タイガーマスク運動に想う
[2011年01月13日(Thu)]
孤児施設にランドセルや学用品を「伊達直人」などの名前で匿名で贈る「タイガーマスク運動」が話題になっています。
まあ、多くの人が支援する気になることはいいことなのですが、いろいろ想う事が・・・・。
タイガーマスクは、孤児院出身の伊達直人がタイガーマスクと言う覆面レスラーとして戦いファイトマネーを孤児施設に寄付するという作品ですが。
その面のイメージがとりただされて、タイガーマスク運動となっています。
確かに実際は伊達直人が、孤児院のちびっこハウスに寄付をしているのですが。
伊達直人は、普段からちびっこハウスに顔を出し、普段から面倒を見ている人である。
だから、匿名の人ではないということです。
原作では、子どもたちからすると、伊達直人は、目に見えた存在であるわけです。
しかし、タイガーマスク運動の伊達直人は、子どもたちからすると見えない存在である。
これは、あまり良い傾向とは思えません。
私は、タイガーマスクではないけど、津波孤児施設に定期的に顔を出しています。
施設では、支援している人への感謝の気持ちを伝えるように指導していて、子どもたちは自然に感謝の気持ちを表現してくれます。
2年前に図工の先生を連れて絵を描いたり、造形遊びのワークショップをしにいったのですが。その時の事を覚えていて、私がいくと、最新の作品を見せてくれる子どももいます。
これが、なんとも嬉しいです。
ですが、誰からもらったのかわからないものをもらった場合、誰に感謝をすればいいのか、混乱が生じます。それが、つづく事で、有り難味ということがわからなくなる可能性さえあります。
もし、施設の子どもたちのことを思うのなら、出来れば通うことをオススメします。
原作の伊達直人の設定もなかなか奥が深いです。
伊達直人は、海外の企業「虎の穴」に、その才能を買われて、全額負担で、海外留学というか研修に行きます。そして、プロとしての技能を身につけて日本に帰国し、プロレスラーとして仕事につきます。海外の企業「虎の穴」とは契約で、ファイトマネーの半額を上納することになっていたのですが、ちびっこハウスの経営難を知り、上納するお金に手をつけてしまったことで、「虎の穴」との確執が始まった。
これで思い出したのは、奨学金の返済をしていない人が問題になっているという話です。
もし、伊達直人を支援した団体が、虎の穴ではなく、奨学金組織だったとすると。
伊達直人は、奨学金を返済しない悪い人ということになる。
日本の奨学金は、給与式の奨学金が少なく、ほとんどは貸付、つまり借金になるというしくみです。伊達直人の半額という割合ではないが、返済するのが義務である。
その点、虎の穴と似た構造を持っている。
だから、奨学金が返済できない人も、伊達直人も、約束を破った悪い人である。
それにもかかわらず、テレビや漫画を見ていた人の多くは、タイガーマスクが正義の味方だと思っている。
奨学金を返済できていない人とは、大違いの反応です。
イメージとは恐ろしいものです。
まあ、伊達直人は、善意でちびっこハウスに寄付をしたわけですが、同時に、プロレスの多額のファイトマネーを目にして、思いあがってしまった人なんですよね。
お金をたくさん持つと、なんでもできるような気持ちになってしまう、人の心の弱さでしょうね。
また、虎の穴は、お金を稼ぐ場合、かならずしも真っ当な方法だけではないという現実を象徴していると思う。
それに対し、タイガーマスクは、アントニオ猪木やジャイアント馬場などのレスラーと出会い、少しでも真っ当に稼ぐ方法にシフトしていくところに、多くの人が共感し、このドラマの魅力がとなっている。
だから、伊達直人は、奨学金を返済できない人に比べて、いい印象があるのではないでしょうか。
今回のタイガーマスク運動ですが、もしかすると、真っ当な方法で稼いだものでないものも含まれているかもしれません。ですが、伊達直人を名乗ることで、伊達直人に自分重ね、真っ当になろうと思っているのなら、それもいいのかなと思います。
さらに、原作では、伊達直人は、子どもをかばって交通事故で死ぬわけですが。死ぬ前に、タイガーマスクのマスクを捨てます。
人生の最後を意識したとき、伊達直人として死にたかったのでしょうね。
死んでも匿名性を守るというのが、伊達直人のプライドというものなのでしょうか。
今回のタイガーマスク運動ですが、匿名性のために伊達直人を使っていますが。
出来れば、支援の際は、顔が見える関係であってほしいと思うと同時に、一方で、匿名であるなら、死んでも匿名を通すぐらいのものが必要なのではないかと思うわけです。
ちなみに、阪神大震災後に現れた救援物資を配っていたタイガーマスクって、2009年に引退したらしいですけど、一生匿名を通してほしいなと思っています。
今回のタイガーマスク運動ですが、15年続けてきた、阪神大震災後に現れたタイガーマスクのように、できれば続けてほしいですね。
ちなみに、私は、津波の孤児施設にあと10年は通おうと思っています。
ここには、3歳から18歳までの子どもが暮らしているわけですが。
今年が津波から6年目ですから、全ての子どもたちが18歳になる時まで通えたらと考えると、あと10年通わなくては・・・って思っているわけです。
たいした支援ではないですけど・・・・
まあ、多くの人が支援する気になることはいいことなのですが、いろいろ想う事が・・・・。
タイガーマスクは、孤児院出身の伊達直人がタイガーマスクと言う覆面レスラーとして戦いファイトマネーを孤児施設に寄付するという作品ですが。
その面のイメージがとりただされて、タイガーマスク運動となっています。
確かに実際は伊達直人が、孤児院のちびっこハウスに寄付をしているのですが。
伊達直人は、普段からちびっこハウスに顔を出し、普段から面倒を見ている人である。
だから、匿名の人ではないということです。
原作では、子どもたちからすると、伊達直人は、目に見えた存在であるわけです。
しかし、タイガーマスク運動の伊達直人は、子どもたちからすると見えない存在である。
これは、あまり良い傾向とは思えません。
私は、タイガーマスクではないけど、津波孤児施設に定期的に顔を出しています。
施設では、支援している人への感謝の気持ちを伝えるように指導していて、子どもたちは自然に感謝の気持ちを表現してくれます。
2年前に図工の先生を連れて絵を描いたり、造形遊びのワークショップをしにいったのですが。その時の事を覚えていて、私がいくと、最新の作品を見せてくれる子どももいます。
これが、なんとも嬉しいです。
ですが、誰からもらったのかわからないものをもらった場合、誰に感謝をすればいいのか、混乱が生じます。それが、つづく事で、有り難味ということがわからなくなる可能性さえあります。
もし、施設の子どもたちのことを思うのなら、出来れば通うことをオススメします。
原作の伊達直人の設定もなかなか奥が深いです。
伊達直人は、海外の企業「虎の穴」に、その才能を買われて、全額負担で、海外留学というか研修に行きます。そして、プロとしての技能を身につけて日本に帰国し、プロレスラーとして仕事につきます。海外の企業「虎の穴」とは契約で、ファイトマネーの半額を上納することになっていたのですが、ちびっこハウスの経営難を知り、上納するお金に手をつけてしまったことで、「虎の穴」との確執が始まった。
これで思い出したのは、奨学金の返済をしていない人が問題になっているという話です。
もし、伊達直人を支援した団体が、虎の穴ではなく、奨学金組織だったとすると。
伊達直人は、奨学金を返済しない悪い人ということになる。
日本の奨学金は、給与式の奨学金が少なく、ほとんどは貸付、つまり借金になるというしくみです。伊達直人の半額という割合ではないが、返済するのが義務である。
その点、虎の穴と似た構造を持っている。
だから、奨学金が返済できない人も、伊達直人も、約束を破った悪い人である。
それにもかかわらず、テレビや漫画を見ていた人の多くは、タイガーマスクが正義の味方だと思っている。
奨学金を返済できていない人とは、大違いの反応です。
イメージとは恐ろしいものです。
まあ、伊達直人は、善意でちびっこハウスに寄付をしたわけですが、同時に、プロレスの多額のファイトマネーを目にして、思いあがってしまった人なんですよね。
お金をたくさん持つと、なんでもできるような気持ちになってしまう、人の心の弱さでしょうね。
また、虎の穴は、お金を稼ぐ場合、かならずしも真っ当な方法だけではないという現実を象徴していると思う。
それに対し、タイガーマスクは、アントニオ猪木やジャイアント馬場などのレスラーと出会い、少しでも真っ当に稼ぐ方法にシフトしていくところに、多くの人が共感し、このドラマの魅力がとなっている。
だから、伊達直人は、奨学金を返済できない人に比べて、いい印象があるのではないでしょうか。
今回のタイガーマスク運動ですが、もしかすると、真っ当な方法で稼いだものでないものも含まれているかもしれません。ですが、伊達直人を名乗ることで、伊達直人に自分重ね、真っ当になろうと思っているのなら、それもいいのかなと思います。
さらに、原作では、伊達直人は、子どもをかばって交通事故で死ぬわけですが。死ぬ前に、タイガーマスクのマスクを捨てます。
人生の最後を意識したとき、伊達直人として死にたかったのでしょうね。
死んでも匿名性を守るというのが、伊達直人のプライドというものなのでしょうか。
今回のタイガーマスク運動ですが、匿名性のために伊達直人を使っていますが。
出来れば、支援の際は、顔が見える関係であってほしいと思うと同時に、一方で、匿名であるなら、死んでも匿名を通すぐらいのものが必要なのではないかと思うわけです。
ちなみに、阪神大震災後に現れた救援物資を配っていたタイガーマスクって、2009年に引退したらしいですけど、一生匿名を通してほしいなと思っています。
今回のタイガーマスク運動ですが、15年続けてきた、阪神大震災後に現れたタイガーマスクのように、できれば続けてほしいですね。
ちなみに、私は、津波の孤児施設にあと10年は通おうと思っています。
ここには、3歳から18歳までの子どもが暮らしているわけですが。
今年が津波から6年目ですから、全ての子どもたちが18歳になる時まで通えたらと考えると、あと10年通わなくては・・・って思っているわけです。
たいした支援ではないですけど・・・・
このような善意の広がりは、寄付控除が無いから広がったんだと思うんです。
寄付控除をしてしまうと、匿名で寄付が出来ないから、タイガーマスク運動を支援することにならない。
私はあまり良しとはしませんが、日本人は、匿名の面白さが好きなメンタリティをもってますから、そのことを考えると寄付控除は意外にウケないのかも。
それより、匿名で寄付した場合にも寄付控除が認めらる法律が出来たとすると、脱税に使われる可能性があり。そちらが怖い。
寄付控除をするなら、長者番付を復活させた方がいい。正確には、寄付控除長者番付。
長者番付を出すことによって、広告効果を狙い、こぞって、寄付をする。
ただし、寄付を受け付ける事で利益を得る団体を設立するヤツも現れそうなのが問題。