こんにちは。せんまやサテライトの佐藤です。
先日の狩野の記事に続いて私も最近読んだ本の紹介をします。
買ったはいいものの、積みっぱなしになっている本たちを、このブログで紹介することを目標に少しずつ消化できればと思います…。
※ここでの「自治会」と「町内会」は同じものを指しています。
著者は、普段は仕事や育児をこなしながら、自身のブログで漫画評論や育児論等を綴り、本も出版しているブロガーの紙屋高雪氏。
団地の町内会長が突然亡くなって、次期会長に誰も手を挙げない中「みんなで協力し合って細々とでも続けていきたいので、形だけでも…」と頼まれ、つい引き受けてしまいます。
が、協力を約束したはずの人達はその直後引っ越して団地からいなくなってしまい、いきなりはしごをはずされた状態でスタートする著者の町内会長ライフ。
校区(自治会連合会のようなもの)の会合や行事に引っ張りだこになりながらも、他の自治会の活動も参考にして、住民アンケートを取って地域課題を解決、町内会活動を住民に知ってもらうために毎月広報を配布、携帯番号をオープンにして24時間365日相談を受け付ける等、奮闘します。
それでも会長として(または町内会として)参加ができない校区の要請には、他の町内会長や役員から嫌味を言われながらも断ってきたのですが、ある日校区の会合で“つるしあげ”にあってしまい、ポッキリ心が折れてしまいます。
「もう自治会長をやめよう」と決心するも、後継の会長に応募はなく、とうとう自治会休会についての班長会議が開かれます。
しかし、そこで「団地で夏祭りや餅つきに取り組んできたことで、かろうじてコミュニティーが成り立ち、あいさつできる関係があるのでは。このまま自治会をなくしてしまうのはもったいない」という声が上がり、「その範囲でならボランティアでやってもいい」という機運が高まりました。
そして、「休会した自治会にかわる暫定的な組織をつくりましょう」と会費なし・義務なし・手当なし”の「ミニマム町内会」ができたのでした。
この「ミニマム町内会」の具体的な中身等は実際に本を読んでいただきたいと思います。また、本の終盤部分では「自治会は今後どうしたいい?」ということについて著者の考えが述べられています。
この部分については賛否両論あるかと思いますが、著者が語る自治会の役割「親睦をふかめ、そのことがコミュニティーとしての意識を少しでも深めることができるものであれば、それこそが行政や企業にはできない、町内会として本当にやる意義のあるものではないでしょうか」という部分には、今のところ自分も同じように思います。
係になれば事前の会議や準備、当日は朝の準備から夜の反省会までということも多い自治会行事ですが、やってみれば楽しいし、今まで話したことなかった地元の人と外で会ったときに笑って挨拶できるようになったり、こういう積み重ねが地域で生きていく中でいろいろと役に立っていくんだろうなと感じています。
あとは参加しやすい仕組みをどうするかなんでしょうね。
そういうことを考える1つの参考としてこの本は役立つのではと思います。
舞台が都市部の団地町内会なので、一関市とは事情が違う部分もありますが、自治会に関する全国調査等を引用して、役員会の開催回数や会長手当の年額等のデータも掲載されているので、「他ではこんな風にやってるんだ」と読むだけでもおもしろいので、既に自治会で活動されている方や「自治会ってなに?」という方どなたにもおすすめです。
紙谷高雪氏のブログ「紙谷研究所」
URL:http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/
ブログ内の本書についての記事「本を出します 『“町内会”は義務ですか?』」
(本書の「はじめに」の部分が試し読み出来ます)
URL:http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20141015/1413298801
一関市内で本書が借りられる図書館(2015/3/2現在)
・花泉図書館
・千厩図書館
・川崎図書館