害関係の蚊帳の外にいたのだ。 ペンギンは石油資本や職人業界との利害関係がないから無視されているし。ペンギン保護の自然保護運動をしても、活動資金として大手資本の寄付が得られないこともあり。ペンギンが危機に瀕しているという告知がなされないのだ。
アメリカからすると、豊かさに狂った中国人が、自分の食の楽しみを、自分自身で無くして言っているわけで。その無くなったたのしみを、香港ディズニーランドなどのアメリカ文化で楽しんでくれた方が、国として儲かるのである。
アメリカ人の特徴の一つに、アメリカ人は嘘はつかないが、肝心なことは言わないという所があるが、まさにそのとおりで、アメリカに有利な状態であり、本人が勝手に不利な状況になるときには、あえて言わない事が多い。
だから、ペンギンが絶滅する可能性があるということは、欧米のメディアでは取り上げられないのだ。
さて、そのペンギンの皮だが。
丸正総本店にも、袋入りで販売されていた。
そして、これが、ペンギンを使った食材である。
下の写真が現物だ。

これは、販売されていたパッケージ。

物価の安い、いわゆる途上国で生産されているために、意外に値段はお手頃だった。(ねしかして、アンフェアトレード商品かも)
このペンギンの皮と食感の似ているキノコの一種も流通しているが、この値段だったら、リッチになった中国人は簡単に本物のペンギンの皮を簡単に買ってしまうだろう。
いくらペンギンがかわいそうだといっても、日本は、世界中の食材を食い尽くしていると言われており、様々な問題を起こしている。だから、可哀想だと言って、日本人は、中国人を責めるわけにはいかないのだ。
中国人も、日本人と同じように、物質的に豊かに暮らしたいわけで、それを否定すると、今の日本人の豊かな生活を否定してしまうことになる。
豊かな暮らしと環境保護という相反する事に、どのように折り合いをつけていくのかが。循環型と言われる21世紀社会の大きな課題となるだろう。
ちなみに、一袋250円でした。
いくらなんでも、ペンギンの皮がこの値段で買えるわけがありません。
ペンギンが可哀想ということで、悲しい思いをした方。ごめんなさい。
とはいえ、ペンギンの事以外は、ほとんどが現実の環境問題だったりします。
環境の問題と、先進国といま発展途上の国との問題など、どうバランスを取っていくべきなのでしょうね。