2011年12月2日、あけぼのアート&コミュニティセンターにて、ラーニングガーデン勉強会を行いました。今回は共催として、NPO法人コンカリーニョ(あけぼのA&Cセンターの管理者)と公益財団法人札幌国際プラザにご協力をいただき、開催しました。
講師はブレット・ヘンドリクスさん。アメリカのポートランドから日本へ2011年4月にALTとしてやってきましたが、自分の本当にやりたいことは別だと思い辞職。
もともとポートランドでも行っていたパーマカルチャー(持続可能な農業)やコミュニティ形成といった、私たちの共通用語でいうところの「エコビレッジ」的なことに携わりたいとして、当団体とつながりました。
今回のブレットさんの話であった話ですが、もともとポートランドでは以前から公共の土地を市民菜園=コミュニティファームとして利活用しており、その菜園をフィールドとして、地元の小学校や中学校が公式のプログラム(授業)に取り込む「ラーニングガーデン」が行われています。
ラーニングガーデンではもちろん畑の作業や農業についてまなぶということもできますが、さらに他のことについてもまなぶことができます。
例えば、環境教育として持続可能な行動や環境のことを教えたり、作業を通じてリーダーシップやチーム作りを教えたり、英語などの言葉や文化、地理や歴史、栄養学、料理や食育、ガーデニング、アートやデザイン、数学(算数)や科学など、教えられることは多岐にわたります。
そして、これらの活動を行ううえで、あけぼのアート&コミュニティセンターについては非常に良い環境であるとブレットさんは解説しました。
札幌という100万人都市にあること、さらにそのなかでも中央に位置すること、すでに菜園を持っていること、(座学などを行うための)施設もあること、などがその理由として該当します。
そういった好条件にあることと、いま〜これからの社会に求められる必要スキルを磨くきっかけづくりを行なっていくという文脈のもと、ぜひともラーニングガーデンをここで行なっていきたいということで、ブレットさんからの提案がありました。
▲会場の様子。最終的には32名(うち5名が外国人)が揃った。その後の質疑応答についても、非常にホットな質問が参加者からは寄せられ、具体的に子どもたちをラーニングガーデンに招き入れるなかでどれくらいの人数を呼ぶか?(これについては指導員1人に3人の子どもがベターとの回答)などのやりとりがありました。
そして、今回はブレットさんが日本語をまだあまり話せないことから、全編英語でプレゼンテーションを行い、YMCAの先生に通訳をしていただきながらセミナーを進めていきましたが、これについては、先生のおかげでスムーズにすすめることができ、参加者にとってもストレスにならなかったのではないかと思います。
また、教育関係の内容であったことから、ブレットさんとおなじくALTとして日本に来られている方々も、セミナーに参加されました。
ラーニングガーデンには、子どもたちの国際感覚を養うというミッションもあるので、それについては彼らなど在日外国人の協力は必須です。
最後に、参加者の声をいくつかご紹介いたします。
「(ラーニングガーデンは)自分も体験してみたいし、将来的に子どもにも体験してほしい」(20代女性・学校職員)
「自分の畑でも学生や社会人、子ども、大人に体験してもらいたいと思っています」(20代男性・農業)
「多角的にまなぶことができ、子どもたちの自立や成長に大事な経験と思いました。ぜひ、日本の学校に取り入れたい」(30代女性・福祉職)
なお、I&Iでは来年度のラーニングガーデン実施を目指して、現在話をしているところです。
随時情報をお届けしていきますので、よろしくお願いいたします。
また、ラーニングガーデンに関する情報をメールでも発信いたします。もし関心があるかたは、ぜひ当団体メールアドレスまでご連絡ください。