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2016年05月25日

idea6月号二言三言「学童『くまの子クラブ』の運営と地域づくり」こぼれ話

ideaに掲載できなかったお話を「こぼれ話」としてご紹介します。

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対談者 放課後児童クラブくまの子クラブ 運営委員長 熊谷まき子さん
聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺 浩樹


◎くまの子クラブをやってみて感じる 「よかったこと」 と 「課題」
【小野寺】くまの子クラブをやっていて、よかったな、課題だなと思うことはありますか?
【熊谷】あります。やってよかったのは、私が若返って楽しんでいることですね。68歳なんですがまだ動けるから、子ども達と一緒に取っ組み合いできるかな〜なんて考えたりね。 課題は、私が年をとっていった時に、この学童をどうしようかということですね。あとは、任せます。

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子ども達が通う くまの子クラブさんの施設(外観)


◎どこの児童クラブでも、やりたいことはきっとたくさん
【熊谷】私は元気に遊ぶ、運動する、外に出させるってことをよくします。前にはボルダリング施設に行って遊んだりしたしました。
【小野寺】いや〜、すごいと思いましたよ。
【熊谷】冬は、4年生以上の子が参加できるリーダー研修をやってます。萩荘の知勝院に一泊したりして、リーダーの自覚を持たせる感じでやってますよ。お父さんお母さんも協力してくれます。どこの施設も同じように助成金が出ているので、私達のようにできると思いますが。
【小野寺】決まりきった器ではなくて、熊谷さん自身の想いがあって始めたことが、そういうことに繋がってますよね。よそは行政から用意された受け皿があって、その受け皿の中でしかやっていないから自由さもないんですよね。
【熊谷】働いている人も給料をもらっていればいいという状態でずっときたんですよね。ただ、そこを一歩出て何かやろうとすると、運営委員さんの許可が必要なのだろうと思います。
【小野寺】やりたいこともできなくなってきてるんでしょうか。
【熊谷】多分、働いている人達はやりたいことがいっぱいあると思うんですよ。それを活かしてあげればいいんだと思います。旧一関市内にお仕事に来て40〜50分かけて家に帰る方もいるし、仕事は5時の定時で終わるわけでもないし、家におじいちゃんおばあちゃんがいない家だって結構あるわけじゃないですか。すると、学童だって7時〜8時までやってほしい人もいるんじゃないかなと思うんですよ。
厳美と舞川は、必要にかられたお父さんお母さんが必至になって動いて、私も協力して、個人経営の学童をつくったんですよ。そこは指定管理にはなってません。
【小野寺】そうなんですね〜。
【熊谷】地域には口うるさい方がいて、そして学童そのものをきちんとわかっていないんですよね。全国学童保育連絡協議会というものがあるんですけど、一関市では入っていないんですよ。入ってるのはくまの子クラブだけですよ。だから、本当に市役所経営で守られていたんだと思います。
【小野寺】自分達で経営の中身やクオリティを伸ばしていこうという気はなかったんですね。
【熊谷】うん。学童で預ってもらってるからそれでいいって。それをなるだけ、うちではお父さんお母さんも巻き込もうと思って、父母会に運営に入ってもらいました。
【小野寺】そうですよね。父母会が主体となって運営しているということですもんね。
【熊谷】だって自分の子どもだからさ〜
【小野寺】そうですよね。自分の子ども預けるんだから、任せるだけじゃなくてちゃんと経営とか運営の部分に口を出して良い環境をつくらなきゃいけないということですもんね。

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◎中高生も 「帰って来れる場所」 である
【小野寺】8年間くまの子クラブをやっていて、卒業生も出てくると、「戻ってくる場所」にもなるんですよね、ここが。
【熊谷】だと思って、オープンにしてますけどね〜。毎日中学生が「ただいま」ってここに帰ってくるんだもん。
おやつを食べて帰りますよ。
【小野寺】えっ中学生がですか?
【熊谷】中学一年生がね。高校生もそうですよ。
【小野寺】すごいな〜!
【熊谷】結局、今兄弟が少ないじゃないですか。一人っことか。小学生は、中高生をお兄さん、お姉さんみたいにしてくっついてますよ。取っ組み合いもするし。今日はこれからお誕生会をしますが、全部6年生が仕切ってやってくれるんで。6年生にお任せみたいな。
【小野寺】やはり主体性とか、責任を預けるって大事ですよね。それをやらせないから積極的じゃないし、消極的だしやらされ感たっぷりになっちゃうんですよね。
【熊谷】6年生になったらやってもらいます。これもうちの特別なんですけど、6年生になったら卒業旅行をやるんです。今までは東京見物だったんですけど、今年は女の子たちの強い希望でディズニーランドに一泊することにしました。翌日は、明治座で志村けんさんのバカ殿様の公演を見る予定です。
【小野寺】くまの子クラブの卒業旅行ですよね。ほかじゃ、そういうことはできないんじゃないでしょうか。
【熊谷】運営委員長が区長さんとかだと、そこまで責任とれないですものね。ここでは私が委員長をやっているので、私が全面的に責任を負うということで連れて行きます。東京に行ったことがない子なんかは、カルチャーショックを感じるようですよ。
【小野寺】そういうの大事ですよね。


◎一関で起きているDVについて

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【小野寺】DVの状況はどういう風に見えますか?一関にはシェルターがありませんよね。
【熊谷】市ではどこかにコソっと匿まってくれるんですよね。でも、そこに民生委員さんが来て、ちょこちょこ市に報告するんですよ。結婚するわけじゃないけど、手伝いで男の人を呼んだりだとか、彼氏ができたとか、それを市に報告されると、補助金が打ち切られるんですよ。
【小野寺】なるほど。
【熊谷】せっかくDVから逃れて落ち着いた生活を始めようとしているのにね。男の人からお金を受け取っているわけじゃない、付き合っているわけでもなく、ただ来ているだけなんだけど。余計なこと言わなきゃいいのにね(笑)でも、旦那はどこからか情報を知ってやってくるんだよね。
【小野寺】知らないうちにバレちゃうんですよね。
【熊谷】それで、お母さんの自動車をボコボコにして帰っていったなんてこともあるからね。
【小野寺】ええー!?
【熊谷】そうするとまた逃げなくちゃならないじゃないですか。一関には母子寮がないし、市では匿う場所を変えてくれますよ。子どもは学区外の学校に通えるようにしたりね。
【小野寺】児童相談所と、福祉課と、民生委員さんと、連携がとれていないんでしょうか?
【熊谷】とれてないです。横の繋がりはないと思います。
【小野寺】本来、そういうところは横の連携をしないと、守るべき人を守れないと思いますけどね。
【熊谷】結局は親の元に返すのが一番なんだけど、私達はそこまで入っていけないので。


◎赤ちゃんに抵抗力・免疫力をつけるには

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【小野寺】うちも9か月の娘がいるんですが、今ちょうど覚え盛りで、物を舐めたりします。何ごとも経験だから、汚くもあるんだけどもバイキンが入ってもいいやって。少しぐらい舐めさせてもいいやって言ってるんです。
【熊谷】小児科の先生は、「お父さんお母さんは、赤ちゃんにいっぱいチュッチュしてください」って言ってましたよ。要するに、親の細菌を体に入れて免疫をつくっておかないと、大人になってから色々な障がいが出てきますよって。よくお父さんお母さんの虫歯菌がどうだとか言うけど、お父さんお母さんが赤ちゃんにチュってするのが、赤ちゃんに細菌を入れる一番の近道なんだそうです。それを全部殺菌消毒して抗体がないまま大人になると、力がない子になってしまうそうですよ。
【小野寺】スキンシップとコミュニケーションですね。

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