たまには制度の話 [2006年10月03日(Tue)]
平成18年の10月1日。
休日だったこともあり、すっかり忘れておりましたが、 障害者自立支援法実施の日でした。 ひょうたんカフェ最大の事業である「障害者デイサービス事業」は、 10月より「地域活動支援事業」という市町村事業へ移行いたします。 平成19年3月末までは、「経過的デイサービス事業」として、これまで通りの指定条件、報酬単価が保障されることになりましたが、4月以降は「地域活動支援センター」として再出発をきる予定です。 「このままいくわけない。どこかでどんでん返しがあるはず。」 自立支援法に関して、何人もの障害施設の施設長さん、職員さんからこういった類の言葉を聞きました。 何を根拠にそんな楽観的なことを言えるのだろう、とその度に思います。 小泉さんの構造改革、そんなに甘いもんじゃないよ・・と。 新宿の公園一面のホームレスのブルーテントの山、 有名大学を出ながら、「就活で失敗した」と、時給1200円のヘルパーとして不安定な身分のまま何年も働いている若者・・。 これが今の日本の社会の現実であるのなら、障害福祉の世界だけ聖域でいられるはずもなく。 「少ない資源でどうしたらもっと良いサービスを提供できるか、各自治体、各事業所の創意工夫が問われていると思ってがんばろう」という前向き意見もありますが、 そこまで素直になるのもしゃくだと私は思ってしまう。 東京に住んでいた数年間、第三者評価の仕事でたくさんの施設を回りました。 都立直営の施設と、都立(区立)民営、民設民営、3種類の施設があるのですが、一番職員の待遇が良いはずの直営施設が、なぜか一番サービスが良くない。 なぜ良くないのか? 職員さんがいわゆる「公務員的」なんですよ。 私が施設で働いていた頃は支援費以前の「措置時代」でして、民間施設も準公務員並の待遇が当然でした。利用者さんが来てもこなくても給料は保障されている。 今や日割り計算が導入されましたから、利用者さんがあまりこないような施設は職員の給与保障もできなくなりました。施設のサービスに不満があっても、他に移れるわけでもなし・・という方もまだまだ多く、人気度が高ければ経営が安定・・というわけにストレートにはなっていかないのが、他の商売と違って難しいところではありますが。 話がそれましたが。 何にせよ、必死に努力しないと給料はもらえない。 世間では当たり前のことですが、福祉の世界で本当にこれが実感されるのはまだまだ先のことになるような気がしています。 「必死になって売らなければたとえ豆腐でも成功はできない」 蔵王すずしろの武田施設長の言葉です。(←FVPさんのHPでコラム読めます) そうなんです、豆腐一個売って利益はたった数十円です。 一個の豆腐を確実に売るのに、どれだけ手間ひまがかかるか、やってみて初めてわかりました。売り続けるのは本当に大変なことです。 自分がこんなことで苦労するようになるとは、のんきだった施設職員時代には思いもよらなかったですね・・ 自立支援法で皆の目の色が変わり、生き残るために必死で何かを始める・・・そんな風になるなら悪くないですね。 必死で何かをやってる人は、他の人の必死も応援できる。 これ、豆腐売ってみて学んだ世間です。 まだまだ世間知らずでした、ハイ。 長くなりましたが。 いつもお豆腐やらポーチやら買ってくださる皆様、温かい応援、本当にありがとうございます。 今後ともよろしくお願いします。 (結局行き着くとこ、これか・・ ![]() |