対談者 興田地区振興会 地域協働推進員 千田秀明さん(左)
舞川地域課題対策協議会 同上 吉田真梨子さん(右)
聞き手 いちのせき市民活動センター センター長 小野寺 浩樹
◎手ごたえを感じた出来事
【小野寺】着任して半年くらい経ちますが、地域協働推進員(以下「推進員」)として手ごたえを感じたことはありますか?
【千田】そうですね〜、今年の2月に秋田の稲村先生を講師に行ったワークショップ(まちづくり講演会)は、主に子育て世代の若い方に案内を送るという主旨だったんですが、フェイスブックで公表したら、他地域からも「興田の住民じゃないけど参加していいですか」というコメントがきたので「大丈夫ですよ」とお返事しました。
当時、広い会場が市・県民税の申告相談で使われていたため、ワークショップは別の狭い部屋で無理やり行ったので、人が溢れちゃって。当初は40名くらいを想定してたんですが、実際はスタッフを含め56名になりました。想定外のことでしたが嬉しかったです。ちょっと皆の意識が変わったのかなって。
2016年2月13日に行われた「まちづくり講演会」の様子
(興田地区振興会さんのフェイスブックより転載)
(興田地区振興会さんのフェイスブックより転載)
【小野寺】あれは確かに手ごたえがありましたよね。興田がこんなに熱くなったのはビックリでした。吉田さんはいかがですか?
【吉田】私は推進員になった当時はとても不安だったんですが、最近、やる道筋が見えてきました。この前のワークショップには沢山の方が集まってくれて、皆が意見を言っているのを見るのがすごく楽しくて。これからは、もっと盛り上がってほしいなと期待しています。
【小野寺】舞川は、年に一回必ず「自治公民館大会」という、18行政区を集めて講演会や勉強会を舞川地域課題対策協議会(以下「課題協」)主催で行ってるんですけれども、その参加率がすごく高いんですよ。各行政区から10名以上の方が集まるので、合計すると全体で180人くらいの方が集まるんです。そういう意識がある地域です。
最近、地域づくり計画の策定委員会を置いて、委員さんに会議に来てもらってるんですが、委員の方達が課題意識をもってくる方が多くなったかなと、それがつい最近の大きな変化と感じています。
2015年2月22日に行われた「第34回舞川地区自治公民館大会」の様子
【吉田】自治公民館大会のことを知らない若い方もおりますが、今回は、各行政区から若い人を必ず3名は参加してもらいましょうと、こっちから呼びかけてみました。実際に参加してみると「こんなことやってたんだな」って感想があって、そこからワークショップへの参加にも繋がったんです。小野寺さんの講演を聞いて「ワークショップに参加する」って言ってくれた方もいたんですよ。
【小野寺】そうでしたか!二人とも変化や気づきはあると思うんですよ。興田は7年前から入っていて、もともと意識の高い人達が多いなあと思うことがあったんですけれども、ここ最近になって、興田地区振興会の方々はすごく前向きになりましたよね。今まではどちらかというと「うちの自治会が〜」という小さい単位での考え方だったんだけど「興田が〜」というようになってきたなと思います。発言の主語が「興田が」に変わったのはすごい変化だなと思っているので、推進員さんが来て安心している感じはあると思いますね。この間の2月の勉強会での手ごたえ、住民感情の高まりでしょうね。やはり自分達も変わっていかなければならないし、参加していかなければならないというのが見えてきたから「行こうか」ってなってきたのが本当に顕著に出たんだと思います。他地域の方が「興田の人達が何かやっているようだから行ってみよう」と感心を持たれるのはよいことですよね。
どっちにしても人が少なくなってきているので、興田でやっていることに舞川の方が行ってみたっていいし、舞川でやっていることに興田の方が行ってみてもいいし、そこは人の交流を生んでいかなきゃいけないですよね。できない理由を探すよりは、どうしたらできるかを考える必要があって、興田とか舞川とか地域の壁は関係なく交流していただければおもしろいんだろうなって。2月の講演会は正にそうでしたね。大原から来たり、東山から来たりだとか。
◎地元ゆえのやりにくさ
【小野寺】地元ゆえのやりにくさってないですか?
【千田】まだそこまで深みに入っていないので、これから見えていくのかもしれません。
それぞれ皆さんが一人で考えてモンモンとしていることは、ワークショップとかの場で解決できると思います。
皆さん立派な考えを持っているのに、そこが上手く噛み合っていなかったりするので、それをうまく同じ方向に向いていけばいいのかなと思います。皆否定的なワケじゃなくて、考えや方向性が違うだけなので。そこだと思うんですよ。
【小野寺】さすがだな〜!どうですか、吉田さんは地元ゆえにやりにくいと思うことはありますか?
【吉田】最初はやりやすいと思っていました。顔も知っているし地域にも入りやすいと思っていたんですが、「この人はああいう人だ」とか、人に対しての先入観が強かったので、そういうやりにくさを感じたこともありましたね。でも人に対しての感情うんぬんは、断ち切っていかなければなりませんね。
【小野寺】それは大事ですよね。発言と人は切り離さなきゃならないから。人と発言を対(つい)にしてしまうと、人の批判にしかならないから。せっかくよいことを言っていても「この人はいつもあ〜やっていじめるんだよね」、という先入観で判断してしまいますからね。
◎これからやってみたいこと
【小野寺】お互いに、何かしてみたいことはありますか?
【吉田】交流事業をしてみたいですね。
【千田】まだ点と点での協働体の動きなので、隣だからとか、そういうのじゃなくて、飛び石的にでも何かしらの事業ができればと思います。
【吉田】旧市内だったら、毎月推進員の情報交換会をやっているんですが、人数が少ないので、全域でやればいいのになって思います。舞川は興田に似たところがあるので、そういうところとの情報交換をしたいと思いました。
【千田】定期的に意見交換・情報交換する機会がないと、うちにだけ籠ってしまいますよね。ノウハウとか進め方とか情報を仕入れて、お互いに切磋琢磨できればと思いますので。
【小野寺】開催してほしいなと思いますし、こっちからも担当課にプッシュしておきます。
【千田】旧市町村ではなく、全地域のエリアで。堅苦しくなくざっくばらんな感じでやりたいですね。
【小野寺】こういうワークショップはよかったけど、これは失敗したとか。
【千田】そういうのをぜひね。
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